【柳ケ浦】泥臭く粘り強い「ジャガイモ軍団」 20 年ぶりの甲子園(大分県)
3点差以内の接戦制して九州4強入り
鈴木聡監督は関東学院大の監督などを経て22年に就任。今年のチームは「(選手たちが)どんな場面でも力を発揮できるようになってほしい」という願いを込め、さまざまな料理で活用できる食材にちなんで「ジャガイモ軍団」の愛称をつけた。
願いの通り、ユーティリティーにあふれるプレーヤーが多い。特に昨秋8試合に登板した杉本羽輝投手や、6試合登板の宮城介選手は野手として打線の中軸も務め、柔軟な継投を支えている。また、選手だけでなく、マネジャーの大学雄斗さんはノックを打ち、ブルペン捕手もこなすなど、練習で八面六臂(ろっぴ)の活躍をしている。
秋のチーム打率は2割5分2厘で出場32校中31位。雨で3日間日程が延長された昨秋の九州大会で、選手たちは水を含んだグラウンドで土にまみれつつ、犠打など小技も絡めて3点差以内の接戦を制し、4強入りした。泥臭く、粘り強い野球は、いかにも「ジャガイモ軍団」らしい。
20年ぶりの甲子園をつかんだ選手たちの特色
田原主将は3月6日のキャプテントークで、チームの独自練習として「バットランニング」を挙げた。バットを両手に持って、上げながらランニングする練習で、上半身と脚力を同時に鍛える「結構キツい。昔からやっている」という。
選手20人全員が「家族や友人」がきっかけで野球を始めたと回答。宮城選手は、祖父の兄弟が興南(沖縄)で1968年の夏の甲子園に出場。現同校監督の我喜屋優さんが主将を務めて沖縄勢初の4強入りを果たし、「興南旋風」を巻き起こしたチームの一員だった。
将来の夢は「スポーツ関係の仕事」が6人で最多。プロ野球選手は宮城選手ら2人だった。