「頂点を、つかむ。」 マリーンズ戦記 4月1日 ライオンズ戦 サヨナラ勝ち

千葉ロッテマリーンズ
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【千葉ロッテマリーンズ】

 サヨナラ負けから始まった負の連鎖をサヨナラ勝ちで断ち切った。

 「最後は都志也かなと思いながら見ていた」

 井口資仁監督はベンチで信じて見守った。延長十回一死満塁。必死に繋いで塁上は埋まった。打席に佐藤都志也捕手が入った。

 「最後は決めてくれる選手」と指揮官。ルーキーイヤーにサヨナラ打を放つと2年目の昨年もクライマックスシリーズでサヨナラ打を放った。ミスターサヨナラ。なかなか点が入らない厳しい試合展開の中で、チャンスで絶好の男に回ってきた。お膳立ては整っていた。打球は高い弧を描いてライトに向かって舞い上がる。サヨナラ犠飛。苦しく歯がゆい連敗を4で止めた。本拠地ZOZOマリンスタジアムで今季初勝利を挙げた。

 「打つ方も含めてキャッチャーではない時にどこで、どうしようかと去年からずっと考えていた。外野なりファーストなり。キャンプから話はずっとしていた」と井口監督。

 今年は本来のポジションの捕手ではなく一塁での起用が多い。開幕も5番一塁でスタメン出場。佐藤都志也捕手を生かす起用をずっと模索していた中で出した答えだ。

 「ファームのゲームでは去年、かなりファーストを守らせた。サードスローもいい形でやってくれた。本人もずっと試合に出ている幸せを感じながらやってくれている」と指揮官は目を細める。

 サヨナラ犠飛だけではない。何度となく一塁守備でチームの窮地をしのいだ。バント処理で2度、三塁で走者をアウトにした。ワンバウンドの送球も目一杯、足を広げて必死にアウトにした。背番号「32」の気迫がチームを勝利へと導いていった。

 「都志也がやってくれた。攻守において素晴らしい。本当に頼もしい男」
 
 試合後の記者会見で井口監督は最高の賛辞を送った。そして「今日の勝ちでしっかりと切り替えられる。今日は自分たちらしい野球が出来た」と少しばかり安どの表情を見せた。

 開幕戦を快勝スタートしながら、まさかの4連敗。僅差のゲームを落とした日々が続いた。苦しかったが逃げなかった。なにが悪いのかを反省し分析し、前を向いてきた。逆境とは逃げれば逃げるほど追いかけてくるものだ。立ち向かえば嫌な事、辛い事、苦しいことは不思議と少なくなっていく。苦労したことが良い想い出に変わっていく。マリーンズは開幕勝利後、4連敗をした。ただ、この悔しさが自分たちの本来の野球がなにかを見つめ直すキッカケとなった。「頂点を、つかむ」。シーズンが終わった時、苦しかった日々を笑って振り返られる時がくる。
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