曙が潮崎との死闘制して三冠王座返り咲き=新王者の決意「世界中の誰とでもやる」

高木裕美

昨年の王座返上、CC欠場からの復活

昨年は体調不良で三冠王座返上、CCリタイアという悪夢を味わった曙が、1年越しで三冠王座返り咲き 【横田修平】

 全日本プロレス「2015スーパーパワー・シリーズ」最終戦となる21日の東京・後楽園ホール大会では、2大タイトルマッチなどが行われ、911人を動員した。メインイベントの三冠ヘビー級選手権試合では、元大相撲第64代横綱の曙が、王者・潮崎豪を倒し約1年ぶりに王座返り咲きを果たした。

 曙は昨年の春、体調不良により「チャンピオン・カーニバル」(CC)をリタイア。初戴冠した三冠王座も返上した。だが、完全復活した曙は、今年のCCで初優勝。その場で潮崎に挑戦表明を叩きつけた。

 三冠&世界タッグ王座の5冠王者となった潮崎に対し、曙は握手と見せかけて右手を引き寄せるなど序盤から戦闘モード全開。右耳付近から流血しながらも、巨体を生かしたパワーファイトで王者の古傷であるワキ腹にダメージを与えると、ラリアットを何発食らっても立ち上がり、強烈な張り手の連打からかわず落とし。ヨコヅナインパクトをはね返した瀕死の王者を、両手をロックするパッケージ式の変形ヨコヅナインパクトで沈めた。

 リング上でベルトとともに土俵入りのポーズを決めた曙は、「このベルトを持って、世界の誰とでもやる」と、さらにベルトの価値を高めたいという決意を語った。

諏訪魔、藤田戦へ言及「やる気」

藤田戦について「やる気になっている」と言及した諏訪魔。KENSO組との試合では大暴れ 【横田修平】

 諏訪魔が念願の藤田和之との一騎打ち実現に闘志を燃やした。この日は6人タッグマッチに出場した諏訪魔は、豪快なファイトでEvolutionに勝利を呼び込むと、試合後、藤田についてコメントした。

 5日のIGF大阪大会を諏訪魔が訪問後、6日の全日本・後楽園大会に藤田が来場しなかったことに強い憤りを示し、IGFとの絶縁宣言を突き付けていた諏訪魔だが、当の藤田から「第3のリング」をも視野に入れた前向きな発言が聞けたことで、「オレ自身もやる気になってる。強いレスラーとぶつかり合いたい。お互いにやりたいなら、単純にやればいい」と対戦実現へ動き出す決意を見せた。

J鶴田さんを偲ぶ「オーッ!」

J鶴田さんを偲んで、渕、秋山らが観客と一体となって「オーッ!」 【横田修平】

「ジャンボ鶴田追悼メモリアル6人タッグマッチ」では、鶴田さんが生まれ育った王道全日本の時代を知る6選手が、秋山準&金丸義信&渕正信組vs大森隆男&井上雅央&菊地毅組に分かれて激突。和田京平レフェリーとともにおそろいのメモリアルTシャツで登場した。

 秋山がジャンピングニーから「オーッ!」を出せば、渕も鶴田さんの代名詞であったバックドロップを決め、最後は秋山がエクスプロイダー2連発で井上に勝利。試合後はノーサイドとなり、「J」の懐かしいメロディーが流れる中、観客も一体となっての「オーッ!」で天国の鶴田さんを偲んだ。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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