【スキー】アルペンスキー2024-25 W杯「スラローム開幕戦」レビ 11月16/17日 日本時間午後6時スタート 女子は前田知沙樹と渡邉愛蓮、男子は加藤聖五、片山龍馬が出場、小山兄弟は欠場
レビ 11月16/17日 日本時間午後6時スタート 女子は前田知沙樹と渡邉愛蓮が出場
昨年の2レースともに2本目に進めなかった前田知沙樹選手、今季は自身初のW杯2本目進出が 期待されます。 【写真/Giovanni Auletta】
アルペンスキーW杯、3週間後の今週末16、17日にはフィンランドのレビでスラローム(SL)の
「開幕戦」が行われます。
土曜日の女子SL、SNOW JAPANからは前田知沙樹(株式会社村瀬組)選手と渡邉愛蓮(えれ
ん)(東海大学)選手が出場します。
昨季、W杯SL8戦に出場した前田知沙樹選手ですが、今季もW杯を主戦場として戦い、2本目進出
を果たし、W杯での順位、ポイントの獲得を狙います。
シーズンオフは所属会社に週3回出勤しながらグラススキー、ジムでのトレーニングなどを行い、
9月初旬からリトアニアの室内スキー場で3週間滑り、一旦帰国後、10月初旬からサースフェー、
シュナルスタールで練習を積んできました。
今月2日にはレビに移動し、4日滑って1日休みのペースでSL練習を行ってきました。
今年のレビは比較的気温は高めではあるものの、水を撒いて氷のコースでトレーニングすることが
できていて、SL初戦に向けての準備は例年になく順調です。
「今季もまずW杯で結果を出すことが目標です。レビは前半の緩斜面の部分は得意としているの
で、思い切り行きたいです」とシーズン初戦から「結果」を出す意気込みでいます。
1月のフラッハウでW杯初出場を果たした渡邉愛蓮選手。今季はW杯2本目進出とユニバーシ アード表彰台が目標 【写真/田中慎一郎】
手に次ぐ日本人選手2番手のFISポイントを持ち、レビと次戦オーストリア・グルグルSLには国枠
で出場します。
10月初旬から渡欧した渡邉愛蓮選手はピッツタールで2週間、その後シュナルスタールで前田選手
ら日本チームと合流し「SL8割GS2割」で練習を積んできました。
「昨シーズンに比べ、急斜面での滑りが良くなってきました」と自信をのぞかせつつ、「課題の
緩斜面(の滑りを)を克服したい」と話す渡邉愛蓮選手、今季の目標は
「W杯で2本目進出と1月イタリア・バルドネッキアでのユニバーシアードで表彰台にのること」
で、「長期間、欧州で練習、レース転戦ができているのも多くの応援していただいている方々のお
かげです。自分の精一杯、100%のパフォーマンスを出して滑ります!」と力強く語ってくれまし
た。
なお、SNOW JAPAN女子のエース、安藤麻選手(日清医療食品)は今年正月の練習で負った左足
首骨折の回復途上にあり、年末のオーストリア・センメリングのW杯SL出場に向けてトレーニン
グ中です。
男子は加藤聖五、片山龍馬が出場、小山兄弟は欠場
2019年11月のW杯レビSL、小山陽平選手は50番スタートで2本目に進めませんでした。 【写真/Alessandro Trovati】
その2019年11月の「SL開幕戦」は50番小山陽平、53番成田秀将、69番で大越龍之介各選手が
出場しましたが、いずれも2本目には進めませんでした。
先月10日に渡欧した小山陽平(ベネフィット・ワンスキークラブ)選手はブーツのセッティングなどを行った後、ヒンタートックスで練習、21日にスウェーデンに移動も、雪が少なく1日滑ってレビに移動しました。
レビでは3日滑って、2日休み、4日滑って2日休みというようにトレーニングを行っていましたが、今月4日の練習中にポールをまたいで右足首を捻挫しました。
10日にはイタリアチームからの誘いでレビから東へ陸路3時間半、ロシア国境に程近いサッラ(Sala)に移動してイタリア、フランスチームと合同練習に入りましたが、12日に再び同じ箇所を受傷し、病院でMRIを撮ることになりました。
診断結果は前脛腓靭帯(ぜんけいひじんたい)損傷(くるぶしの前側)で全治まで2-3週間の見込みで、現状では来月15日のフランス・バルディゼールへの出場を目指しますが、経過を見ながら復帰時期を探っていくことになります。
その小山陽平選手に続くFISポイントを持ち、今回は兄の背中を追うようにスタートするはずだった弟のFEC SLチャンピオン、小山敬之(いずみ産業株式会社SC)選手ですが、9月末に一度、そして先月末の練習中にポールをまたいで再び同じ箇所の左足首を捻挫し、現在、針治療などを行って回復に努めています。
しかし痛みも残っており、サッラでも雪上滑走できるか否かという状況の中、直前まで出場を模索していましたが、ここに来てW杯初出場は「次の機会にお預け」の判断となりました。
小山敬之選手の復帰時期も陽平選手同様、受傷箇所の再検査を行いながら慎重に決めていくことになります。
FEC総合のチャンピオンでW杯出場権を持つ片山龍馬選手。W杯初出場となったセルデンGSは 1本目途中棄権に終わりました。 【写真/Alessandro Trovati】
「セルデンでは攻めの滑りを出しきれなかったので、レビは攻めた滑りでゴールまで行けるようにがんばります。レビでの練習では日々成長できているように感じていますが、まだ(自分の理想とする)いい滑りと言えるレベルまで来ていません。いま出来る限りの滑りを全て出して良い結果が残せるように頑張ります」とコメントしてくれました。
今週末のW杯SL初出場、来週のヨーロッパカップも合わせてレベルの高い環境の中で、20歳の躍動を期待します。
レビSLは片山選手の後の出走となる加藤聖五選手。開幕戦セルデンGSは「走路妨害」に遭い再 レースを申請するも認められませんでした。 【写真/Alessandro Trovati】
開幕戦セルデンGSでは第一中間計時を全体28位のタイムで通過しながら、オーストリアコーチがコース内に侵入して進路を妨害、再レースを申請するも、レース進行優先のジュリー判断で再走は認められませんでした。
「スポーツマンシップに則り、それを第一として(心に刻み)行動したい」と話し、今回レビのキャプテンズミーティングでは、全日本スキー連盟からFIS側へ、セルデンでのジュリー判断の説明と、再発防止策、もし今後また同じような事態が起こった際の対応改善を強く求めていくことになっています。
セルデン同様、70番台以降、開催国枠で出場するであろうフィンランド若手選手の後での出走が予想される加藤聖五選手、最終滑走者の可能性もあります。
場所と種目は違えど、スタートバーの前に立った時に不安な気持ちにならないかと心配ではありますが、杞憂に終わることを祈るとともに、「セルデンの不可解判断」にモヤモヤしている日本の多くのファンを「スカッ」と気持ち良くさせるような「大まくり」の快走を期待します。
文 田中慎一郎
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