自信を深めるエディージャパン ラグビーW杯直前リポート
FWの強いジョージアと互角に戦う
ジョージア代表から逆転トライを奪い、喜ぶ日本代表 【斉藤健仁】
ジョージア代表は昨秋、国際試合11連勝を止められた相手で、しかもW杯の予選プール2試合(9月23日のスコットランド代表戦と10月11日のアメリカ代表戦)が行われるイングランド・グロスターのキングスホルムスタジアムで開催された。細やかなところに、W杯経験豊かな日本代表エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)の配慮が見て取れる。
W杯直前の試合は、大きな収穫があった。まずポジティブな面は、やはりFW戦でしっかりと戦えたこと。ジョージア代表はFWの選手のほとんどがフランスでプレーしており、個々の選手は強靱(きょうじん)な肉体を持ち、特にスクラムでは世界有数の強さを誇っている。W杯でセットプレーに自信を持つ、南アフリカ代表、スコットランド代表と戦う日本代表にとっては、絶好の「テストマッチ」となった。
復帰戦のマフィが逆転トライ
FW陣がスクラム、モールで奮闘した 【斉藤健仁】
だからこそ、FW陣は燃えていた。この春からスクラムとモールを鍛え、フィジカルは4年間継続して強化し続けてきた。ジョージア代表は2日にカナダ代表と試合をしていたが、FWの先発と控えを合わせたメンバーの多くは、昨秋の試合にも出場していたメンバーであった。日本代表最多キャップ94を誇るLO大野均(東芝)は「昨年はFWでやられた。スクラム、モールで勝てば試合に勝てる」という決意で臨んだ。
試合開始早々、日本代表は中盤にも関わらず、マイボールラインアウトからモールを形成し、しっかりと押し込んだ。そして後半37分、日本代表の復帰戦となったNo.8アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)の逆転のトライもモールをしっかり組んで、最後はタッチライン際に回すようにして押し込んだ。明らかに成長の跡が見られた。ジョーンズHCも「ジョージア相手に、モールでトライを取れるなんて不思議に思ったのではないでしょうか?」と破顔した。
「美しさ」さえあったスクラム
低く、8人一体で組み込むスクラム。堀江は「対等に組めていた」とコメント 【斉藤健仁】
FWの奮闘ぶりを、一番近くで見ていたSH田中史朗(パナソニック)も「今までやってきたことが実った。今日の試合はFWに誇りが持てる試合だった」と言えば、自身もHO出身のジョーンズHCは「去年11月、ジョージアに負けたときは、スクラムで耐えられなかったし、モールも苦戦した。けれど今日はイーブンのときも、勝てていたときもあった。特にスクラム、フロントローが素晴らしかった」と手放しで第一列の選手たちを称えた。