サッカーW杯開幕が待ち遠しい! 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

スポーツと体形のかかわり

【Getty Images】

 定期的にスポーツをしている人としていない人では、体つきに差が出る。また、筋肉のつきかたや体形から、その人がどんなスポーツをしているか、一目で想像がつくこともある。

 たとえば、背筋がすっと伸びている女性は、「バレエやヨガ、または武道、はたまた体操をしているのかな?」などと想像する。カモシカのように締まったふくらはぎだと「陸上をしている人かな?」。膝下がすっと長い男性を見るとバスケットやバレーだろうか……。つい想像してしまう。ひとつ言えることは、スタイルがいいなと感じる人は皆、筋肉が美しくついているということだ。
 学生時代の部活動やスポーツで培った骨格や筋肉は、ひとつの財産になる。体型を決める要素は遺伝や体質も大きいというけれど、成長期のスポーツが将来の体型に与える影響も侮れない。

 私の場合、自分の骨格を形づくったスポーツを考えると、一番影響を受けたのはサッカーだ。体型に関しては、上半身に比べて足腰ががっちりしていて、バランスが悪いのは悩みでもある。ただ、サッカーは足腰を主に使うスポーツだから、下半身に筋肉がつきやすいのは仕方がないと思っていた。

 ところが、最近はJリーグやなでしこリーグを見ていても、以前に比べて細身のサッカー選手が増えた。疑問に思い、知人でサッカーのトレーナーをしている人に話を聞いたところ、なるほど、と納得した。近年はトレーニング方法も研究が進んでいるため、体幹・インナーマッスルを効率的に鍛えれば、細くても強靭(きょうじん)な身体が作れるそうだ。

 私はサッカーをやめてから急激に太り、しかも下半身に脂肪がつきやすかったため、思春期の多感な時期にはそれがコンプレックスにもなった。タイムスリップできるなら、毎日サッカーに明け暮れていた小学生のころの私に、「ストレッチと体幹トレーニングを頑張って!」と、アドバイスを送りたい。

社会性を養うスポーツ

【Getty Images】

 サッカーからは、骨格や体型だけでなく、精神面や考え方でも影響を受けた。小学3年生のころに初めて女子サッカーのチームに入ったが、同じ年代の友達と過ごす時間は一人っ子の私にとって、兄弟や姉妹の関係にも置き換えられるものだった。そのころは、毎週日曜日の試合遠征が待ち遠しく、2泊3日の夏期合宿は、1カ月前から心待ちにしていた。
 サッカーで、11人がピッチ上で呼吸を合わせてゴールを決めた時の喜びは、個人競技とはまた違ったものだ。勝利の喜びはチーム全員分になり、反対に、悔しさや悲しさは全員で分け合える。

 また、競技の特性を考えると、アメフトや野球はプレーが止まる場面で監督が指示を出せるが、サッカーは攻守が常に一体となっているため、試合中は選手の判断がすべて。そのため、小さいころは本能でボールを追いながら「自主性」や「判断力」が鍛えられるという。また、チームスポーツは社会生活との共通点が多く、先輩・後輩(上司・部下)の上下関係、あいさつや礼儀、人に対する思いやり(コミュニケーション能力)も学べる。

1/2ページ

著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント