「元気だけは誰にも負けない」。L戸田の“ゲンキング”、初キャップへ
プラスのエネルギーを注入できるフランカーだ。誰よりも大きな声を出し、熱量を込めて、仲間を鼓舞できる存在である。
「トライを取られたとき、スクラムを組むとき、誰もが苦しいときこそ自然と声が出るし、それはもう自分の体に染み付いています。僕の思いとしては、自分が声を出したときにみんなに返してほしいということ。苦しいけれど、みんなで声を出してやっていこう、と」
そうやってお互いを鼓舞しながら戦う。だから、ラグビーはより楽しくなる。それが須藤の思いだ。試合後や練習後に喉がガラガラになるのは日常茶飯事。
徳重元気は「練習中に僕らがふがいないスクラムを見せたときには『もっとやれよ』とストレートに熱量をぶつけてくれるし、プロップからすればすごく大きな存在です」と目を細めた。
明和県央高校時代、1学年上のキャプテンに「お前は元気だから“ゲンキング”になれ」との指令を受けてから自分の武器を意識するようになり、習慣化した。日本大学時代も、L戸田に加入してからも、“声で周りを鼓舞できる”立場を譲ったことはない。
昨年の12月、リーグワン開幕直前に負傷し、ここまでリハビリに励んできた。その間、L戸田の仲間たちが奮闘する様子をスタンドから見守るほかなかったが、80分間、彼らを鼓舞する須藤の声が試合映像にも入り込んでいた。そんな須藤のレビンズ愛は周りにも伝わっている。「早く試合に出ろよ」「お前がいないとチームが静かなんだよ」そういった声が須藤にも届いていた。その声にも支えられ、須藤は試合に出られない苦しい時間を乗り越えてきた。
そして今節、ついにスタートのメンバーに名前を載せた。出場すれば、リーグワンでの初キャップとなる。
「試合に出られない期間が長かったし、僕は相当ラグビーが好きだし、ずっと試合に出たいと思っていたので、楽しみしかないです。元気だけは誰にも負けないようにやります。そして声だけではなく、プレーでも引っ張っていけるように頑張ります」
須藤が、連敗中のL戸田にありったけの元気を注入する。さあいくぞ、反転攻勢だ。
(鈴木康浩)
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