【9.14後楽園、新生RATEL’S初陣!】RATEL’Sが目論むNOAHジュニアの新風景。 そのカギを握る菊池悠斗は、こんな男だ!
【PRO-WRESTLING NOAH】
RATEL’Sの歴史に関してはコチラ(https://www.noah.co.jp/news/6073/)をご参照いただくとして、紆余曲折あっての再結成直後にタイトルを獲得したことで、ポジティブな方向に進めるのは言うまでもない。重要なのはメンバーたちがリバイル的に組んだのではなく、新たなるユニットの歴史を築くのが目的である点だ。
そもそもの現実、当時リーダーだった原田大輔は引退しているのだからあの頃と同じとはならない。ならばいかにして新風景をクリエイトしていくかに、存在意義が集約される。
そうした観点からも、原田が新メンバーとして菊池悠斗を連れてきたのは至極当然の流れと言える。すでに「LIMIT BREAK」にも連続参戦しており、少しずつNOAHのファンにも知られる存在となってきたタイミングでの加入は、ユニット内の士気を高めただろう。
【PRO-WRESTLING NOAH】
関西圏で活動する選手の中でも、同じく道頓堀プロレス所属でありライバル的存在の晴斗希と並び、菊池は東京にも“届く”存在だった。デビューしてわずか7ヵ月後にはIGF大阪大会で「地元ナニワの大阪ヤングパワーバトル」と銘打たれたゲノムルールによる試合を体験(TORUに敗れる)。
その後も全日本プロレス、WRESTLE-1、DDTプロレスリング、大日本プロレスなどの在京団体が大阪で興行を開催するさい、声がかかるようになっていく。打点の高いドロップキックやノータッチ・トペなどの飛び技に限らず、エグい攻撃もできるいわゆる万能型であり、昨年9月3日に晴斗希を破り団体最高峰のシングルタイトルであるWDW王座を初戴冠。
実は原田に呼び込まれた9月1日も、道頓堀プロレス11周年記念大会でキャプテン・アメムラを退け3度目の防衛に成功し、その足で港区にある世界館からなんばのエディオンアリーナへ駆けつけた。つまり、現時点で団体のトップに君臨する男なのだ。
大阪プロレスと並び、関西プロレスシーンをけん引する道頓堀の現チャンピオンとあれば、その姿を地元で見続けてきたファンにとってもRATEL’S入りは嬉しいだろう。かつての原田、HAYATA、YO-HEY、タダスケあるいは小峠篤司も、東京から離れたこの場所で腕を磨き、その後NOAHでステータスを築いた。菊池も同じような活躍を期待されて当然だ。
今年5月、菊池は反体制にまわって自由に暴れることを選択。それまでのイメージカラーだった赤を捨て、黒に染まった。得意技のレッドイーグル(ダイビング・フットスタンプ)も、ブラックイーグルに名称を変えた。
そもそも、もう一つのフェバリットホールドとして使用するH.T.D.N.S(雪崩式前方回転エビ固め)は“ヒトデナシ”の略という説もあるほどで、そういうカラーが向いているタイプなのだろう。9・1大阪のバックステージでYO-HEYが「俺ら、ちっちゃい頃から知っている男やからな」と紹介したように、プロレスラーになる以前からの関係性があることがうかがえる。
そのあたりは、おいおい本人が語るだろうがリング上に関しては唯一、タダスケと絡んでいる(2017年5月7日、道頓堀港区民センター大会。HUB&マグニチュード岸和田&冨宅飛駈&スミヒデアキvs入江茂弘&タダスケ&TORU&菊池)。この時点ではデビュー2年7ヵ月であり、自身のスタイルや方向性も確立されていなかった。
だがその後、着実に実績をあげてWDW王者になってからの初防衛戦ではジュニアの実力者として知られる政宗に完勝し、防衛を果たした。菊池と組むことを誰よりも楽しみにし、そして喜んでいるのはRATEL’Sのメンバーに違いない。
【PRO-WRESTLING NOAH】
プロレスラーにとって、こうした物語性は財産でもある。点と点を線で結べるかどうかは本人次第。RATEL’S入りしたことで広がる可能性の中、菊池は何を形にしてNOAHのファンに提示するのか。
同時に、ユニットへ入ったからにはそのメンバーとしてのポジション確立も狙うだろう。原田がいないRATEL’Sにおいて、あの頃と違ったものを生み出せる可能性を一番秘めているのが菊池なのだ。
小川良成が去ったNOAHジュニア全体の方向性は、これからの闘いの中で具現化されていく。個人的には2019年を最後におこなわれていないジュニアタッグリーグ戦、同じく2020年以降途絶えているジュニアシングルリーグ戦が復活するほどの活性化に期待している。
(文・鈴木健.txt)
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【PRO-WRESTLING NOAH】
https://www.noah.co.jp/schedule/605/
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