「志高く!空高く舞うバルーンのように!」…『BAL-VENUS』ディレクターEmilyの熱き想いから、その魅力へ迫る!【B MY HERO!】
ディレクターEmilyのチアリーダーへの熱き想いと佐賀愛
BAL-VENUSパフォーマンスシーン 【(C) 佐賀バルーナーズ】
今季より、佐賀バルーナーズチアリーダー「BAL-VENUS(バルヴィーナス)」のディレクターとして活躍されているEmilyさん。
「プロとは何か?」「チアリーダーとは何か?」
B1の舞台に相応しいチアリーダーへと導く彼女の想いから、BAL-VENUSの魅力に迫ります!
ディレクターEmilyの栄光と挫折、そしてチアリーダーとの出会い
小学生の頃からバトン一筋でした。学生時代、バトントワリングの日本代表選手として世界一を目指していたときに、車椅子生活を余儀なくされる大ケガをしてしまったんです。
リハビリを経て、日本一まで戻れたのですが、完璧主義なのか自分が前の状態に戻れていないことに気付き、世界一を目指すことを諦めてしまいました。
当時、競技と共にコーチと一緒に指導も行っていましたので、指導者の道に進むことを考えました。しかし、想像以上に精神的にもショックが大きく、バトンだけでなくスポーツそのものから距離を置くようになってしまいました。
本気で取り組んでいたからこそ、大好きだからこそ、傍にあるのにできないということが耐えられなかったんです。
ーー再びダンスの世界に戻るきっかけは何だったのでしょうか?
大学時代の友人がプロバスケ選手になり、友人たちと「みんなで一緒に応援に行こう!」と応援に行ったのが「大阪エヴェッサ」でした。
そこで当時のチアリーダー「bt」が照明を浴び素敵な会場でパフォーマンスする姿を観て、「私もまた踊りたい」という気持ちになりました。
ーーすぐにオーディションに応募したのですか?
それが、オーディション要項を眺めて迷っているうちに、募集期間が終わってしまいまして…。諦めていた時に、追加オーディションが発表されて「これは受けろっていうこと⁉」と運命を感じ応募しました。
今思えば、チアダンスはほとんど知らない状態で良く受けたなと思いますが、何とかバトンで挽回した感じでした(笑)。その後、Bリーグ初年度までの3シーズン「bt」で活動しました。
ーー当時の「bt」と言えば、ダンス力がとても高いチームのイメージがあります。
私から見てもとても高いと感じていました。今でも全国のBリーグのチームでチアとして活躍している仲間が何人もいます。チーム仲も良くて、今でも連絡を取り合ったり、会ったりしていますよ。
実は、先日NBAにも挑戦したbt仲間のAIちゃんに、タイムアウトの振り付けを頼んで作ってもらいました。
ーーそうなのですね! どの曲か気になります。
ポンポンを使わないダンスで「HAY QUELVCHAR(アイケルチャー)」という曲です。レイナルド・ガルシア選手がキューバ出身なので、スペイン語が入っている曲を選んでお願いしました。AIちゃんはそういったジャンルのダンスが得意で、とてもカッコイイダンスになってますので、ぜひ観て欲しいです。
ーーガルシア選手にも伝わってるといいですね!
聞くところによると、タイムアウト中にチラッと音楽にのっていたらしいです(笑)。
ーー他の方に振り付けをお願いすることもあるんですね?
実は、NBAで活躍されていたKeiさんのダンスも1曲あります。
メンバーも私の曲だけ踊っていても楽しくないですし、何よりも踊りの幅が広がらないと思うんです。その幅を広げてあげることも私の役割だと思っていて、私が経験してきて良かったこと、それ以上のことをメンバーにはしてあげたいと思っています。
そして、そうすることが、佐賀のエンタメを盛り上げていくことにも繋がっていくと思っています。
佐賀で活躍するEmilyさん 【(C) 佐賀バルーナーズ】
Emily第2章のはじまり〜佐賀、そしてBAL-VENUSとの出会い
生まれも育ちも大阪、生粋の大阪人です。
ーー終始バリバリの関西弁なので、そうだとは思っていました(笑)。卒業後はどうされていたのですか?
自分は世界でどこまで通用するか試したくて、NBAのレイカーズに挑戦していました。結果はダメだったのですが、別の形でNBAの舞台でパフォーマンスする機会があり、形は違いますが自分の夢が達成できたかなと思います。
その後、ご縁があり佐賀に来ることになりました。
ーーBAL-VENUSとの出会いはどのようなきっかけですか?
