石川怜奈、3年ぶり3勝目は3人プレーオフを制す

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【Photo:Kenta Harada/Getty Images】

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第8戦『ロイヤルメドウカップ』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が7月5日、栃木県芳賀町、ロイヤルメドウゴルフ倶楽部(6,550ヤード/パー72)で行われた。大混戦の行方は、通算10アンダーで並んだ石川怜奈、吉澤柚月、東浩子のプレーオフ(PO)へ突入。PO1ホール目でバーディーを奪った石川怜奈が3年ぶりとなるステップ3勝目を飾った。1打差の通算9アンダー、4位タイに小野祐夢、福田侑子。
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 途中何度もピンチを迎えながらも最後まであきらめなかった石川怜奈が、初代女王の栄冠を手にした。3人が通算7アンダーの首位タイに並んで迎えた最終日、最初に抜け出したのはルーキーの吉澤柚月だった。しかし、5番ホールから3連続バーディーを奪った石川が逆転で首位に立つ。その後、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げた2人に、最終組の3組前で回っていた東浩子が加わる。

 先に東が通算10アンダーでホールアウト。石川と吉澤も同じ10アンダーで最終18番・パー4を迎える。ここで石川はまたしてもピンチに。ティーショットを右に大きく曲げてしまい、高い木の真後ろにボールが止まったのだ。なんとか低い球を打とうとしたが、ボールは木の枝に当たって再びラフに。しかし、ピンまで残り92ヤードを52度のウェッジで振り抜くと、ピンの上4メートルにボールが止まる。対する吉澤はピン手前約2メートルに第2打をつけたが、石川の気持ちは前向きだった。

 「吉澤さんが外す可能性だってある。絶対にこのパッティングを決めてやる」。ラインを読み切れず、真っ直ぐに打ったボールはカップの中へ消えていく。対照的に吉澤のバーディーパットはカップに蹴られ、勝負はプレーオフへ。

 舞台は、先ほど明暗を分けた18番。3人ともティーショットをフェアウェイに落とす。今季のステップ・アップ・ツアーでは、6戦中5戦で予選落ちを喫していた石川だが、優勝を目の前にして戦っていても気負いはなかった。

 「プレーオフでも優勝も考えていませんでしたし、優勝するぞという気持ちもありませんでした。ただ、第2打は自分が最後に打つので、他の2人の結果を見てから攻め方を決めようかなと」。

【Photo:Kenta Harada/Getty Images】

 吉澤の第2打はグリーン右のラフへ。東の第2打もグリーンから右手前に少しこぼれた。それを見て、石川は無理にピンを狙わず、広いエリアの左サイドにボールを落とすことを決めると、ボールはピン左5メートルに止まる。「やや下りの結構なスライスラインでしたが、弱気になることだけは避けようと思って打ちました」。勇気を振り絞ってのストロークは見事カップイン。3年ぶり3度目のステップ・アップ・ツアー優勝を飾った。

 「嬉しい気持ちが95パーセント、ホッとした気持ちが5パーセントです」。秋に調子が上がるというように、石川の過去2勝はいずれも秋に挙げたものだが、今季からステップ・アップ・ツアーでもリランキングが採用される。ある程度の賞金を稼いでおかなければ、秋の試合にエントリーできなかったかもしれないだけに、ホッとしたという。

 今回の優勝で明治安田ステップ・ランキングも9位に上昇。「どうしてもJLPGAツアーに出たいので、あと2勝してランキング2位以内を狙います」。苦しい戦いを勝ち切ったことで得た自信は大きい。今年こそ大きな収穫の秋を迎えるためにも、今回の優勝はいい弾みとなった。
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