Bリーグ、後半まるごと超熱戦【B MY HERO!】
現在20連勝中、リーグ首位を走る千葉J 【(C)B.LEAGUE】
早速ですがタイトルが某少年漫画の超有名映画で聞いたことのあるような題名になってしまいました。
しかしながら、私の目にはコート上で火花を散らすプレーヤーたちがキツい局面、苦しい展開、襲いかかる数多の試練を乗り越える姿に彼らを超戦士と重ねてしまいます。
そんな血と汗と涙をみなぎる結晶に変えて、“ココロたぎらせて”戦う後半戦を今回は展望しつつCSの幕開けまで駆け抜けていきましょう。
その前に1カ月前に書かせていただいた前半戦の振り返り、良ければ少し目を通していただければ幸いです。そして、ここからリーグ全体がどう変わっているのかまずは見ていきましょう。
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4強は不動か⁉ CSに向けてさらに強化を進めるクラブも
島根を引っ張るのはビュフォード 【(C)B.LEAGUE】
上位の4チームは変わらずですが、僅かながら抜け出したのは島根スサノオマジック。バイウィーク前、当時全体順位2位で、東地区2位のアルバルク東京とのドッグファイトを制し、彼らにとっては今シーズン初の同一カード連敗のダメージを与え、西地区の首位に立ちました。
とはいえ、西地区3位の広島ドラゴンフライズ、2位の琉球ゴールデンキングスはバイウィーク後の補強としてフィリピンからカイソット、カール・タマヨをそれぞれ獲得し最後のスパートをかける体制を整え、名古屋ダイヤモンドドルフィンズも現在抱えている負傷者の状況は厳しいですが、ここを乗り越えより結束するであろうチームの力は、スタッツが示すリーグトップの数字に拍車がかかるのは疑う余地がありません。
そして、今シーズンのCS出場こそ難しいかもしれませんが、今季参入のファイティングイーグルス名古屋、大阪エヴェッサ、京都ハンナリーズと5割が見えているチームも多く、西地区全体の力強さを感じた中盤戦でした
それでも、西地区4強の牙城はリーグ全体を見てもうたがうことなく、CSのワイルドカードにはおそらく西地区の3位、4位が進むことになりそうです。
終盤戦も『横浜のリトルモンスター』は要注意!
横浜BC初のCS進出のためにも河村の活躍は必須 【(C)B.LEAGUE】
1位、2位は変わらず川崎ブレイブサンダース、そして横浜ビー・コルセアーズと続いています。
先日の天皇杯準決勝で惜しくも敗れてしまったものの、琉球相手に横浜BCのエース、河村勇輝選手が残した“45得点”というとんでもない数字は日本中を驚かせました。宇宙船を落とすどころか、惑星を破壊する勢いで成長が止まらない『横浜のリトルモンスター』がCSに辿り着くのであれば、どんな姿で乗り込んでいくのか一ファンとしても楽しみでしょうがありません。
日本代表としてもその活躍が期待されていますが、トム・ホーバスヘッドコーチすらも驚かせたというそのパフォーマンス。バイウィーク期間中に行われるFIBAワールドカップ2023 アジア地区2次予選Window6でどれだけ見せてくれるかも非常に楽しみです。
河村選手を中心に据え、彼と共に勝つチームへ変貌を遂げた海賊達が暴れる姿は後半戦も間違いなくココロたぎりますね。
そして、中地区のCS出場枠争いが三地区で一番混戦なのはこの1カ月では変わりませんでした。
日本代表という観点からしても、ジョシュ・ホーキンソン選手の帰化選手登録が完了し、戦い方を変化させたい3位の信州ブレイブウォリアーズが少し差はありながらも最後まで粘りを見せることは疑う余地がないでしょう。ただ残念なことに、昨年の10月末からインジュアリーリスト(IL)入りしているウェイン・マーシャル選手に続いて、ウィリアム・モズリー選手も1月19日付けでIL入りしてしましいました。3月14日のリーグ登録最終日までで、信州に動きがあるかはわかりませんが、ロスターの状況次第では終盤に大きく勝星を伸ばす可能性をまだ秘めていると思います。
千葉Jの連勝を止めるチームは???
エース富樫は健在。千葉Jの牙城は簡単に崩れそうもない 【(C)B.LEAGUE】
東地区の首位、千葉ジェッツはリーグ記録に並ぶ20連勝を手土産に、天皇杯準決勝も宇都宮を前半わずかに23得点に抑え込むディフェンス力の高さを見せて、今シーズン最初のタイトルへと王手をかけました。この後残されたカーディングを見ても、リーグ記録を塗り替える予行練習は天皇杯準決勝で済ませたとも言えます。
そしてそのままの勢いで天皇杯優勝、リーグ制覇、リーグ全体首位でのCS出場まで見えてきています。その頂に向かう中で唯一立ちはだかるものがあるとすれば、主力選手のケガなどにつながるコンディションだけかもしれません。こればかりは最後の最後までわかりませんし、避けようがないアクシデントもあるでしょう。その可能性を1パーセントでも下げるべく、選手自身も、チームスタッフも命を賭けて注力し、終盤を乗り越えるでしょう。もし何かが起きてしまったとしても、カバーできる力を今シーズンの千葉Jは何度も見せていますから、その強さは揺るがないものと感じます。
2位のA東京はそう言った意味ではバイウィーク前の第22節こそ島根に連敗を喫したものの、苦しい1カ月をチーム一丸となって乗り越えたと言えるでしょう。期限付き移籍が終了したイホール・ボヤルキム選手が所属の金沢武士団に戻る中で、バイウィーク明けにはジャスティン・コブス選手が戻ってくるでしょう。ヘルニアの手術を行った田中大貴選手の復帰の目処はわかりませんが、彼の分まで安藤周人選手や小酒部泰暉選手がステップアップしていますから、『勝負はCS!』、そう考えているかもしれません。
戦いはクライマックス! これまで以上に「ココロ、たぎる。」
私の予測ではありますが、最終勝率パーセントのライン、全体勝利数が15に到達したチームは降格争いからは抜け出すでしょう。推しチームが1つでも勝ち星を重ねられるよう、どのゲームも最後まで応援していきましょう。
最後に、現在の順位から基づいた仮のCS対戦カードに想いを馳せます。
まずは、「千葉J-名古屋D」
次に、「島根-広島」
さらに、「川崎-横浜BC」
最後に、「A東京-琉球」
解説をさせていただいている身からすると、どのカードも全マッチアップが大注目なんですが、どうしましょう。
この中で勝ち星がこのまま最後まで推移していった場合に対戦相手が変わる可能性が無いカードが川崎対横浜ですが、信州が勝ち星を伸ばして2位に浮上すればここに入る可能性があります。
そして、西地区の順位次第では、すべての対戦カードが変わる可能性を大いに秘めています。組み合わせは最後の最後までわからない可能性が高い中、終盤戦が待っています。
過去に類を見ない西地区の上位争い、新リーグ参入に向けた各チームのロスターや運営面を含む全体のレベルアップ、若手の飛躍的な台頭、コロナ流行前以来の残留争い、規制緩和での声出しの解禁など、どこを切り取っても終盤戦はこれまで以上にココロたぎれるはずです。
各チームにとっては順位は関係なくシーズンの中で体力的にも精神的にも一番キツい終盤戦です。
登山家の植村直己さんいわく、
「あきらめないこと。どんな事態に直面してもあきらめないこと。 結局、私のしたことは、それだけのことだったのかもしれない」
とありますが、長いシーズンを最後まで戦い、目の前の一戦を勝ち抜き、それぞれの目標に辿り着く精神は登山にも似ているかもしれません。
と、慣れない例え話が出てしまったところでそろそろお開きにして解説ブースに戻るとします。今シーズンも残り少なくなってきましたが、最後まで楽しんでいきましょう。
朴航生(B MY HERO!特派員)
【(C)朴航生】
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