佐賀に来てから、アクロバットパフォーマンスチーム「VIVO(ヴィーヴォ)」という団体に所属していて、主にイベントでアクロバットパフォーマンスをしたり、学校訪問などをしてパフォーマーとして活動しています。
その後、VIVOとしてハンドボールの試合のハーフタイムでパフォーマンスをしたり、コートサイドで応援する機会が増えてきていたところ、活動を知ったチームの方から、BAL-VENUSのディレクターのお話をいただきました。
ーー今でもパフォーマーとして活動されてるんですね?
元々はアクロバットの練習ができるところを探していたんです。そこで当時男子アクロバットチームのVIVOに出会い「マネージャーとして参加させてください」とお願いしたんです。そうしたら「あれ?まだまだ動けるじゃん!」となって、アクロバットの練習がしたかっただけでしたが、VIVOのメンバーとして、バトンを中心にパフォーマンスをさせていただけることになってしまいました(笑)。
でも、そのおかげでいろいろなイベントなどでパフォーマンスをさせてもらうことができ、たくさんの出会いもあり感謝しかありません。
ーーディレクターの話を聞いたときは、どう思われましたか?
「私で良いのですか?」という思いでした(笑)。
それでも、私は佐賀に来て様々な活動をさせてもらってますし、続けられていることがありがたいと思っています。
この恩をどう返していくか。いただいたところだけではなく、いろいろな形で返していくことが、私のできること、やるべきことかなと思い「やれるだけのことはやろう!」と引き受けることにしました。
志は高く!〜新生BAL-VENUSが目指すチアリーダー像とは
実は表には出していないのですが、2つのコンセプトがあります。ただ、まだまだその姿にはたどりつけていない状況なので、ここでは「今はまだ内緒」ということでお願いします。
ーーコンセプトを教えてもらえる日を楽しみにしていて良いですか?
いつか「BAL-VENUSのコンセプトはこれです」と堂々と発表し、進化した姿をお見せできるよう、メンバー共々、日々成長していきたいと思います。
ぜひ、楽しみにしていてください!
ーーチーム作りで、意識していることはありますか?
プロとして、チアリーダーとして自分たちがどうあるべきか。そして、与えられたこの舞台や機会が当たり前のではないということを自覚し、感謝の気持ちを常に持つようにとメンバーには伝えてます。
ダンスに関しては、私たちはチームでパフォーマンスをしているので、形はもちろんですが、気持ちを揃える、それこそ呼吸まで揃えたいと思っています。それができてから初めてオリジナリティが出せると思っています。
ーー今季、衣装がガラッと変わりましたが、こだわりの点はありますか?
実は、オファーを受けた時、メンバーが決まる前から衣装に関しては動いてました(笑)。もちろんコンセプトに合うように、また、この衣装でこんなダンスが踊りたいね!とイメージしながら決めました。
そして素材も、競技でチアが着るようなものと同じように、動きやすいもので作っています。
ーー靴のタイプもスニーカーとブーツのものが2種類ありますが、こだわりがありますか?
靴は本当に大切で、ブーツは私も試し履きをして動きやすいものを選んでいます。
また、1試合通してブーツで踊ることは大変なことなので、スニーカースタイルも半分取り入れるようにしています。
それと、靴下にはこだわっていて、佐賀の「イイダ靴下」様と打ち合わせをして、イベント用・試合用とオリジナルをご提供いただいてます。デザインはもちろんですが、厚みや機能などダンスの踊りやすさや靴との相性など、かなり細かいところまで要望を実現してもらっています。360度どこから見てもファンの皆さんに楽しんでもらえるように作っています。
ーーブーツとスニーカーのスタイルは、ダンスのイメージで決めているのですか?
そうしています。そして、ポンポンの色も2パターンあるので、その組み合わせでバリエーションが増えて面白いかなと思っています。
ーーそうすると、どのタイムアウトでどのダンスというのは決まっていますか?
基本的には私は「全てのタイムアウトで踊らせてください!」というスタンスなのですが(笑)。
「このダンスは前半だったら良いな~」などのイメージは伝えてはいます。ただ、もちろん演出担当の方にお任せしているので、試合の展開次第で、どのタイミングでどのダンスかというのは変わってきますね。
ーーどのタイミングでどの衣装、どのダンスを踊るのかということも、試合を観に行く楽しみのひとつということですね?
