宮市亮が取り戻したメンタリティー 13試合ぶりの先発復帰に「よっしゃー」

中田徹

久しぶりのトップチーム出場

4日のPSV戦で13試合ぶりのトップチーム出場を果たした宮市 【Getty Images】

 オランダ・エールディビジで今季不振のトゥエンテは、目標をKNVBカップ獲得に切り替えた。4月7日(現地時間)に準決勝のズウォーレ戦を迎えることもあり、アルフレッド・シュロイデル監督は4日のPSVとのリーグ戦(0−5)で軽い負傷や疲労のある選手を休ませ、多くの若手を抜てきした。その中の一人が宮市亮だった。

 昨年夏、移籍市場の締め切りギリギリにアーセナルからトゥエンテに期限付き移籍した宮市は、フェイエノールト時代の活躍もあって、オランダで高い期待を集めていた。しかし、けがによるブランクは大きかった。宮市は第5節のゴーアヘッド・イーグルス戦(2−1)から7試合連続でリーグ戦出場を果たしたものの、ゴールもアシストもなく結果を残せずじまい。11月1日のヘーレンフェーン戦(2−0)では弱気なプレーが目立ち、66分でベンチに退いた。この時は本人も「お客さんに失礼なプレーをした。前半で代えられても仕方がなかった」と下を向いた。

 その後、宮市は12月14日のPSV戦(0−2)で8分間だけトップチームでプレーしたものの、主戦場はオランダ2部リーグを戦うトゥエンテ・リザーブチーム(ヨング・トゥエンテ)になった。宮市にとって、今回のPSV戦は前回のアウェーでの同カード以来、13試合ぶりのトップチーム出場だった。

明らかだったPSVとの差

 先発を知らされたのは、試合前日だった。普段は夜10時に眠るという宮市だったが、「よっしゃー」と思って夜中の2時過ぎまで寝付けなかった。

「今日の朝は8時半ぐらいに起きちゃって、試合が(夜8時45分キックオフと)遅いから、『全然時間が経たないなぁ、今日試合かぁ』と、小学生みたいにウキウキしていました」

 こうして迎えたPSV戦。左ウイングを務めた宮市は開始4分、サイドからカットインしてシュートを放つも、これはGKジュルーン・ズート正面へ。17分にも同じようにサイドから切り込んだが、最後はドリブルのタッチが大きくなり、PSVの右サイドバック、ジョシュア・ブレネットに防がれた。4カ月前の弱気な姿はもうない。21分、宮市の蹴ったCKは、味方が強烈なボレーで合わせたが、ズートに防がれたのはチームにとってもツキがなかった。

 しかし、今回のトゥエンテは2人のセンターバックが18歳という“Bチーム”。ヨアヒム・アンデルセンはこれが4試合目、ペート・バイエンに至ってはこの試合がトップチームのデビューマッチだった。首位を快走するPSVとの差は明らかで、29分にルーク・デ・ヨングに先制弾を許すと、前半のうちに3点を奪われた。

 大差がついても熱い応援を送るサポーターの前で、意地を見せたいトゥエンテ・イレブンは後半、果敢に攻める姿勢を見せた。宮市は47分、ゴールエリア内でフリーになるチャンスがあったが、シュートがミートせず、好機を逸して天を仰いだ。63分からは「一回もやったことがなかったので驚いた」というセンターFWのポジションにコンバート。そこから上手く左へ流れて攻撃に絡んだが、89分には疲労から足がもつれてボールを失った。

 終わってみれば、スコアボードには“0−5”という数字が並ぶ完敗だった。「インパクトを残せなかった」と宮市は悔しそうに語った。

1/2ページ

著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント