今季の強さの要因は千葉ジェッツの心臓、富樫勇樹と原修太の存在【B MY HERO!】
首位の千葉Jをけん引する富樫勇樹(右)と原修太 【(C)B.LEAGUE】
またもや千葉ジェッツのことを思う存分書いて良いとお許しをいただいたので、今回も赤く熱く語らせていただきます。
早いものでシーズンも折り返し。各チームの毛色が見えてきた時期になりました。1月22日現在、千葉ジェッツは現在28勝4敗と、チームタイの14連勝を記録する順調なフライトを続けております。
シーズン開始前にコーチ陣がガラッと変わり、不安視されたチームがなぜここまで崩れることなく強いのか、スタッツや戦術分析ではなく、僕が船橋アリーナで感じた肌感覚をお伝えできればと思います。
二人の絆
「富樫勇樹選手」
Bリーグファンなら一度はその目で見てみたいトッププレイヤーは、今シーズンも進化し、新たな『富樫勇樹』を僕らに見せつけてくれています。
そんな富樫選手には、パートナーとも言える仲の良いウィングプレイヤーがいます。
「原修太選手」
今シーズンは、「千葉ジェッツには俺がいる!」と言わんばかりにハッスルし、バスケットにアタックして勝利に大きく貢献しています。
そんなふたりは同い年。彼らが入団した頃のジェッツは人気があるものの、なかなか結果が出ないチームでした。
当時富樫選手はなぜか、HCに出場時間を与えられない謎の期間がありました。HCが交代したシーズン後半で出場時間は与えられたものの、不安視されるなかBリーグ初年度を迎えましたが、大野篤史前HCのもとスターターに定着し、皆様ご存じのとおりの活躍をし続けております。
原選手は入団当初なかなかチャンスに恵まれなかったものの、腐らずトレーニングを続け、外国籍選手にも当たり負けしない強じんな肉体を作り上げました。
そんな苦楽を共にしたふたりだからこそ深い絆があり、いつしかコート上でもその絆がチームの力となっていきました。
二人の変化
髪型?
いえ、そこではありません。ディフェンスです。
これまでは比較的、パスコースを守るようなディフェンスが多かったですが、今シーズンはボールマンへのプレッシャーが強く、体を使いコースを塞ぎ、スイッチ後にミスマッチを狙われても臆せずディナイで守りきるなど、これまでのオフェンシブな印象から、ディフェンスでもインパクトを残し、貢献度が格段に上がっている印象です。
川崎ブレイブサンダース戦での熊谷尚也選手へのディフェンスは本当にしびれました!
元々バスケットボールIQが高いので、どこでディフェンスのギアを上げるべきかなど、試合中に熱くとも冷静に判断しているのだと思います。
もちろんオフェンスも衰えることなく、毎シーズン進化しており、
ファンが憧れるムーヴでクラッチタイムに『T time』*を展開してくれます!(*僕が勝手に言っている、富樫選手が大活躍するクラッチタイムのこと)
今季も勝負強いシュートを決めている富樫 【(C)B.LEAGUE】
さらに自分のタイミングならディフェンスがいても躊躇なくスリーを放ち、チームが苦しい時間帯に貴重な得点をもたらします。そしてもちろんディフェンスは天下一品。こってり濃い味ディフェンスで相手センターをも守りきってしまうほどフィジカルが強く、今シーズンはファウルも少なくなった印象です。
攻撃力がアップした今季の原 【(C)B.LEAGUE】
今シーズンの強さの大きな要因は、千葉ジェッツの心臓の、この二人だと私は思っています。
支え合い、助け合うチームに
しかしシーズン序盤は少し不安定な時期もありました。ジョン パトリック新HCの、選手交代のタイミングと選手の感覚にズレがあるように見受けられ、戸惑う姿も少なくない状況でした。
そんな中でもベンチではジョンパトリックHCが各メンバーとコミュニケーションをとり、指揮官としての考えを伝えながらも、各選手のキャラクターの確認やストレスチェックをしているように思っていました。
その中で、チームが一つになるきっかけがあったと思います。それは、大倉颯太選手の怪我による長期離脱でした。連戦が続くなかで起きてしまったショッキングな出来事は、チームのピンチを全員で乗り越えようと、それぞれの成長を加速させるきっかけになったのかもしれません。
