目指すは最強の「5ツールプレイヤー」 西武ドラ2・渡部聖弥、広角打法を武器に新人王へ
実戦に入りアピールを続ける埼玉西武のドラフト2位・渡部聖弥選手。まずは開幕一軍入りに向けてひた走る渡部選手が目指す選手像は、ズバリ走攻守揃った「5ツールプレイヤー」。捲土重来を期すチームのキーマンはこの選手かもしれない。
――大学時代に比べて体が大きくなったように見受けられます。
体重自体はすごく増えたっていうわけでもないんですけど、最近は細かいトレーニングに取り組んでいるので、少し筋肉が大きくなったのかなと思います。
――ライオンズの雰囲気には慣れましたか?
はい。初めて会う同期、先輩で入寮時はすごく緊張しましたが、いろいろと声をかけていただき、今はもう慣れてやりやすい環境です。同期では大卒の林冠臣と佐藤太陽、佐藤爽と一緒に練習したり話したりしています。佐藤爽は星槎道都大学出身で、お互い3年生のときに対決したことがあり、そこからの仲です。先輩では特に外野手で一緒の西川愛也さん。守備でもバッティングでも声をかけていただき仲良くしてもらっています。
――若獅子寮はいかがでしょうか。
寮のすぐ隣に室内練習場があって、練習環境が整っているので、食後でもいつでも練習ができるし、寝る前にバットも振れるし、本当に野球をするのに良い環境で、ますますやる気が出る施設だと思います。
――初めての個人部屋ですか?
広陵時代は2人部屋で宗山(塁/東北楽天)と同部屋、大商大(大阪商業大)ではひとり暮らしでした。個人部屋は快適ですね。
――初めてのキャンプを振り返ってください。
初めてづくしで第1クールが本当に長くて。特に先輩とのコミュニケーションや、練習の流れがなかなかつかめなかったのですが、日が経つごとに先輩方も話しかけてくれるし、いろんな人が流れとかも教えてくれるので、第2クールからは充実した時間になりました。
今回のキャンプは、一軍で1年間戦い抜く体力と技術力を身につけるという目標を持って挑みました。技術力の面では特に基礎を体に染みこませる。大学時代も取り組んでいたことですが、このプロの世界に来て、先輩方のひとつひとつのプレーで基礎や土台がしっかりしていると実感したんです。外野の守備で言うと、西川愛也さんの落下地点まで一直線で無駄がない動きとかが、自分に足りていないなと気づいて。特守でも一緒の班にしてもらい、見て真似しながら詰めていきました。
――プロに来たなと実感した出来事はありますか?
自主トレでファンの方々の前を通った際に「渡部選手!」と声をかけてくれたとき、実感が沸いてきました。
――ライオンズのファンは特に熱いファンが多いので、よく見てくださるファンが多いですよね。
はい、そう思いました。
――大学日本代表のインタビューで「5ツールプレーヤーを目指したい」と言っていたと思いますが、走攻守へのこだわりについて教えてください。
負けず嫌いな性格なので、野球をするうえで打てるけど走れないとか、打てるけど守備はダメだとか、守備はできるけどバッティングはダメだなって言われないようにしたいです。欠点がないって思われるような選手になりたいと思っていたんですよね。そういう面をクリアした選手が「5ツールプレーヤー」って最近言われることが多いので、そういったプレイヤーを目指したいです。
――それを目指すうえで、伸ばしたいスキルは?
今のところ守備・走塁の部分ですね。バッティングって派手に飛ばしてみたり、みんなが好きなことでもあると思うんですけど、守備・走塁となると地道な練習も多くなってくるので。それらをしっかり積み重ねて、先ほども話したように落下地点までまっすぐ行くとか、そういった土台をしっかり固めていきたいです。
自信があるのは、やっぱり打撃。広角に長打を打つことができることがアピールポイントで、特に逆方向の打球を見てもらいたいです。