【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!NTTリーグワン2024-25 D2 第7節 対GR東葛戦

チーム・協会
初めましての人もこんにちは。
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。

3月1日(土)、NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2第7節目、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)との試合が、千葉県にある“柏の葉公園総合競技場”で行われました。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

前節の近鉄花園ライナーズ戦に敗れ、戦績を3勝3敗の五分とした中で迎えるGR東葛戦。
全14試合のうち、今節が前半戦の最終戦となります。
勝ち越して後半戦へ勢いをつけるためにも、前節の反省を活かし、必ず勝利を掴みたい一戦です。

GR東葛戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p136

《試合内容・結果》

前半戦の折り返しとなる第7節。
舞台は千葉県柏市、GR東葛のホームでのビジターゲーム。
数日前まで雪が降るほどの寒さが続いていたが、この週末は一転して気温が急上昇。
強風が吹き荒れる中、キックオフの笛が鳴り響いた。

試合開始直後から、互いにキックとアタックを繰り返し、ボールがグラウンド全体を大きく動く展開に。深く攻め込んでは鋭いタックルで防ぎ、防がれる攻防が続く中、GR東葛の強靭なフィジカルにじわじわと押し込まれてしまいます。

先制点を奪ったのはGR東葛でした。前半5分、連続アタックを仕掛けられる中で、ディフェンスが片側に密集。
逆サイドの大きなスペースをキックパスで突かれ、そのままキャッチされてトライを許してしまいスコアは0-7。

先制を許したものの、ヴォルテクスもすぐに反撃します。連続アタックの中で相手のスペースを突き、14番・齊藤剛希選手が右隅へ飛び込む!

トライまで一気に加速する齊藤剛希選手【14番 ウイング】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

しかし、ビデオチェックの結果、ボールを置く寸前に相手のタックルを受け、足がタッチラインにかかってしまいトライは認められず。
惜しくも得点には繋がりませんでした。

一方、GR東葛のアタックを受ける時間が長くなり、さらに連続でトライを許す苦しい展開になり、前半だけで3トライを奪われ、点差を広げられてしまいます。

反撃を狙うヴォルテクスは、前半終了間際に一度トライを決めたかに見えたが、直前に味方同士が接触し、相手の邪魔をしてしまう痛恨のペナルティ。
これにより、またもトライが取り消しとなってしまいました。
何度も相手のトライラインまで迫るものの、得点に結びつけられず、波に乗れないまま前半のスコアを0-24と無得点で終えます。

ハーフタイムでは前半の反省と改善を共有し、後半で逆転をするために再び意識を整え、逆転への準備を進めます。

攻める方向を入れ替えて迎えた後半戦。
風向きも変わる中、エリアの取り方や攻め方に変化をつけつつ、前半終盤にGR東葛に出された、カードによる一時退場で数的有利な状況を活かし、まずは得点を奪って流れを引き寄せたいところです。

アタックを仕掛ける鹿子島良輔選手【17番 プロップ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

後半最初に得点を挙げたのはまたもGR東葛でした。後半8分、スタンドオフのドロップゴールが決まり、3点を追加。
スコアは0-27に。

一方のヴォルテクスは、相手の一時退場による数的有利をなかなか活かせず、得点を奪えないまま時間が進んでいきます。そんな中、ヴォルテクスのディフェンス裏を突くショートキックを相手に見事にキャッチされ、そのまま追加トライを許してしまい、さらに連続トライを奪われ、スコアは0-41に。

この日、ヴォルテクスの強みであるラインアウトモールは機能していました。むしろ確実にプレッシャーを与え続けていましたが、なかなかスコアには結びつかず。。
しかし、何度も挑戦し続けた結果、後半37分についにモールを押し切り、最後は2番・村川浩喜選手がトライを決めます。この試合でようやく初得点を挙げるも、逆転には時間が足りず。。

モールからトライを取りきった村川浩喜選手【16番 フッカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

