一発で試合の流れを変える本塁打。打者は打った瞬間に本塁打を確信すると、華麗にバットを投げ、打球の行方を見つめながらゆっくりと歩き出す。豪快な一発を報（しら）せるその姿は、ファンが最も歓喜するシーンといっても過言ではないかもしれない。

　今回は、2024年シーズンの豪快＆華麗なアーチを報（しら）せ、思わず「ホ―！」と唸ってしまうような確信歩き・バット投げシーンを紹介する。

　リーグ2位の25本塁打を放つなど、来日1年目から打線をけん引した北海道日本ハム・レイエス選手。7月3日の千葉ロッテ戦では、3回裏に2死満塁の場面で初球を捉えると、打球は大勢のファイターズファンが待つレフトスタンドへ。会心の一発に、レイエス選手は打球の行方を見つめ、バットを両手で持ちながらゆっくりと「確信歩き」。球場を大いに盛り上げた。

　東北楽天からは4月25日、対北海道日本ハム戦で飛び出した浅村栄斗選手の2号3ランをピックアップしよう。高々と上がった打球がレフトスタンドに届く様子を、浅村選手は目で追いながら一歩、二歩…… と確信歩き。大きな一発を見届けるクールな表情にもご注目あれ。

　埼玉西武・西川愛也選手はスマートな確信歩き＆バット投げを披露。9月1日、北海道日本ハム・北山亘基投手からフルスイングで打球をかっ飛ばすと、確信したように軽快に一塁へ進みつつ、バットもすっと手放す。豪快なアーチとのギャップが見どころだ。

　シーズン23本塁打を放ち、3年連続20本塁打を達成した千葉ロッテのポランコ選手。6月16日の対中日戦では、2対2で迎えた5回裏、約1カ月ぶりとなる勝ち越しの7号2ランをたたき込んだ。ポランコ選手はバットを手にしながら、ゆっくりと一歩ずつ進む「超」確信歩き。ダイヤモンドを一周しベンチに戻ると、おなじみの「パワー！」ポーズでファンを沸かせた。

　オリックスのセデーニョ選手は豪快な一発を放った瞬間、一塁に踏み出しかけながらも、バッターボックスにとどまった。4月19日の対福岡ソフトバンク戦。2対2の同点で迎えた3回表、東浜巨投手の甘く入った変化球を捉えると、その場で打球の行方を追う。スタンドに入ったところを見届けた後、ようやく歩き出した。その印象的なシーンを、バッターボックス真上の視点から楽しんでほしい。

　今季34本塁打を放ち、パ・リーグの本塁打王に輝いた福岡ソフトバンクの山川穂高選手。9月21日の対東北楽天戦では、7回裏に32号ソロを放ち、NPB通算250本塁打を達成した。完璧に捉えた打球の行方を、目で追いながら歩みを進める山川選手の「確信歩き」と「どすこい」パフォーマンスで球場のボルテージは最高潮に。チームは最終回に見事サヨナラ勝ちを収めており、勝利を呼び込む豪快な一発となった。

　動画では、この記事で紹介した選手やシーン以外にも、2024年のたくさんの豪快＆華麗アーチを報（しら）せる確信歩きとバット投げの様子が収められている。パ・リーグが誇るスラッガーたちの競演を存分に堪能してほしい。