キャンプ３日目は二軍を視察に行くと決めていた。晴天となった２月３日。二軍球場に井口資仁監督の姿があった。鳥越裕介二軍監督ら首脳陣と打ち合わせを行い、若手に混じって調整を一任されているベテラン勢の動きを注視した。

　「ベテランの動きも良かったね。どの辺りで合流させようかなど考えながら見ていた。優勝するためには若手の底上げが必要だけど、もちろんベテランの経験と力が必要。彼らがやってくれないことには優勝は出来ない」

　鳥谷敬内野手を筆頭に中堅、ベテラン野手は基本的に二軍である程度の自己調整を認められている。その中でしっかりと自分と向き合い、オープン戦に向けて着実に準備を進める選手たちの姿が頼もしく見えた。

　一方で一軍キャンプのチャンスをもらった若手にとってはアピールの場にはタイムリミットがあることになる。調整を終えた中堅、ベテラン選手たちは必ず一軍に合流してくる。それまでにどれだけの存在感を示すことが出来るか。定位置を奪うぐらいの気概があっていい。指揮官が望むのは、この期間での想像を凌駕する若手の台頭である。

　「一軍でチャンスとなっている若手がどれだけアピールできるか。この機会を逃すまいとしがみついてくれるか。そういうのを見せて欲しい。ベテラン選手が帰る場所がなくなるかもしれないと焦るぐらいのものを期待したい」と井口監督。

　今回の春季キャンプでは３年目の山口航輝外野手を一軍に大抜擢した。そして今回の二軍視察で目に付いたのがルーキーの西川僚祐外野手（東海大相模）だ。「紅白戦でDHとかで使って見たくなるね」とニヤリ。若手、中堅、ベテランと多種多様な駒が揃うマリーンズ。果たして、どのように振り分けていくのか。嬉しい悩みは尽きない。

文　千葉ロッテマリーンズ広報室　梶原紀章