巨人・小林、定位置獲得へ多すぎる問題 若返るセ捕手を野口寿浩が解説(前編)
セ・リーグの捕手が大きく若返った今季。野口氏は若手捕手の現状をどう見ているのだろうか? 【写真は共同】
消去法で試合に出ていた黒羽根
黒羽根(写真)、高城、嶺井の3人併用が続く首位・DeNA。それぞれに長所短所がある中での起用のようだ 【写真は共同】
――黒羽根捕手、高城捕手、嶺井捕手の特徴は?
黒羽根は驚くくらいの強肩です。ワンバウンドの処理も格段に良くなりました。ただ、リード面では勉強が遅れていますね。チームが首位にいても防御率が良くないですし、少し打たれるとパニックになっています。
高城は守りの面では何かに秀でた印象はないですが、バランスがとれています。ただ、ワンバウンドを止めるのはうまくないです。DeNAは落ちる球を決め球にする投手が多いです。先発の久保康友、山口俊、井納翔一はもちろん、山崎康晃のフォークボールよりも落ちるツーシームもありますね。
嶺井は攻撃型キャッチャーで守りに関して課題は山積みですが、ワンバウンドの処理は3人の中で一番うまいですよね。リードでは山口とよく組んでいますが、彼が最近良くなってきたのはカーブを使いだしたからだと思います。たぶん、嶺井の意向もあるのではないでしょうか。
――ここ数年は黒羽根捕手がスタメンマスクでしたが、現在は3人併用ですね。
黒羽根は消去法で仕方なく出ていた気がします。僕が2009年にFAで横浜に行ったときに怪我をして失敗したんです。もう少し出られれば勉強させてあげられた。野村克也さん、星野仙一さん、岡田彰布さんの下で経験して、そういった手本を見せるつもりで最後に横浜に行きました。当時は黒羽根に加えて、斉藤俊雄(現オリックス)、武山真吾(現中日)、細山田武史(現ソフトバンク)もいて、彼らに生きた見本として見せなければいけなかったんですが、それができず申し訳ない気持ちです。
新沼(慎二)コーチが「手本になるような年長の捕手がいないのが痛い」と言っていました。バックアップできて手本にもなる捕手がいない。鶴岡一成(現阪神)がいなくなったのが大きいです。