スタンダールは痛い連敗で優勝が遠のく 途中出場の小野裕二「一からやるだけ」

中田徹

トップ下で途中出場

小野裕二が途中出場を果たすも0−1で敗戦。優勝が遠のく痛い連敗を喫した 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 サッカーのベルギーリーグに所属するスタンダールは現地時間25日、プレーオフ第4節でシャルルロワとのダービーマッチに臨んだ。試合は、0−1で敗れ6試合を残して首位のクラブ・ブルージュとの勝ち点差が7に開がってしまった。スタンダールは現在5位。

 スタンダールは幾度かシュートがクロスバーを強襲したり、相手GKと1対1の場面を作り出すなど多くのチャンスを作ったものの、60分頃から疲れが見え始めてプレーが停滞した。この苦しい時間帯をシャルルロワは早めの交代で凌いだが、スタンダールは79分に小野裕二を投入。右サイドでプレーすることが多かった小野だが、この試合ではトップ下のポジションにつき、2トップのエゼキエル・フライアーズ、デ・カマルゴの後ろでプレーした。

 小野に対するジョゼ・リガ監督の要求は、トップ下の位置からスペースへ走ったり、セカンドボールを拾ったり、ディフェンスでもしっかり戻ること。しかし、なかなか小野にボールが集まらず、終盤はロングボールを放り込む展開となってしまい、小野は存在感を示すことができなかった。

「長くても自分が試合に出るのは15分程度。毎回そういう中で、負けてる時はチームが焦ってロングボールが多くなっています。真ん中にスペースがありましたし、自分がそこでボールを受けることができればよかったんですけれど、ちょっと前の選手も疲れていたから距離がありました」と小野は自身のプレーを振り返る。

「サポーターの人たちに申し訳なかった」

 スタンダールはプレーオフの初戦(1−2)で敗れはしたものの、首位クラブ・ブルージュと好ゲームを演じ、続くアンデルレヒト戦は快勝(3−1)したということもあり、ベルギー国内では優勝争いのダークホースと見る声も上がり始めていた。しかしヘント戦(1−3)、シャルルロワ戦と連敗してしまい、優勝が遠のいた。チームとしては格下の相手に、ここに来て取りこぼしてしまったのは痛い。

「ヘントは歴史的に見たら違うかもしれないけれど、今シーズンに関しては僕らより力があるし、いいシーズンを過ごしていると思います。彼らはチームとして“こういう戦い方”をするというのがある。僕らは監督が頻繁に変わった難しいシーズンで、自分たちのサッカーを突き詰めるという点ではまだまだ時間もかかります。ヘント戦は、その差が大きかったです。ただ、それでもやらないといけないから、その差を埋めるにはどうしたらいいか。もっと一人ひとりが単純に走らないといけないとか、割り切って(守備的な)ブロックにするのかとか。

 今日に関しては、決めるべきところで決め切れませんでした。そこだけです。あんまり悲観するような内容でもなかったですし、 決定機も4〜5回あったと思います。GKとも1対1になっていましたが、そこを決め切れなかったです。今日に関しては、それが全て。もちろんプレーオフの大事な試合だけれども、それ以前に大事なダービーでした。勝利できなかったのはサポーターの人たちに申し訳なかったと思います」(小野)

 毎試合がトップマッチという過酷なプレーオフ。次のコルトライク戦は中2日という強行日程だ。

「次がコルトライクとのアウェー。その次がクラブ・ブルージュとのホーム(5月2日)。そしてアンデルレヒトとのアウェーゲーム(5月17日)などがあって、最後にシャルルロワとのホームゲームがある(5月24日)。そこで勝てば優勝を決められるように、また一からやるだけです」(小野)
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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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