そこも楽しんでいただけたら嬉しいです。
実はもうひとつ考えている衣装があって、イメージもガラッと変わる感じなので、ぜひこちらもシーズン中に実現できたら良いなと思っています。
そして、ハロウィンなどのイベントごとの衣装はシーズン始まる前に全部準備しているので、こちらもぜひ楽しみにしていてください!
ーー確かバレンタインシーズンは、以前までメイン会場だったSAGAプラザですね?
小さい会場だからこそ楽しめる、そんなイベントにしたいなと企画しております♪
ーー衣装や企画のお話をうかがうかぎり、チームとの連携をしっかり取って活動されてる印象です。
ダンスだけではなく、様々な企画などを実現していくには、何よりもコミュニケーションを取ることは大切だと思っています。私も何か要望があれば伝えるようにしていますし、逆にチームから要望があればすぐに変更など対応するようにしています。
チームスタッフの方も、一度話を聞いてくれたうえで検討してくださいますし、多くのことを実現してくれており、本当に感謝しています。
ーー衣装の他に、メイクにもこだわりがありますか?
メイク講習を行い、その後個別に練習をする機会を設けています。同じものを使うとか、同じ形に合わせるというよりは、メンバーそれぞれに合ったアドバイスをするようにしています。
ちなみに、ハロウィンのメイクは全員私が仕上げをしました(笑)。
ハロウィン衣装でのパフォーマンス 【(C) 佐賀バルーナーズ】
進化は始まったばかり〜BAL-VENUSの未来とは
SAGAアリーナになって、私たちの声が届くのかと不安に感じていました。それでもメンバーの声とバルニスタの声で一体になった会場を見たときは、「私たちがやってきたことは間違っていなかったんだ」と感動しました。
そして、何よりもメンバーが楽しそうにパフォーマンスしている姿を見たら、本当に嬉しく思いました。完全に親心ですね(笑)。
ーーBAL-VENUSの今後について、目指している姿、やりたいことはありますか?
「バスケはもちろん、BAL-VENUSも観たい!」と思ってもらえる存在になりたいと思っています。そして、それだけの価値や伝統があるチームに成長していきたいと思います。
また、地域リーグのときから、バルニスタと共に応援し成長し続けてきました。当時からのメンバーもいますし、その想いも大切に、これからもバルニスタとチームの架け橋となれるような存在でありたいと思います。
ーーEmilyさんご自身が、今後やりたいことや夢はありますか?
チアリーダーだけではなく、パフォーマーの地位を向上させることを実現することが私の夢であり、それに向かって活動することが私の使命だと思っています。
そして、1シーズンでも長くチアリーダーとして活躍してもらえるように、私ができることは一つでも多く行動し、その環境を整え、今まで叶わなかったことを「BAL-VENUSならできる」というモデルを作っていきたいと思います。
ーー最後にバルニスタ、そして、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
B1に昇格し、勢いのあるバルーナーズですが、BAL-VENUSも負けずにB1に相応しいチアリーダーとして志を高く持ち活動していきます。
ぜひ、彼女たちの成長し進化を続ける姿を見届けに、佐賀の会場へ応援に来て欲しいと思います!
BAL-VENUSが会場をひとつに 【(C) 佐賀バルーナーズ】
終わりに〜「ディレクターはチアチームの魂」
佐賀バルーナーズの皆様にご協力をいただき、今回試合前の会場で対面でのインタビューが実現いたしました。
また、Emilyさんとは初対面とは思えないほどとても話しやすく、終始全開トークでインタビューも2時間超えとオーバタイムに突入いたしました(笑)
本当にありがとうございました。
Emilyさん、そしてメンバー13人が、今までのBAL-VENUSの良さを継承しながら、新生BAL-VENUSとして進化し続ける姿、そしてその魅力を、ぜひSAGAアリーナで体験して欲しいと思います!
きっと、「また佐賀にいきたい!」「またBAL-VENUSに会いたい!」そう思うこと間違いなしです!
あ、そうそう会場で「バリバリ元気な関西弁のゲキが聞こえてきたら、それはEmilyさんかもしれません(笑)。
やまと(B MY HERO!特派員)
【(C) やまと】
アウェイの会場に応援に行くたびに、様々なチームのチアリーダーの魅力に惹かれ、今では全国のチアリーダーを全力応援中!!!
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