チームとしてお互いがお互いを信じて支え合い、オフェンスは誰かの調子が悪くとも誰かが繋ぎ、ディフェンスは全員が強度を保ちながら声を掛け合い、ヘルプとローテーションで守りきる、人任せにしないチームになっていきました。大倉選手の思いを胸に、攻守ともに助け合う『全員が主役のチーム』になれたと思っています。
新指揮官、パトリックHCが各選手とコミュニケーションをとってチームを構築 【(C)B.LEAGUE】
4人のバランスと力
入団2年目のジョン ムーニー選手は、琉球へ移籍したジョシュ ダンカン選手の穴を、全く感じさせないほどリバウンドをもぎ取り、同じく入団2年目のクリストファー スミス選手も徐々に調子を上げ、コート上にスリーポイントの虹を描いています。
今シーズン新加入のヴィック ロー選手は、真面目な性格で早くも日本バスケットボールにアジャストし、勝利のためなら何でもやるオールラウンダーな活躍で、勝利に大きく貢献しております。
そして昨シーズン終盤、コンディション不良で心配していた、ギャビン エドワーズ選手も、12月に入るとさらに調子を上げてきており、ブースターを安心させています。
この外国籍&帰化の4選手は、エゴがなくそれぞれがとても献身的なスタイルで活躍しており、何よりも全員がコート上でディフェンス重視のプレーを続けていることが、今シーズン千葉ジェッツが大崩れすることなく、勝ち続けている要因のひとつです。負けた4試合、どれも完敗ではなかったことがその証拠だと思います。
フォア・ザ・チームを貫く一人、2季目のムーニー 【(C)B.LEAGUE】
後半戦のキーパーソン
そんな中でチームにエナジーを与え続ける、千葉ジェッツヤングコア長男、佐藤卓磨選手が後半戦のキーパーソンだと思います。恵まれたサイズを持つだけでなく、高い身体能力を武器にディフェンスで常にハッスルし、スリーポイントを得意とする、リーグでもトップクラスの『3&D』として地位を確立しています。特にゲーム序盤でオフェンスリズムが悪い苦しい時間帯に、ベンチから飛び出してハッスルし、リバウンドに絡むことで良い流れをもたらしてくれます。
今シーズンのジェッツは、第3クォーターと第4クォーターでディフェンスのギアを上げ一気に試合を決めにいく、まるで1990年代のシカゴ・ブルズのような試合運びで突き放しにかかりますが、そのきっかけになる時間帯には佐藤選手がハッスルする姿があるように思えます。
歯を折ってもフロアを走り続ける精神力の持ち主が、千葉ジェッツの飛行高度をさらに高め、安定させる原動力となるはずです。
後半戦もハッスルプレーが期待される佐藤 【(C)B.LEAGUE】
一歩一歩
それをまとめるジョン パトリックHCはまるで父のようです。
私はいち一般ブースターなので戦術の深いところまでわかりませんが、ジョン パトリックHCはシステムよりも流れを読むことと選手を大切にすることに長けた指揮官という印象です。不思議と接戦でも「負けない」気がするほど、コート上の選手たちを信頼し、『誰かの活躍』で勝つチームではなく、『誰かが必ず活躍する』助け合う家族のような強いチームを作っています。それが今シーズンの千葉ジェッツの強さだと思っています。
まだ伸びしろのあるこのチームが、今シーズンまたあのファイナルの舞台に立ち、その選手たちに声を届けられるよう、僕たちブースターも信じて一緒に寄り添っていきたいと思います。
再びチャンピオンになるその日まで Come fly with me! Go JETS!!
JIRO(B MY HERO!特派員)
【(C)JIRO】
地元千葉ジェッツふなばしのブースタージェッツブースター中心に集まったバスケットボールチーム『ROCKS』の代表も務める。
現在でもプレーヤーとして活動。
最近、右ふくらはぎの肉離れで故障者リスト入りしたおじさん。
趣味:ドライブ、旅行、宴会
好きな選手:ショーン エリオット(元サンアントニオ・スパーズほか)、デビン ヴァセル(サンアントニオ・スパーズ)、荒尾岳、ラシード・ファラーズ
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