大学選手権から1年後にデビュー戦、押川敦治は自身の成長に確かな手応え
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
前回の公式戦出場は約一年前、帝京大学の12番を背負ってプレーした第58回大学ラグビー選手権決勝の舞台だった。
それからちょうど一年後の公式戦、大学選手権決勝とほぼ同じタイミングでのリーグワンデビュー。押川選手は「なにか持っている。」
NTTリーグワン2022-23 第3節 近鉄ライナーズ戦の後半9分にスタンドオフとして出場した押川選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
ファーストタッチで「目が覚めた。」
ファーストタッチは、キック処理。相手が蹴ったボールを後ろに下がっていた押川選手がキャッチした。ここからのプレーの選択に、珍しく迷いを見せる。
パスするかどうか迷ってランを選択、ラックを作りにいったが相手の強烈なタックルを受けて、ターンオーバーを許した。
「緊張はあったと思います。プレーとしては残念でしたが、逆にあのプレーで目が覚めました。目の前のプレーを集中しよう、と切り替えることができました。」と試合後に本人が語った通り、その後の押川選手は攻守で堂々としたプレーを見せる。
オーストラリア代表のフォーリー選手に代わって、チームの司令塔として試合をコントロールし、チームの勝利に貢献した。
特に試合終了間際のゴールキックでは、かなり難しい角度から成功させた。試合終了間際の勝敗も決まっている中、このゴールを成功させたことは、目の前のプレーに集中していたからこその結果だろう。
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
「感慨深い思いがあります。舞台もレベルも違うけど、そのなかで確実に成長できているという実感があります。大学時代は副キャプテンという立場もあり、大学日本一を目指すという思いが強かったですが、いまはより自分に向き合うことができています。」
と語った。
また、
「同じポジションであるバーナード・フォーリー選手、そしてチームにいるトップレベルの選手たちから学ぶことは多いです。リーグワンというレベルの高い試合の中で、そうして日々学んだことをどれだけでパフォーマンスに出せるかを追求しています。」
と、チームの存在が自身の成長に繋がっている要因についてもコメントした。
才に頼ることなく、周りの環境や実戦での経験から着実に進化する押川選手。
チームのラグビーと同じように、リーグワンという舞台で磨かれながら、ひとつひとつのプロセスを重ねて前に進んでいる。
最後に、母校の大学選手権優勝について聞かれると
「共に切磋琢磨した後輩たちが活躍していることはうれしいですし、自分もスピアーズの優勝に向けて頑張ろうと思えます。また、この大学選手権で活躍した選手たちが、また同じリーグワンで共にプレーできることを楽しみにもしています。」
と、さわやかに答えてくれた。
今季から導入されたアーリーエントリー制度により、今の大学4年生はこの1月からリーグワンでのプレーが可能となる。
スピアーズからは5名の選手の入団が発表されている。※リンク参照
世界レベルの外国人選手たちや日本代表選手たちの活躍、それに加えてつい先日まで大学ラグビーで活躍していた選手たちがいかにこのリーグワンで躍動するのか。
今シーズンはまだ始まったばかり、さらに魅力的になったリーグワン、そしてクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。
そのなかでさらに進化する司令塔・押川敦治に注目だ。
文:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 広報担当 岩爪航
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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