女性芸能人がしのぎを削るフットサル大会 「松原渓のスポーツ百景」
【松原渓】
芸能人女子フットサルの創成期
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芸能人女子フットサルは、もともとはサッカー協会がなでしこジャパンを応援するための企画として2003年に始まった。その後、各芸能プロダクションに所属するタレントやアイドル、アナウンサー、女性芸人、歌手らがそれぞれプロダクションごとにチームを結成し、05年には芸能人女子の公式大会「スフィアリーグ」が創設された(05年12月から07年8月まで実施)。大会やイベントには多くのスポンサーがついて、専門番組(『恋するフットサル』/フジテレビ)も制作され、定期的に大会が開催されることに。
当初の参加チームは、ガッタス(ハロー!プロジェクト)、カレッツア(サンズ)、チーム ドリーム(エイベックス)、ザナドゥ(ホリプロ)など。各チームは監督やコーチにも著名人や元日本代表選手を抜てき。北澤豪氏(ガッタス/元サッカー日本代表)、大竹七未氏(ファンタジスタ/元サッカー日本女子代表)、安田大サーカス(蹴竹G)らが起用され、注目度と実力の両方を競い合った。
そんな中、私が入ることになった「南葛シューターズ」はこの大会に2005年から参戦した。集英社の『週刊ヤングジャンプ』にかかわるグラビアタレントを中心に結成され、監督には『キャプテン翼』の作者、高橋陽一先生を迎えた。当初のライバルは講談社の『ミスマガジン』。2チームは出版社同士の代理戦争的な盛り上がりも見せた。
「絶対に負けられない」女同士の戦い
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当時の入場料はなんと4200円(!)それでも、3000人以上入る駒沢体育館が埋まったほど。元モーニング娘。メンバーも所属するガッタスのサポーターは圧倒的に多く、スタンドはチームカラーのオレンジに染まり、横断幕や好きな選手のタオルマフラーが舞った。ファンにとっては、悔し涙を流した選手たちが試合ごとに成長する姿も楽しみのひとつだったのだろう。
結成時はパスが2本以上つながらなかった私たちも、頻繁に集まって「コソ練」(他のチームに知られないようにコッソリ練習して上達を目指す)に励んだ。フットサルコートがないために公園で練習したり、初心者のための「個サル」に参加したり。実家のある大阪から仕事で通っていた子は、フットサルを続けたくて上京した。時間を見つけては週に3〜4回集まることもあり、練習量だけはどのチームにも負けていなかったはずだ。それだけ、目標に向かって、それだけ打ち込めるというのはすごいことだと思う。まさに「青春」。