最終スコアは7-48で敗れ、ヴォルテクスは前半戦を3勝4敗と負け越しで折り返すこととなりました。



《個人的見解と次戦に向けて》

GR東葛戦では、相手の持ち味であるアタックに対し、フィジカル面で受けに回る場面が多く見られました。また、ヴォルテクスの強みであるディフェンスを十分に発揮できず、逆に相手の強みを活かさせてしまう展開となってしまったこともあります。

スクラムを組むフォワード 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

試合を通じて感じたのは、"目の前の小さな勝負にこだわること" の重要性です。大きな結果を求めるあまり、一つひとつの局面をおろそかにしていては、本来の力を発揮することはできません。小さな勝負を積み重ね、それを繰り返すことで、最終的に大きな成果に繋がります。
そのためには、チーム全体がやるべきことを明確にし、必要な準備を整え、試合に臨み、実行することが不可欠です。前半戦7試合で得た経験を活かし、後半戦に向けてさらなる成長を遂げるべく、勝利への準備を進めていきます。

《今週の個人的Pick up Player》

今回私が選ぶPick up Playerは2人。

1人目は 中村元気選手(以下、中村選手)。強靭なメンタルを持ち、ここぞという場面での勝負強さは折り紙付き!足腰の強さを活かした低いプレーを得意とし、ラグビーも仕事もまさにハードワーカー。ヴォルテクスでは、なんと 私と“ふくらはぎNo.1”の座を競い合う 強靭な足の持ち主です。

2人目は 山田章仁選手(以下、山田選手)。GR東葛戦が今シーズンの復帰戦となった、頼れる 大ベテラン。その長年のキャリアと経験値がチームにもたらす影響は計り知れず。なのに、まだまだ 「若手?いや、俺も混ぜて!」 とばかりに貪欲に高みを目指すその姿。気がつけば、チーム全員が兄貴肌の山田選手に引っ張られています。

今回は、そんな中村選手と山田選手の2人にスポットを当てていきます。

まず最初に紹介するのは中村選手。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/300


佐賀県出身、佐賀工業高校からヴォルテクスに加入した中村選手。
ヴォルテクスに加入して13シーズン目になる選手です。

フッカーとしてチームを支える中村選手。彼のプレースタイルを一言で表すなら、「堅実な勝負師」とでも言うべきでしょう。
プレッシャーのかかる大事なラインアウトの場面でも、悪天候をものともせず、ピシャリと正確なスローイングを決める姿はまさに職人技。しかも、成功してもドヤることなく、涼しい顔で颯爽と次のプレーへ移る。
その姿を何度目にしたことでしょうか。

さらに、もともとフランカー経験もあるため、球際の嗅覚は抜群。
接点では低い姿勢から体の強さを活かしたプレーを連発し、相手に隙を与えません。スクラムでは、私が無理な要求をしても、「あ、いいですよ〜。自由に組んでください。」と、まるで先輩のような懐の深さで応じつつ、しっかりと力強く押し込んでくれる。
そんな彼の頼もしさには、いつも感謝しかありません。

そんな中村選手の普段の業務は、電線工事などを行う配電部門での仕事。
日々、電気の安全を守るスペシャリストとして活躍しています。繊細な作業を確実に、安全にこなすことは決して容易ではないはず。その積み重ねが、ラグビーでの強靭なメンタルを作り出しているのでは。
と勝手に推測しています。

さて、そんな彼の大好物はカツ丼。なんと、一時期は3日に一度のペースで「かつや」の「カツ丼松・大盛」をテイクアウトしていたほどの筋金入りのカツ丼愛好家。
カツ丼がメニューにある店では、迷わず注文するのが彼のスタイルです。

趣味・特技はゲーム全般。アクション系からレーシング系まで幅広くプレーする彼ですが、特に長年ハマり続けているのが「モンスターハンター」シリーズ。最近は新作が発売されたこともあり、時間さえあればモンスターを狩りに行っているのだとか。
もしかすると、オンラインの世界で彼を目撃することがあるかもしれません。

実は私も「モンハン」を長くプレーしていたので、その面白さはよ〜く分かります。
いつか一緒に狩りに行けたら面白そうですね。ラグビーでは相手のボールを狩り、ゲームの世界ではモンスターを狩る。そんな「ハンティングライフ」を楽しむ中村選手に、今後も注目です!



