女性芸能人がしのぎを削るフットサル大会 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

興行と競技フットサルの違い

10年間応援し続けてくれるサポーターも。感謝! 【松原渓】

 あれから6年――。
 現在もチームとして定期的に活動しているのは、ガッタスと私たち南葛シューターズを含めて3、4チームほど。いくつかのチームは勝つために強力な助っ人を加入させ、そういう特別な選手によって大会の勝敗が左右されるようになったことが観客離れやスポンサー離れにつながってしまった面もある。観客を楽しませる興行としてのフットサルと、純粋な競技フットサルはその点で違う。その点でも考えさせられた。

 ただ、チームが10年間も継続できていることはすごい。フットサル初心者だった子が、「フットサル歴10年」になったのだ。それに、チームはタダでは運営できない。練習のコート代、ユニフォーム、備品、遠征(移動)費用、食事……年間に換算すると、それなりの額になる。練習は週1回ペースをずっと続けてきた。
 現在、私たちはガッタスとともに「エントランスリーグ」という、都の大会にエントリーし、定期的にリーグ戦を行っている。昨年から、本格的な競技フットサルに挑戦することになったのだ。エントランスリーグは東京都3部に相当し、年間を通して上位に入れば昇格できる。トップリーグに相当する関東女子フットサルリーグには、フットサル女子日本代表選手も多い。これまでとは違い、エントランスリーグには本当にうまい選手が大勢いるけれど、新たな目標ができたことは大きい。

 時々、各地で開催される子供対象のフットサル教室にチームで参加させてもらったり、FリーグやJリーグの前座試合で出演依頼をいただくこともある。どこに行っても、『キャプテン翼』とともに、高橋陽一先生の知名度は抜群。世界50カ国以上で翻訳され読まれている、日本が世界に誇るサッカー漫画なのだ。“キャプつば世代”の父母は目を輝かせている。先生は、多忙な中でもいつも練習に参加し、10年間チームを見守ってきてくれた。スタッフや、普段自分を支えてくれている人たちのために頑張りたいというのも、勝利へのモチベーションになる。

フットサルがくれた縁に感謝した一日

チームワークは抜群! 【松原渓】

 私自身、何のためにフットサルをやっているのか? どこを目指しているのか? この10年間、考えることがよくあった。答えはその時々で違った。仕事の都合で、練習に長い間出られないこともあった。プロでない限り、優先順位は人それぞれだ。

 そんな中でも変わらないのは、フットサルが楽しいこと、チームが自分らしさを表現できる大切な場所であり続けていること。また、定期的にフットサルをしていることが、仕事の効率化や健康維持にもつながっているということだ。

 先日行われた「a-nationカップ」では、解散したチームのメンバーたちが一日限りのチームを再結成したりして、同窓会のような雰囲気の中で大会が行われた。結果は3位と優勝には手が届かなかったけれど、久しぶりに「見せる」ことも意識しつつ、フットサルを楽しめた。
 ボールが蹴れるほどに大きくなった自分の子供を連れて大会に参加している子もいて、月日が経ったことをあらためて実感した。私も、年を取り、自分が母親になっても、フットサルを続けていきたいなぁ……そんなことを考えつつ、フットサルがくれた縁に感謝した一日だった。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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