ロッテ石垣島キャンプ日記 最終回 キャンプ打ち上げ編

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【井口資仁監督】

 出発の日を迎えた。井口資仁監督はバスに乗り込むと窓から外の景色をずっと見つめていた。綺麗な海岸が広がっていた。空も海も青く美しかった。

 「いい練習が出来た。みんな、みっちりと身体を作ってくれた。このキャンプでやってきた成果を明日からの練習試合では出して欲しい。若い選手たちが実戦でどういうアプローチをしてくれるか楽しみにしている」

 2月1日から始まった石垣島でのキャンプを振り返り、そして頭の中はすでに次なるステージへと向けた。振り返ると晴天に恵まれたキャンプだった。紅白戦が行われる予定だった2月11日こそ雨天となったが、それ以外は快晴の中、汗を流した。例年、雨に見舞われることも少なくない中で異例ともいえる晴天続きだった。

 「大体、毎年、半日ほど雨でメニューをつぶすことが数日、続くことがあった。そんな中、今年は完璧な天気だった。恵まれたキャンプだったね」と井口監督。空に感謝し、手ごたえを口にした。

 「この1点を、つかみ取る。」。2021年のマリーンズのチームスローガンである。1点を大切にし、1点でも多く点をとり、1点でも少なく抑える。その想いを全員が腹落ちし共有し戦う。明日13日から始まる実戦では1点に対する姿勢を見つめ直し、細かい野球を追い求めることになる。

 「1点をどういうふうに防ぎ、1点をどう奪うか。バントだけが選択肢ではない。色々な作戦を活用し、貪欲に1点を狙いにいく。1点とったら、さらに1点を奪いにいく。特に競った場面でどういう形で1点をとにいくかを実戦の中でしっかりと作り上げていきたい」

 キャンプ最終日の朝。晴れ間が広がる中、霧のような雨が舞った。なんとも不思議な現象だった。指揮官が球場につくと今度は虹が出る。コーチ陣と話し合いをする真後ろに虹が広がった。井口監督は横目で虹を確認するとニヤリと笑顔をのぞかせた。
 
 石垣島キャンプは打ち上がった。明確な方向性を示したチームスローガン。そして選手たちの仕上がり、状態の良さ。心は一つとなっている。最高の機運の中、2021年のマリーンズはキャンプ地石垣島を離れた。チームの新しい形を見せる時が来た。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章

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