ドジャースのリポーター・ワトソンさんが語る日本の印象 山本由伸と交わした約束と佐々木朗希の印象とは?

丹羽政善

「機嫌が良ければやってくれるかも」

 さて、ワトソンさんにはこれまで、何度も大谷翔平や山本の印象を聞いてきたが、1月に行われた入団会見では、佐々木朗希に独占インタビューもしている。そのとき、またキャンプインしてからの印象を聞くと、「いまはものすごく集中して練習していて、謙虚な印象を受ける」と話した。

 ただ同時に、彼の戸惑いを肌で感じている。

「いろんな新しい人たちに会って戸惑っている面もあると思うし、新しい文化や米国に適応しようとしているようにも見える。同時にいろんなことが起きていて、そこに慣れようとしている感じがするわ」

 勝手がわからない初めてのキャンプ。練習のペースも掴めない。滑るボール、ピッチクロック、ピッチコム。アメリカという環境。日本との文化の違い。食生活。何より、多くを期待されている。その注目に応えられるのか。

 しかし、「必ずメジャーに残るんだという強い意志というか、決意を感じる」とワトソンさんは話した。

 最後に大谷についてーー。印象に残ったことをいくつか話してくれたが、彼女はデコピンの始球式もその一つに挙げた。

 このキャンプにワトソンさんは、愛犬を連れてきており、あなたの愛犬にはできますか? と聞くと、「無理ね。そこまで訓練されていないわ」と苦笑しながら答えた。

「ボールを取りに行くことはできると思うけど、私のところに戻ってくるかどうか。練習すればなんとかなるかも知れないけど」

 ――けど?

「機嫌が良ければやってくれるかも」

 山本だけではなく、他の選手もワトソンさんのお願いなら喜んで応じる。しかし、愛犬となると、どうも思うようにいかないようでーー。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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