宮市亮が取り戻したメンタリティー 13試合ぶりの先発復帰に「よっしゃー」
宮市「サッカーが楽しくなかった」
宮市は「コンディションもすごい進歩」と試合後にコメント。パフォーマンス向上のきっかけをつかんだ 【Getty Images】
「ヘーレンフェーン戦でボロボロにやられて、そこからなんとか立て直したという感じです。あの試合があったから、今があるんじゃないかなと思うぐらいです。あれだけブーイングを受けて、あれだけチームメートに言われ、監督にも言われた。あんな経験をしたことがなかった。あのときは本当、サッカーを辞めたいぐらい追い込まれました。でもそこでメンタル的なところをしっかり立て直せたからよかったです」
チームメートからは「お前、顔上げろよ」と叱責された。ドリブルを止められては下を向く宮市の弱気の虫を、仲間たちは叱ったのである。スフローダー監督からは「ヨング・トゥエンテで試合に出た方がいいんじゃないか」と告げられた。
11月、12月は、リザーブチームでも調子が上がらなかった。
「あのときは自分でもモヤモヤしていて、サッカーが楽しくなかった。ぜんぜんうまくいかないし、本当に体とメンタルが合ってない時だった」
だが、この間にしっかり自分と向き合う時間を作れたことで、パフォーマンス向上のきっかけをつかめた。
「自分がどういう気持ちでプレーしているのか、どういう状況でプレーしているのか、冷静に分析できるようになったかなと思います。それまで自分を過大評価し過ぎていたというか。それこそ体がついていかない中で、『(過去に)自分は突破できていたんだから』という、そのメンタリティーがあって、結局できなくて沈んでいく。でもやっぱり、その時にしかできないことがいっぱいあって、ぜんぜんうまくいかなかった時に一回守備に重点を置いてみてやってみようと思って守備を頑張ってやってみたら、守備も結構できるじゃんと。守備で自信をつけて、攻撃につなげていく。そのやり方がすごくはまった。(冬の)オフの過ごし方も良かった」
年明け、宮市はオランダ2部リーグで2ゴールを挙げている。数字は平凡かもしれないが、その内容は2つともゴラッソ。
「あそこはコーチからも言われて練習しているところ。そういう形が出ている」
アーセナルとの契約はあと1年
「もともと18歳、19歳のときにPSVとやれていましたし、プレミアへ戻ってチェルシーともやっていましたし、そういう経験値はまだまだ自分の中にあります。シーズン前半戦で足をつっていた頃に比べればコンディションもすごい進歩だと思います。今シーズンはあと少ししかなくなっちゃいましたけれど、まだまだサッカー人生は続くし、一つでも多くのことを自分の糧にしてやっていきたいと思います」
布団に入り、明日の試合に期待を膨らませてワクワクする気持ちを久しぶりに味わった宮市。ヘーレンフェーン戦の後、「サッカー辞めたいな」と思った彼だが、今は「サッカーが楽しい」と言う。