エディージャパンはW杯で勝てるのか 3連敗で生まれた「不安」
ワールドカップの前哨戦で3連敗
アメリカ、フィジー、トンガに3連敗した日本代表。ジョーンズHCは「課題点が浮き彫りになった」 【斉藤健仁】
日本代表は、2014年度はテストマッチ(国代表同士の試合)で11連勝を達成、世界ランキングを9位に上げるなど好調だった(現在は14位)。6月には24日間の「過酷な訓練」を敢行、FLリーチ マイケル主将(東芝)、SH田中史朗(パナソニック)ら「スーパーラグビー組」が戻ってきた期待感もあった。だが勝てそうで勝てなかった。日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は1年前から「すべての試合はW杯のための準備」と繰り返してきたが、PNCは「課題点が浮き彫りになった」とも振り返った。
ジョーンズHCが就任した2012年以来、テストマッチ3連敗は3度目だが、W杯まであと50日を切った中での連敗に、不安も感じたファンも多かったはずだ。残りは国内で3試合と、現地でジョージア(旧名グルジア)代表戦と計4試合となった今、W杯で24年ぶりの白星にとどまらず「ベスト8進出」を目標とする「エディージャパン」はどうW杯に挑むべきか――。
良かった点は「セットプレー」
強化を進めているスクラムは日本代表の武器となっている 【斉藤健仁】
それでも、W杯を想定すると初戦の南アフリカ代表、2戦目のスコットランド代表はセットプレーが強く、3戦目に戦うサモア代表のスクラムも重い。昨秋はジョージア代表に歯が立たなかったように、本番で優位に立つ保証はない。そのことは指揮官も十分承知だ。そのため8月25日にはウルグアイ代表と、大会直前には現地のクラブチームとスクラム練習を行い、9月5日にセットプレーの強いジョージア代表と再戦する。「スクラムで反則して、(ゴール前)ラインアウトからモールという状況を回避したい」(ジョーンズHC)
ディフェンスには課題も
体の大きな外国勢に対して、激しいディフェンスを80分間続けることが求められる 【斉藤健仁】
ただ、相手のボールを奪うまでの精度はなく、状況によって、ボールを外まで展開させるのを防ぐため、CTBなどラインの中盤の選手が上がる「アンブレラディフェンス」も必要だろう。ジョーンズHCも「フィジカルが強く体重の多いチームに苦戦している。(ディフェンスラインの)スピードを上げて、(1人目が)良いタックルに入って、2人目が必死にコンタクトする。それを80分、継続して行わないといけない」と苦言を呈することも忘れなかった。