佐賀が誇る2人のフランチャイズビルダーを紹介します!【B MY HERO!】
B1に初挑戦中の佐賀から2人の選手を紹介 【(C) 蝦夷】
今回、佐賀バルーナーズについてのコラムをということでご縁を頂きました。
チーム名の由来は佐賀インターナショナルバルーンフェスタの気球、バルーンから。創設は2018年とまだ新しいチームです。地域リーグから参戦し、2019年にB3、2020年から3シーズン戦ったB2を制覇、そして2023年から戦いの場をB1に移しています。
このチームにはプロ入り後、同じユニフォームを着続けている選手が2人います。
B1に昇格したてのチームですから、知らない人の方が多いでしょう。
『知らない人は、覚えてね』ということで、佐賀バルーナーズの顔を、2人ご紹介します。
“ミスターバルーナーズ”井上諒汰
コート内外で愛されるのが“ミスターバルーナーズ”井上諒汰 【(C) 蝦夷】
新加入の外国籍陣とはいち早く仲良くなり、試合後はブースターへの目くばせを欠かさない。コート内外の誰からも愛される、そんな選手です。
昨シーズン、佐賀のホームゲームでは勝利後にキッズインタビューがありました。
インタビュアーの男の子に「佐賀の好きなところはなんですか?」と聞かれ、『キミのいるところでーす!』と返す人たらしっぷり。
実はこの男の子、年の離れた私のお友達。「でもりょっぴ(愛称)、僕の家知らないじゃんって思った」と語っていた後日談をこっそり書いておきます(笑)。
さて、そんな井上はどんな選手なのか。
リーグ公式の選手紹介QAに、自分の武器は“ディフェンス”と称されています。
ディフェンスの上手い選手と聞き、外国籍にも当たり負けしない、フィジカルが強くフットワークの良い選手かと想像することでしょう。
確かに外国籍とよくマッチアップするし、フットワークも良い選手です。中でも、ヘルプディフェンスがピカイチだと私は思っています。
ピック&ロールがオフェンスの主流であるBリーグ。どんなにファイトオーバーしようとしても、スイッチは起こり得ます。
ビッグマンがガードにスクリーンを掛けたのち、ペイントエリアにダイブしようとします。ウイングの選手にマッチアップしていることの多い井上は、ここに一瞬だけ、ヘルプにいく素振りを見せたり、実際にヘルプに行ったりする場面が非常に多いのです。
するとどうでしょう。その間にマッチアップを戻すことも出来ますし、ペイント外に追い出すことが出来れば儲けもん。もしそのままポストアップされてしまっても、シュートモーション前にファウルすることもお手の物。
そのあたりの、これは感覚なのでしょうか。それとも自分に出来ることを、とその力を伸ばしてきた結果なのか。ヘルプの対応やノーマークにいち早くコート上で気が付く、そこが彼の一番の長所であると考えています。
今シーズンの佐賀は毎節のようにDFシステムを変えて試合に臨んでいるように思えます。
頻繁にシステムが代わる中で、彼のようなDFシステム理解に長けた、長くチームに在籍する選手がいるということは、派手な活躍をしなくとも、非常に使い勝手が良い。
だからこそ、地域リーグから始まりB3、B2、そしてB1と同じチームに居続けられている、必要とされ続けているのではないかと思います。
最後にひとつだけ。
今の能力を生かしつつ、1on1での駆け引きも上手くなってオフェンスチャージングを頻繁に得られるようになれば、ディフェンスの名手になれるのではと。期待していますよ。
“地元の星”角田太輝
地元佐賀出身の角田太輝に注目 【(C) 蝦夷】
大学バスケに精通する友人から、白鷗大の“激シブ三銃士”のひとり(もう2人は北海道/松下裕汰選手、神戸/杉山裕介選手)と聞いていたのですが。
2021年内最終戦の12月29日、彼の故郷ホームゲームデビュー戦となったこの日。スタッツは20分近くの出場で13得点(FG5/8、内3ポイント2/3)。5ファウルのおまけつき。
いやどこがシブいねん……と、客席でツッコミを入れながら見ていました。
余談ですがこの日、先に紹介した井上選手も3ポイントが5/5、17得点のキャリアハイを残しているのですが、ゲームMVPはもちろんデビューの彼でした。どんまい。今シーズンキャリアハイ更新して満を持してMVPをもらってください。
特別指定選手であった2021-22シーズンでは、リーグ登録の通りSGポジションで、コートを縦横無尽に駆け回っていたように思えます。
彼は今、コンボガードとして成長する機会をチームから与えられています。B1バイウィーク、14試合を終えた段階で平均プレータイムは30分超え。帰化枠を除いた日本人だけで見ると、安藤誓哉(島根)、富樫勇樹(千葉J)、ベンドラメ礼生(SR渋谷)と名だたるメンバーに次ぐ4番目の数字です。
B1の場で“ふつうに”活躍していることは、特指時代から見ている者として非常に感慨深いことでもあります。けれど、私も含め、佐賀ブースターの皆さんはこう思っているのではないでしょうか。
「もっとやれるはず」だと。
何故か。B2プレーオフファイナルを見てしまっているからです。
特にGAME2では外国籍PGのレイナルド・ガルシアが早々に負傷してしまったこともあり、そこからほぼ全ての時間帯でハンドラーを託されつつもなんと31得点の大爆発。アンストッパブルとはこれまさに。それをルーキーイヤーで、B2優勝を決める試合でやってのけてしまうのですから、末恐ろしいなとさえ思います。
今シーズン、印象的だったのは11月上旬の秋田戦GAME2。チームは勝利しましたが、この日角田は得点ゼロ。出場時間も18分にとどまる結果となりました。
試合後、勝利に安堵(あんど)して笑顔な他の選手を横目に、非常に悔しそうな表情をしながらコート一周していたように見えました。
おそらく彼は根っからの点取り屋。誰にだって不調な日はあるでしょう。また、試合を重ねるにつれ、マークも厳しくなってくるはずです。でもそこを乗り越えれば、リーグ屈指のコンボガードになる日もそう遠くないと思っています。彼の成長を、見守り見届けることとします。
“SAGA”アリーナという新居
佐賀のマスコットのバルたんがアウェイブースターを歓迎します 【(C) 蝦夷】
プレーオフや、今季開幕節での約8000人の観客で埋め尽くされた会場の光景は本当に圧巻でした。
もっともっと、佐賀バルーナーズを応援する方が増えてほしいなと思いますし、たくさんのアウェイブースターさんにも佐賀の地に足を運んでいただきたいなとの言葉で今回の締めとします。お読みいただきありがとうございました!
蝦夷(B MY HERO特派員)
【(C) 蝦夷】
遠征先での過ごし方はもっぱら銭湯・スパ銭巡りのアラサウナー。
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