マリーンズ広報のよもやま話 第17話 サウナ編

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【千葉ロッテマリーンズ梶原 紀章広報メディア室長 撮影 加藤夏子】

 サウナが好きだ。プロ野球の世界に入って好きになった。好きな人は本当に多い。一番最初に興味を持ったのは阪神タイガース担当記者時代の2001年。高知安芸市の安芸キャンプでの事。宿舎内の大浴場でのんびりしているとベテランの成本年秀投手が入ってきた。そしてサウナに誘われた。キャンプ休日の事だった。

 「休前日は飲む。そして休日はサウナに入って飲んだ酒を汗で出して、その後はゆっくりする。それが最高なんだよ。ハハハハハ」と豪快に笑いながら話してくれた。当時、24歳だった私にはその姿がとても大人ぽく、カッコよく映った。そして今でも休みの日にサウナに行くとその事を思い出す。

 今、私は週に5回はサウナに入っている。石垣島での春季キャンプ中は基本的に毎日、宿舎内のサウナに入る。サウナ仲間は西野敬一軍マネージャーと田原大樹通訳、影石言光アスレチックトレーナーなど。みんな遅くまで仕事をしているのでサウナに集合をするのは早くても22時。遅ければ23時となる。

 サウナが体にいいかどうかは正直、分からない。でも気持ちいいのは間違いない。特に最高なのはサウナから上がって水風呂に入る瞬間だろう。サウナと水風呂はセット。サウナに7分。そして水風呂。これを3セット(これを私は市川海老蔵流と呼んでいる。なんかの雑誌で市川海老蔵さんがそう言っていたからだ)。だからサウナがあっても水風呂がない施設はそこまで好きではない。交代浴と一緒だが、すごく気持ちがいい。

 仕事のアイデアがサウナに入っている時に出ませんかと質問されるが、正直あまりない。どちらかというと無心。あまりなにも考えないで済むのが最高なのかもしれない。普段はほとんどスマートフォンを手放せない仕事をしている。マスコミからの問い合わせの電話がいつ来るか分からない。球団から情報発信に関する様々な問い合わせや相談、指示もくる。監督、選手たちからいつ何時、連絡があるかもわからない。そしてネット社会の今日は野球界で今、どんな情報が流れているか?千葉ロッテマリーンズの情報はちゃんと伝わっているのか?そんなことが気になって四六時中、スマートフォンで情報をチェックする。しかし一度、サウナに入るとスマートフォンは持ち込めない。だから開き直れる。電話もメールもSNS情報からも隔離される。裸の自分とタオルが1枚あるだけ。サウナという空間の中で、黙々と過ごすしかない。それがいいのだと思う。サウナに入っている時に仕事の電話があった時はもう素直に「すいません。サウナに入っていました」と謝るようにしている。

 そうやって気持ちをリセットして、一度、頭を真っ白にしてまた立ち上がる。きっと多くの人たちは同じような想いなのだと思う。だから私は今日もサウナに入る。スマートフォンをロッカーに置いて、その時だけはすべてを忘れて汗を流す。英気を養う。

文 千葉ロッテマリーンズ広報メディア室 梶原紀章
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