早大競走部 【連載】東京箱根間往復大学駅伝(箱根)前特集『UPSET』 第8回 藤本進次郎

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 沼澤泰平

 出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)で3大駅伝デビューを飾り、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)にも出走した藤本進次郎(教3=大阪・清風)。今年度大きく飛躍したが、全日本では悔しい思いも経験した。そんな藤本が、今回初めてメンバー入りを果たした東京箱根間往復大学駅伝(箱根)に向けて抱く思いとは。

※この取材は12月10日にオンラインで行われたものです。

駅伝を経験することができた

出雲の4区を走る藤本 【早稲田スポーツ新聞会】

――どのような気持ちで今シーズンをスタートしましたか

 やるべきことは例年から特に大きな変化はないと思いますが、上級生になって自分の立場が変わってくるので、そのあたりはしっかり考えて動くようにしました。

――トラックシーズンに掲げていた目標を教えてください

 大学に入ってから今までは大きな自己ベストの更新が無かったので、トラックシーズンに大きな自己ベストを作って自信につなげていけたらという考えで挑みました。

――TOKOROZAWAゲームズと東京六大学対校では、それぞれ3000メートルと5000メートルの自己ベストを更新されました。春の段階で自己ベストを更新できた要因は

 授業期間が始まる前で、休暇の間にそれなりに練習が積めていたので、(自己ベストが)出るかなという感じで挑みました。実際に(自己ベストが)いい感じに出てくれたので、うれしかったです。

――その後、夏合宿まではどのように練習に取り組みましたか

 春学期は苦しかった印象があります。3年生にはなりましたが、休みの期間と授業期間では結構リズムが違うので、そこに適応するのに苦労しました。春休みは結構調子が良かったので、そのままのリズムで行こうと思っていましたが、なかなかいい感じにはならず、ずるずるさせてしまいました。

――夏合宿はしっかり練習を積めたとのことですが、消化率はいかがでしたか

 消化率はほぼ100パーセントですね。特に大きなケガもなく、順調に進められました。

――合宿の練習中に意識していたことはありましたか

 まずはケガをしないというところが前提としてあったのですが、その上で今まで駅伝で活躍してきた選手にどれだけ食らいつけるかというところを意識して取り組みました。

――夏合宿を順調にこなせた要因はどこにありますか

 周りの方にサポートしてもらっていたことが特に大きかったと思います。

――出雲では3大駅伝初出走となりましたが、振り返っていかがですか

 やはり緊張が大きく、その場に行ってみないと分からないことが結構あるなというのが印象として強いです。

――その場に行かないと分からないことというのは、例えばどのようなことがありましたか

 空気感もそうですが、エンジのユニホームを背負うことに対する重圧や、走る権利を与えられたからには自分にも責任があるので、そういうことをすごく感じました。

――全日本に関してはいかがですか

 個人としては悔しかったレースになりました。ただ、得ることも結構多く、自分の現状の立ち位置であったり、レースを進める上でどの部分が弱点になるのかということを改めて考えさせられるいいきっかけになりました。2つの駅伝を経て、練習に対する取り組み方というのは変わったと思います。

――2つの駅伝でのチームの結果についてはどう感じていますか

 今年の初めからチームで3位以内という目標を立ててきました。実際に走ってみて、国学院大、青学大、駒大の3校が強く、どの程度の強さなのかがはっきりしたので、箱根に対してどう取り組むかがはっきりするという意味では良かったのではないかと思います。

――上尾シティハーフマラソンにはどのような位置づけの大会として臨まれましたか

 全日本後で、(記録を)狙っていくというよりは練習の延長という感じでした。設定タイム通りに走れて良かったです。

――自己ベストを更新されましたが、レースを振り返っていかがですか

 余裕を持って行こうと思っていましたが、後半にアップダウンがそれなりにあって思ったよりはきつかったレースになりました。自己ベストは出ましたが、タイム自体はあってもなくてもいいようなものだと思っています。

――今シーズンのここまでのご自身の出来に点数を付けるならば100点中何点ですか

 30点と言いたいところですが、60点くらいだと思います。

――理由を教えてください

 駅伝を経験することができたのは大きな成長だと思います。自分ではもう少しできることがあったのではないかと思いますが、客観的に見ればそれなりに収穫があったのかなと思います。

(箱根は)しっかり結果を出すべき舞台

箱根前合同取材で意気込みを語る藤本 【早稲田スポーツ新聞会】

――箱根の16人のメンバーには初めて入りましたが、現在の心境はいかがですか

 今年の16人に関しては、上に山口(智規、スポ3=福島・学法石川)や工藤(慎作、スポ2=千葉・八千代松陰)のように安定している選手がいますが、それ以外は結構僅差という感じです。実際16人の選考もぎりぎりのところがあって、僕自身も気が抜けないところがありました。選ばれたからには、箱根に向けて自分が走るぞという気持ちをしっかり持っておきたいです。

――藤本選手ご自身の調子はどうですか

 調子は悪くないと思います。

――チームの雰囲気については

 結構いいんじゃないかと思います。ケガ人の少なさもそうですし、競技に取り組む姿勢もいいと思います。

――20キロを超える距離に対する手応え、または不安などはいかがですか

 夏合宿では距離走もしっかり走れていて、距離自体に対する抵抗はなかったです。ただ全日本で12キロを走ってみて、後半に大きく失速してしまい、今は何が足りないのかというのをしっかり突き詰めて、対策している途中です。

――箱根に対する特別な思いはありますか

 昔はよくテレビで見ていて憧れの舞台だったというのはありますが、エントリーメンバーに入って、憧れの舞台というよりしっかり結果を出すべき舞台というか、そういう勝負の場になったのかなと思います。

――箱根では特に走りたい区間はありますか

 現状を踏まえると7区か9区です。

――理由を教えてください

 5区以外は任されたらどこでも走るつもりではいますが、特別思い入れのある区間があるわけではないので、現状を考えるとその辺りかなと。

――個人としての箱根での目標はありますか

 個人としては区間3位以内です。区間3位以内でチームに貢献できる走りを目指して練習に取り組んでいます。

――最後に箱根への意気込みをお願いします

 頑張ります!

――ありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆藤本進次郎(ふじもと・しんじろう)

2004(平16)年3月20日生まれ。188センチ。大阪・清風高出身。教育学部3年。注目してほしいポイントは「大きなストライド」だと話す藤本選手。ストライドを生かした推進力のある走りに期待です!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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