南部監督「テーマは“固定観念の排除”」 2015年度バレー全日本男子始動会見

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2015年度の全日本男子メンバー。若手の強化を図り、リオ五輪の出場権を目指す 【坂本清】

 日本バレーボール協会は20日、2015年度全日本男子バレーボールチーム「龍神NIPPON」の始動に際し、東京都内で会見を行った。会見には南部正司監督をはじめ、登録メンバー30名のうち千々木駿介(堺)を除く29名が出席し、それぞれ抱負を述べた。

 南部監督は、「チームのテーマは“固定観念の排除”」と語り、身長や体格の違いから選手たちが抱くマイナスなイメージを払拭(ふっしょく)することを掲げた。9月から行われるワールドカップ(W杯)に向けては、「チームを完成させていきたい」と、意気込みを語っている。

 登録メンバー30人を見ると、17歳の鈴木祐貴(雄物川高校/秋田)ら8名を初招集するなど、若手を積極的に選出。中でも柳田将洋(サントリー)、山内晶大(愛知学院大学)、高橋健太郎(筑波大学)、石川祐希(中央大学)の4人には自覚と責任感を持たせ、人気と実力を伴った選手になってほしいという思いから“NEXT4”というグループ名をつけ、期待の高さをうかがわせた。

2015年度全日本男子登録メンバー

初選出は17歳の鈴木祐貴(写真)ら8選手。若手が多く、フレッシュな顔ぶれとなった 【坂本清】

1.阿部裕太(33/サントリー/S)
2.井上俊輔(29/JT/S)
3.深津旭弘(27/JT/S)
4.深津英臣(24/パナソニック/S)
5.米山裕太(30/東レ/WS)
6.清水邦広(28/パナソニック/WS)
7.栗山雅史(26/サントリー/WS)
8.八子大輔(26/JT/WS)
9.千々木駿介(25/堺/WS)
10.松岡祐太(25/堺/WS)
11.渡辺奏吾(24/パナソニック/WS)
12.浅野博亮(24/ジェイテクト/WS)★
13.柳田将洋(22/サントリー/WS)
14.藤中謙也(21/専修大学/WS)★
15.高橋健太郎(20/筑波大学/WS)
16.石川祐希(19/中央大学/WS)
17.鈴木祐貴(17/雄物川高校/WS)★
18.鈴木寛史(32/サントリー/MB)
19.富松崇彰(30/東レ/MB)
20.出耒田敬(23/堺/MB)
21.星谷健太朗(23/サントリー/MB)
22.小宮雄一郎(22/東レ/MB)★
23.山内晶大(21/愛知学院大学/MB)
24.兒玉康成(20/筑波大学/MB)★
25.大竹壱青(19/中央大学/MB/WS)★
26.小野寺太志(19/東海大学/MB)★
27.酒井大祐(33/JT/L)
28.古賀幸一郎(30/豊田合成/L)
29.永野健(29/パナソニック/L)
30.鶴田大樹(23/サントリー/L)★

※括弧内は左から年齢、所属、ポジション
※★マークの選手は全日本初選出
※年齢、所属は、2015年4月20日時点
※ポジション略号:WS=ウイングスパイカー、MB=ミドルブロッカー、S=セッター、L=リベロ

最強ではなくとも、最高のチームを

W杯での優勝は難しいと語りながらも、最高のチームを目指すと語る荒木田強化本部長 【スポーツナビ】

登壇者:
羽牟裕一郎(日本バレーボール協会会長)
荒木田裕子(強化事業本部本部長)
小田勝美(男子強化委員長)
南部正司(全日本男子監督)

羽牟会長 男子は大変きつい、長いトンネルの中を歩んでいます。多くのファンの方々にご期待をいただきながら、こういう状況にあることを忸怩(じくじ)たる思いで反省しております。昨年は、今後につながるであろう成果をあげてくれました。仁川(韓国)で行われたアジア大会で銀メダルを獲得。開催国である韓国を破っての銀メダル獲得です。これは復活への序章に過ぎないと考えています。リオデジャネイロ五輪、さらには東京五輪とひのき舞台が待っています。南部ジャパンは2年目に入りますが、大変若い、学生を中心とした、経験がない部分もありますが恐れを知らないチームです。背の高い、高身長の選手をそろえて、ひのき舞台へ向かって全力で強化を図っていきたいと考えています。

荒木田強化本部長 南部監督が率いて2年目になります。先ほど監督からはワールドランキングには触れるなと言われましたけれど(笑)、十分に昇り甲斐のある順位にあり、その用意もできております(編注:14年9月22日発表の最新ランキングで日本は21位)。この中でリオ五輪に向けた2枚の切符が懸かったW杯が行われますが、そこで優勝は難しいのかもしれません。ただ選手もスタッフも最強ではなくとも、毎回のチーム、試合で最高だと言われるチームを目指して頑張る覚悟です。

小田強化委員長 先ほど羽牟会長、荒木田本部長から激励の期待を込めたあいさつがありました。先ほどスタッフ・選手でキックオフミーティングを行い、南部監督からの強化方針と一致団結して世界と戦うということで結束を固めました。南部ジャパンが昨年発足し、若い選手たちを育てなければ、男子バレーの再生はありません。昨年のアジア大会でも、石川、柳田、山内、出耒田といった若い選手が頑張ってくれました。今年はさらに若い選手を選出したチーム構成で強化を図っていきたいと思います。今年はタイトなスケジュールでワールドリーグ、アジア選手権、W杯があります。特にワールドリーグ、アジア選手権で若い選手を使い、チームを作りW杯で成果をあげる。われわれの最終的な目標はリオ五輪に出場することです。W杯で頑張るとともに、来年のリオ五輪最終予選を目指していきたいと思います。

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