陰りが見え始めたSTVVの勢い 小野裕二は焦らず「どう建て直すか」
3連敗を喫したSTVV
序盤好調だったSTVVだが、3連敗を喫するなど苦しい時期を迎えている 【Getty Images】
無念さをにじませながら語ったクリス・オルーグリン監督の「前半は中盤を制していたんだが」という言葉には、後半は別のゲームになってしまったことがうかがえる。STVVは4バックと3人のボランチで守備を固め、ヨハン・ボリ、エドミウソン・ジュニオールの2トップとMF小野裕二で攻め込む新布陣を採用したが、後半立ち上がりに大ピンチを招いてから徐々に瓦解し、55分に2点差とされると相手に圧倒されてしまった。
フル出場した小野は試合直後ということもあり、顔に汗を滴らせながら「今日は、相手の方が単純に強かったと思う。セカンドボールもそう。一対一になったときの対応などでも後手に回っていた部分がある。そこが差になった」と分析した。
小野「浮き沈みが激しいのは予想できていた」
「チームとして相手を押し込み、センターバックの一枚が中盤に上がってセカンドボールを拾って二次攻撃、三次攻撃を仕掛けている時、良い場面が起きていた。僕も相手の間で受けて前を向いて、一人かわして、相手の股を抜いてシュートを狙ったりしたんですけれど、相手の足に当たってしまったりした。ただ、自分の陣地の低い位置でパスを回すとき、どうするか。自分のポジショニングも含めて、そこが課題」(小野)
連敗をストップできず、チームとしては辛抱する時期を迎えているが、「あまりネガティブになり過ぎてはいけない」と小野は言う。
「今日は代表ウィークもあって2週間空いていたから、本当に再スタートだった。連敗していたので、違う流れにしたかったけれどできなかった。(横浜F・) マリノスの時は10試合勝てなかった時があった。スタンダールの時もずっと勝てない時期があった。こういう時期は強いチームでもあり得ること。これがサッカーだと思うから、それをどう建て直すか。去年、スタンダールで勝てなかった時期があったけれど、それでもしっかりプレーオフ1に入った。自分が経験したことを、みんなに伝えていければいいと思う。リーグは本当に長いから、終わった時にしっかり自分たちはやり切ったんだと言えるように、やっていければいい。本当に若いチームだし、浮き沈みが激しいのは予想できていたこと。だから、この状況を早く打開できるようにしていきたい」
STVVのGKコーチが川島と練習
小野(左)と川島は共にスタンダールに在籍していた 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
「僕は何も聞いていない。永嗣さんからも何も聞いていません。チームにも来ていません。どこからこういう情報が出たのか知りませんけれど、永嗣さんにはお世話になっていますし、尊敬する先輩なので早く永嗣さんがプレーして、代表チームでプレーするところを見たい。また、一緒にプレーしたいから、自分はそこに向かってやるだけだし、(川島にとって)良いニュースが来てほしい。(GKは)難しいポジションだけど、それは本人が一番分かっている。あの人のメンタルとか、考えはしっかりしている。次を見据えて、やっていると思うから。(川島がSTVVに)来たら来たで学ぶことはあると思うし、とにかく今は永嗣さんがどうこうとかじゃなく、チームのことだけを考えてやっていければいいと思います」
今回、川島の記事が出たきっかけは、15日に川島とSTVVのGKコーチ、パトリック・ナイスが合同練習を行ったことだった。ナイスは、アントワープ州2部リーグのメルクスプラスというクラブの、ユース育成技術責任者という役職を持っている。リールセ時代に川島と2年間、仕事をした縁もあり、個人練習に付き添うことになったのだ。
これまで川島は、ベルギーでも屈指のフィジオセラピスト、リーフェン・マーススハルクのもとでコンディションを整えていたという。今後は冬の移籍市場を見据えて、川島とナイスは週2回のペースで個人練習を続けていく意向を持っているらしい。
ナイスはSTVVのピッチを、川島との練習のために使うことができるよう、クラブの会長に掛け合う予定だという。
「その方が、川島にとって家から通うのが近くなるんだ」(ナイス)
今後、STVVとの関係がどのように発展していくか分からないが、今はまだ、川島とナイスは個人的なトレーニングパートナーという関係のようだ。
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