ヨガで潜在能力を引き出す 第7回「チャクラについて」

村上華子

【Getty Images】

7つのエネルギーセンター

7つのチャクラ。下からムーラダラ、スワディシュターナ、マニプーラ、アナーハタ、ヴィシュッダ、アージューニャー、サハスラーラ 【Getty Images】

 前回の「ヨガ哲学・八支則」というテーマに引き続き、今回もちょっとだけマニアックなヨガの世界をご紹介します。早速ですが、皆さん「チャクラ」って、聞いたことはありますか? ヨガはアーサナ(ヨガポーズ)で体を動かすほかに、“目には見えないもの”、特にエネルギー関連のことを意識するといった訓練がたくさんあります。その1つが、これからご紹介するチャクラの概念です。

「Cakra/チャクラ」はインドの古典語、サンスクリットで「輪、車輪」を意味する言葉で、人間の体の中にある7つのエネルギーセンターを指します。ヨガでは体の中心軸、背骨に沿った場所を縦に貫くように、気の通り道(スシュムナー)が走っていると言われており、チャクラはそのライン上に7つ点在しています。

 その名の通り、ぐるぐると渦を巻くように発光し、それぞれのチャクラが置かれた場所に関連する、器官や臓器、内分泌系に働き掛けていきます。チャクラが活性化することで、関連する場所への働き掛けもよくなり、肉体・精神ともに好影響を与えることに。ではここから、各チャクラの位置と、特徴について紹介していきましょう。

第1チャクラ

【Muladhara(ムーラダラ)】カラー:赤
“心と体の根源的なパワーを作る、ルートチャクラ”

 会陰部にあり、自然治癒力や生命のエネルギーを司る。ヨガはまずここの活性化から始まる、と言えるほど、人間の「根」となる重要なチャクラ。ここのバランスが整うことで、大地に根差したような心身の安定感と、湧きあがるポジティブ・パワーを感じられる。

第2チャクラ

【Svadhisthana(スワディシュターナ)】カラー:オレンジ
“性力や創造性がテーマ、生きる意欲を表現するチャクラ”

 膀胱(ぼうこう)あたりに位置するスワディシュターナは、性力や精神力、創造性を制御し、全身に活力をみなぎらせる働きをする。このチャクラのバランスが乱れると、意欲が落ちて消極的になったり、不健康な性に溺れる。

第3チャクラ

【Manipura(マニプーラ)】カラー:黄色
“エネルギーの方向を導き、生命活動を支えるチャクラ”

 おへその奥の腹部に位置し、各臓器と密接な関係にある。消化・吸収・排泄作用を調整するため、活性化されると内臓が元気に。第一チャクラで生み出されたエネルギーを正しい方向へと導く働きもあるので、ここの働きが鈍ると、意欲や集中力の低下、エゴを強めてしまう。

第4チャクラ

【Anahata(アナーハタ)】カラー:緑
“調和や慈悲、思いやり、愛情を司るハートのチャクラ”

 胸部、心臓あたりに位置するアナーハタチャクラは、愛情や調和がキーワード。このチャクラが整うことで、なんともいえない穏やかで、温かな気分が味わえる。反対に、ここの働きが鈍ることで、不平不満を言ったり、短絡的な行動などに走ってしまう。

第5チャクラ

【Vishuddi(ヴィシュッダ)】カラー:青
“感情表現やコミュニケーション能力を高めるチャクラ”

 咽頭部(のど)にあるヴィシュッダは、表現力を左右する。整えることで言葉に説得力をもたらし、コミュニケーション能力を高める。反対に、このチャクラが乱れることで、自分の感情や欲求を外に向けられず、引っ込み思案になったり、頭がもやもやすることも。

第6チャクラ

【Ajna(アージューニャー)】カラー:紺
“直感力と広い視野で、クールに物事を見据えるチャクラ”

 眉間の奥に位置するアージューニャーチャクラは「第三の目」とも呼ばれ、自分自身を客観的に見つめる役割を持つ。ここを整えることで、直観や第六感が冴えわたる。また、冷静に物事を判断する力をもたらすので、ここの働きが鈍ると頭に血が上りやすくなる。

第7チャクラ

【Getty Images】

【Shagasrara(サハスラーラ)】カラー:紫
“至福の境地。自分を超越させる覚醒のチャクラ”

 頭頂部にあるサハスラーラチャクラは脳全体の働きに関係し、ヨガの目的はこのチャクラを覚醒することと言われるほど重要なもの。今ある顕在意識と潜在意識を制御しながら、あらゆるものと溶け合った感覚、いわゆる“悟りの境地”へと導く。
 ヨガを実践している方のなかで、「最近、直感やひらめきが降りてくる」なんて、感じるようになった方は、もしかしたら……すでに、チャクラが活性化し始めているのかもしれませんね!

 ヨガが心身の健康だけではなく、潜在能力までを引き出す効果があるのは、このチャクラのおかげ。チャクラの活性化には、やはりアーサナや呼吸法を正しく行うことが大切です。各チャクラに対応したアーサナもあるので、こちらはまた別の機会にご紹介していきます。これからのプラクティスに、チャクラの概念を、ぜひお役立てください!
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著者プロフィール

ヨガインストラクター、ライター。2004年にヨガを始め、綿本彰氏のスクールで指導者としてのトレーニングを積む。仲間とともに設立したヨガスタジオ「HAS YOGA(ハスヨガ)」などで指導を行うほか、ヨガコラムの執筆など多方面で活躍。ヨガを通じ、人々の幸せの輪が広がることを願っている。2012年12月に第一子を出産後は、自身の経験を踏まえながらマタニティヨガの普及にも情熱を注ぐ

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