楽しんで防災を学ぶ! 「クロス防災フェスsupported by アンカー・ジャパン」

川崎フロンターレ
チーム・協会

【©KAWASAKI FRONTALE】

災害は突如訪れるもの。その日の「いざというとき」のために防災についての知識があれば、必ず役立つことだろう。そこで3月5日(日)、フロンターレは富士通スタジアム川崎にて、地域の方々と防災を学ぶ「クロス防災フェスsupported by アンカー・ジャパン」を開催した。本イベントは富士通スタジアム川崎が広域避難場所に指定されている「富士見公園」内にあることから着想を得たイベントで、2015年の指定管理業務開始以来、「地域の安心・安全な拠点の提供」を目指すという想いも込められている。

これまでは1泊2日で行う「家族ふれあい防災キャンプ」や「家族で学ぶリアル防災訓練」など、事前申し込みをした家族を対象にした防災イベントがメインとなっていたが、今回は幅広い方に参加してほしいという考えから「入場無料」、「申込不要」、「どなたでも参加可能」という形で開催に至った。その理由について、イベント統括を担当した五十嵐誠さんは言う。

「災害は起こらないことが1番ですが、もし起こったときのために日頃から関心をもつこと、防災フェスで学んだことが役立つこともあると思います。だからこそ、多くの方々に防災について幅広く学んでいただきたいんです。今回、僕たちは家族だけではなく、お年寄りの方にも防災の知識を広げてもらいたいという思いで、どなたでも参加できるような形にしました」

多くの方々が足を運んだ「クロス防災フェスsupported by アンカー・ジャパン」 【©KAWASAKI FRONTALE】

そして当日は、富士通スタジアム川崎に約220名の参加者が集まり、川崎市のシンボルマークの色でもある「赤」「緑」「青」の3色から連想した「赤=火事場の馬鹿力(持ち上げる力、運ぶ力、災害時の力)」「緑=安心・安全(非常食体験、展示ブース)」「青=カワサキ・チャレンジ(判断する力、ぶら下がる力、消防体験、)」の3つのゾーンを用意。1つひとつのブースを「かけ合わせて」学び、体験し、それぞれの防災力を学んだ。特に盛り上がったのは災害時に水を運ぶことを想定して水の入ったタンクをもって往復をする力や、株式会社ファインテックの投てき用消火用具に見立てたペットボトルを的に投げるブースなど、自らが身をもって体験することで「こういうものがあるんだ」「こういう力が必要なんだ」と感じることができただろう。

実際に非常食を食べるまでの工程を体験。出来上がるまでの時間はブースを見て回っていた 【©KAWASAKI FRONTALE】

「非常食体験ブース」では、お湯を使うのではなくお水で美味しいご飯を食べることができる非常食を無料で参加者に提供(尾西食品のたけのこご飯)。味はとても美味しくて、参加者も満足な表情で普段と変わらない美味しさに驚いていた様子だった。

また、新しい発見という点では「東日本セキスイ商事」のマンホールトイレが挙げられるだろう。マンホールトイレとは下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時において迅速にトイレ機能を確保するもの。イベントでは「災害用マンホールトイレ(貯留型) 防災貯留型トイレシステム」の模型展示や「災害トイレ用テント」の組立体験。プール等からマンホールトイレへ水を送る手押しポンプ「電動・手動切替ポンプ 可搬式緊急送水ユニットETU型」のポンプ体験を行い、多くの方が災害を想定したシチュエーションを夢中になっていた。

そんな会場では笑顔が溢れ、楽しく防災について学ぶことができる空間が作り上げられていたと言えるだろう。それは五十嵐さんがイベント開催するにあたって思い描いていた光景だった。

「とにかく楽しく学んでほしいという思いが強かったので、すごく楽しそうにしている姿を見ることができてよかったです。また、それぞれのブースを全て体験した参加者からは、『知らないことだらけで、学べてよかった』という感想を聞くことができましたし、新しい発見や学びがあったんだなと嬉しく思っています」(五十嵐さん)

川崎市消防団の協力で消火ホースを体験できるブースも 【©KAWASAKI FRONTALE】

フロンターレだけではなく、「ご協力団体さんあってのイベントなので感謝しかありません」と五十嵐さんが話すように、多くの方々が協力してくれたからこそ『クロス防災フェスsupported by アンカー・ジャパン』は大成功で幕を閉じることができた。今後も継続的に開催される防災に関わるイベントを通してフロンターレは川崎市民に寄り添い続けていく。

(文・高澤真輝)
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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