入江陵介、悔しい個人種目メダルなし 視線はリオへ「もう一度頑張りたい」
「もがきながらのレースだった」
まさかの結果に終わった今大会について、入江はこう振り返っている。
「悔しいしかないですね。今まで頑張ってきた分、悔しい思いが強いです。すごく孤独を感じる時もありましたし、よく分からなくなった時にもがく自分もいたりして。その中で、もがきながらのレースでした」
普通にいかなくなったときの対応が課題
その3日後の200メートルに向けて試行錯誤を続けたが、最後まで自身のベストパフォーマンスは発揮できず、波に乗れないまま個人種目が終わってしまった。
「練習では良かったんですけれど、泳ぎが崩れたりした時に、(大会中に)修正する能力がなかったかなと思います」
今大会に向けて、入江は前述の「普通にいけば取れる」という言葉を何度も繰り返していた。それゆえに、「普通にいかなくなった時」に受けたショックも大きかったのではないだろうか。
大会中の修正力については、日本代表の平井伯昌監督も、チーム全体の課題に挙げている。
「調子が良い時はすごく乗っていくのですが、あまりうまくいかなかった時にとてももろい気がする。立て直すときのメンタルが重要だと思います」
1年後のリオデジャネイロ五輪に向けて、課題は見つかった。入江に2年前のような涙はなく、「来年に向けてもう一度頑張りたいと思っている」と意欲を見せている。
入江が世界の舞台で表彰台の真ん中に立てない人間なのかは、誰にも分からない。25歳の入江には、チャンスがまだ残されているのだから。その可能性を生かせるかどうかは、すべて入江次第だ。
(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