「アイシテル“事故のない”ニイガタ」新たな地域貢献の形

アルビレックス新潟
チーム・協会

【©ALBIREX NIIGATA】

ちょっと変わった交通標語

【©ALBIREX NIIGATA】

今年の春から、新潟市内の道路を中心に設置されている交通情報板の電光掲示に、一風変わった交通標語が掲出されるようになりました。これまでも、交通情報板には道路状況のほか、安全な車間、落ち着いた運転や、シートベルトの着用を啓蒙する標語が掲出されていました。そのメッセージに、明治安田生命J2リーグを戦うアルビレックス新潟を象徴する言葉が練りこまれるようになったのです。

交通安全でホームタウンに貢献

島田譲選手が起用された反射材に関する啓蒙ポスター 【©ALBIREX NIIGATA】

きっかけとなったのは、新潟県トラック協会と新潟県警察本部、アルビレックス新潟が共同で取り組む交通安全活動でした。過去にも同様の活動を行っていましたが、今年は、夜間に遠くからでも歩行者を発見しやすくする夜光反射素材の普及と広報をテーマに実施。クラブエンブレムをモチーフにした反射材ストラップの制作と、チームのキャプテンの一人である島田譲選手を起用した広報ポスターの展開に取り組んでいます。9月25日に開催するヴァンフォーレ甲府とのホームゲームでは、先着1万名へストラップを無料配布。ストラップは、サッカーの普及活動とともに、幼稚園や保育園の児童にもお渡しします。

かねてより有効な交通情報板の活用と、より多くの方々に交通標語を届けたいと考えていた新潟県警察本部では、この交通安全活動を念頭に、情報板でアルビレックス新潟に絡めた標語の掲出が始まりました。

Twitterから生まれた「あるベルト」

【画像提供:新潟県警察本部】

交通情報板の設置が新潟市内中心であるため、広く県内に交通標語を普及すること、また、SNSを利用する世代にもメッセージを届けることを意図して、新潟県警察本部のTwitterアカウントから交通情報板の内容を発信。これに、多くの反応が寄せられたことから「#アイシテル事故のないニイガタ」のもと、ファン・サポーターからの標語が募集されることになりました。寄せられたアイディアのなかから選ばれたのが、トップチームのアルベルト・プッチ・オルトネダ監督とシートベルトをかけた「さあいこう胸にいつもあるベルト」と「我が命守るためにあるベルト」。この2つが掲出されると、SNS上はさらに盛り上がりを見せ、アルベルト監督も自身のアカウントでリツィート。ファン・サポーターの力によって、交通標語はより多くの方の目に留まることになりました。

「活動」ではない地域貢献

早川史哉選手は新潟市のワクチン接種広報に協力している 【©ALBIREX NIIGATA】

クラブはこれまでも、様々な社会的な課題についてホームタウンの行政や各種機関と協力して、解決に取り組んできました。いずれも、主な活動はクラブや選手たちが地元で認知されていることを生かした、ポスターの掲出やグッズの配布が中心となっていました。この交通標語のように、スローガンやチャント(応援歌)の一節などを地域共通の言葉として扱ってもらい、ファン・サポーターが中心となってそれが拡散していく様子は、長くホームタウン新潟と共に歩んできた一つの成果であると同時に、「活動」ではない地域貢献の形としてプロサッカークラブが持つ可能性が示されたと言えます。クラブチームとは、運営会社やチームだけを指すのではなく、ファン・サポーターも含めた存在であり、アルビレックス新潟は新潟県のクラブチームとしてファン・サポーターやパートナーと共に、これからも様々な地域貢献の形を模索していきます。
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著者プロフィール

アルビレックス新潟は新潟県をホームタウンとするJリーグクラブ。1996年に創設し、地域リーグやJFLでの戦いを経て、1999年にJリーグに加盟。2003年J2リーグ優勝。04年から17年までの14シーズンに渡りJ1リーグを舞台に戦ったが、同年にJ2へ降格した。20年からはスペイン人のアルベルト監督が指揮を執り、攻撃的で魅力的なサッカーを展開。過去にJリーグの最多入場数の記録を更新したほどの熱いサポーターとともに、再びJ1の舞台を目指して挑戦を続けている。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。

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