秋のNo.1スプリンター決定戦、第４９回ＧIスプリンターズステークスが４日、中山競馬場１２００メートル芝で開催され、１番人気に支持された戸崎圭太騎乗のストレイトガール（牝６＝栗東・藤原英厩舎、父フジキセキ）がゴール前の直線を鋭く追い込み、ＧI２勝目を挙げた。良馬場の勝ちタイムは１分８秒１。

　ストレイトガールは今回の勝利で２８戦１０勝（うち海外１戦０勝）、重賞３勝目。今年春のマイルＧIヴィクトリアマイルに続き、これでマイル＆スプリントの二冠女王に輝いた。また、騎乗した戸崎、同馬を管理する藤原英昭調教師ともにスプリンターズＳ初勝利となった。

　なお、３／４馬身差の２着には横山典弘騎乗の１１番人気サクラゴスペル（牡７＝美浦・尾関厩舎）、さらにクビ差の３着には四位洋文騎乗の９番人気ウキヨノカゼ（牝５＝美浦・菊沢厩舎）が入った。

　いきなりの宣伝で申し訳ないですが、実は今週からＪＲＡ公式動画の配信がスポーツナビでスタートしました。スポーツナビでは野球、サッカーなどを中心にあらゆるスポーツ動画にも力を入れている真っ最中なので、ぜひこの中に競馬も加えたかった。つまり、念願かなってのＪＲＡ公式動画スタートなわけです。

　ということで、晴れてスプリンターズＳよりレース動画がスポーツナビでも公開されたのですが、いかがでしょう？　素晴らしい画質で、ＰＣはもちろんスマホで見てもゼッケン、時計までくっきり・はっきり見ることができますよね。

　ご協力いただきましたＪＲＡのみなさま、本当にありがとうございます！

　そして、競馬ファンのみなさん、スポーツファンのみなさん、これからの週末はぜひスポーツナビでＪＲＡ重賞レース動画をご覧になってください。

　さて、話を本題に戻してスプリンターズＳ。記念すべきレース動画配信の第１弾を飾るにふさわしい激戦だった。藤原英調教師が開口一番にこんなことを言っていた。

「いやあ本当、どこからストレイトガールが抜けてきたか分からないくらいの混戦でしたね。ミラクルな勝利だったと思います」

　トレーナーですら自分の管理馬を見失うほど、急坂を上がってのラスト１ハロンは横一線。正直な話、僕もストレイトガールが突っ込んできたのに気がついたのは、ゴール板まで残り数完歩というところだったから、この急襲には驚いた。

　なにせ前半３ハロンが３４秒１。これはスプリントＧIとしてはもちろんスローペース。ミッキーアイルの浜中が「もっと２頭（ハクサンムーン、アクティブミノル）が行くかなと思っていたけど、思ったよりペースが上がらなくて……」と振り返っていたように、戦前は逃げ宣言をしていた２頭がガリガリとハナを主張し合ってハイペースになるものと思われていた。

　ただ、これも競馬……いや、これが競馬と言うべきか。ふたを開けてみればあっさりと番手が決まり、妙に落ち着いた流れに――。「行きたい馬が何頭かいたので、ペースも少し流れるかなと思っていました。自分の馬はそれを見ながら先行・中団あたりと思っていたんですが」と、戸崎もこのスローペースは想定外だったようだ。それに加えて、スタート直後に両サイドから挟まれる形となり後手を踏んだストレイトガール。展開としては決して恵まれたものではなく、むしろ厳しい戦いだった。