次に最初に紹介するのは山田選手。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/340



福岡県北九州市出身、小倉高校から慶應義塾大学へ進学し、その後数々のチームを渡り歩き現在のヴォルテクスに加入した山田選手。
ヴォルテクスに加入して3シーズン目になる選手です。

山田選手のポジションは主にウイング。
そのプレースタイルを一言で表すなら「閃きの魔術師」とでも言いましょうか。
独創的なプレーセンスと的確な状況判断で、試合の流れを変える場面を何度も目にしてきました。

そんな山田選手は、数多くの代表歴を誇り、2015年ラグビーワールドカップにも出場。
当時の優勝候補・南アフリカを撃破し、“ブライトンの奇跡”と呼ばれる歴史的勝利を演出、日本中をラグビー熱狂の渦に巻き込みました。さらに、サモア戦では伝説の“忍者トライ”を決め、再び日本中を沸かせたのは記憶に新しいところです。

その後もメディアでも活躍し、ヴォルテクス加入後はチームのジャージをまとって数々の番組に出演。
「あれ?この姿、どこかで見たことあるぞ?」と思った方も多いのではないでしょうか。2023-2024年シーズンには、日本ラグビー史上3人目となる通算100トライを達成し、現在はリーグ最多記録109トライ更新に向けて爆進中!まさに生けるレジェンドです。

そんな山田選手の趣味兼特技は、なんと「スケジュールを埋めること」。
しかも、それを滞りなく管理するのがまた得意なんだとか。「いろんな計画を立てて、それを実行するのが楽しい!」とのことで、日本全国を飛び回り、超人的なスケジュールをこなしています。さらに、長時間の移動も「全然苦じゃないし、あっという間だよ」とのこと。。
いや、それはもう時間の感覚まで違うのでは?

それだけではなく、4人のお子さんのパパ業もしっかりこなし、ヴォルテクスの練習にも全力投球。
むしろプラスアルファで自主練までこなすというストイックさ。
SNSでは日々の動向を発信されていますが、「一体どこにいるのかわからない。。」という声がちらほら。いや、正直に言います。聞こえてます。めちゃくちゃ聞こえてます。
本気で分身してるのでは?と思うほど、ラグビーも私生活も全力で駆け抜け、それを心から楽しんでいる山田選手。
もう尊敬しかありません。
私にも色々と教えてください。
そんな超多忙な山田選手ですが、今度、ご飯やコーヒーに誘ってみようと思います。…もしかしたら、本当に分身が来るかもしれません。笑
ラグビーに私生活に普及に全力投球の山田選手の活躍に今後も注目です!



《最後に》

次のリーグワン第8節は、3月15日(土)に福岡県にある「東平尾公園 博多の森陸上競技場」にNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)を迎え入れての対戦予定です。

第7節のGR東葛戦では悔しい大敗を喫しました。しかし、期間を空けずに再び彼らと対戦できる。つまり、リベンジのチャンスがすぐそこにある。
前回の敗戦から何を学び、何を変えるべきか。チーム全員がその答えを探し、覚悟を持って準備を進めています。この試合にすべてをぶつけ、勝利を掴むために。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

今シーズン4戦目となるホストゲームになります。
そして、ここは僕たちのホーム。皆さんの声援が、僕たちの力になります。ともに戦い抜き、歓喜の瞬間を迎えましょう!
会場で、熱い応援をよろしくお願いします!




『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!
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著者プロフィール

国内最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に所属するラグビーチーム。九州全域(全県)をフレンドリーエリアとし活動しています。

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