自信を深めるエディージャパン ラグビーW杯直前リポート
ディフェンスには工夫も必要か
素早くタックルするSH田中。粘り強いディフェンスが光った 【斉藤健仁】
ただ、日本代表のディフェンスシステムは前に詰めてから、ドリフトするため、どうしても相手の深いアタックラインに対しては大外までボールを展開されてしまう。今回の試合では本来はFL/No.8のツイ ヘンドリック(サントリー)を11番で起用したが、その効果は特別、見られなかった。中盤、特にCTBの選手が極端に上がって、大外までボールを展開させないなどの工夫も必要ではなかろうか(もちろん、敢えて隠しているのかもしれない)。
攻撃では「状況に対応しないと」
トライを取り切れないこともあるため、五郎丸のキックによる得点が重要になる 【斉藤健仁】
この試合、ジョージア代表はあまりラックに人数をかけず、早めに、広くディフェンスラインをセットすることに注力していたことも、日本代表がトライを取り切れなかった要因になった。前半途中から沢木啓介コーチングコーディネーターから「FW、ビンゴ、ビンゴ」という声が飛ぶ。「ビンゴ」とはピックアンドゴー(ラックからFWがボールを拾い、近いスペースを攻撃すること)を指す言葉。もっとラック周辺をFWで攻めて相手のDFをラックに集めたかったのだろう。ただ、相手のFWも個々が強かったこともあり、そう簡単にはいかなかった。
試合後、選手たちから「取り切れなかった」ことが課題として挙げられ、リーチ主将、HO堀江、SH田中も「我慢が必要」と声をそろえた。自分たちのテンポで攻撃しているときは良いかもしれないが、特に、ボールが停滞したときの工夫は必要だろう。トライが取れなかったとしても、敵陣22mに入ったときには、PGやDGでもいいので得点を刻みたい。
「アタッキングラグビー」を掲げるジョーンズHCも、このことは百も承知で、「フェイズアタック(連続攻撃)はブラッシュアップしないといけない。シャープにアタックする、ラックから良い球出しをする、相手のディフェンスを判断する、レフリーの解釈などすべてです。我々の(アタックの)プランもありますが、状況に対応しないといけない」とキッパリと言った。
名将はどんなアレンジを加えるのか
試合後の会見で笑顔を見せるエディー・ジョーンズHC 【斉藤健仁】
9月19日、W杯初戦まで、残された時間はあと2週間を切った。「エディー・ジャパン」の最終章がいよいよ始まる。