山口すず夏、政田夢乃ら今季注目の若手プロを数多く輩出 中嶋常幸プロ主宰“トミーアカデミー”の指導とは

北村収

国際的な経験は若い世代にとって大変有効

『第4回セランゴール国際ジュニアゴルフ選手権2025』に出場し、男子チーム、女子チームとも優勝を果たしたトミアカデミー生 【写真:北村収】

 海外経験の重要性を説く中嶋プロは、かつてアカデミー生をマスターズに帯同し、世界最高峰の舞台を見せたこともある。今年は、トミーアカデミー生でチームを組み、マレーシアの『第4回セランゴール国際ジュニアゴルフ選手権2025』に出場した。

「国際的な経験は、選手にとって大きな財産になる。日本とは異なる芝や気候条件の中で、環境への適応力を養うことができた」と中嶋プロ。連日のスコールにより、固くなったり柔らかくなったりと変化する地面に対応する技術も求められた。

 アジア各国から男子19チーム、女子13チームが参戦した大会で、日本チームは男女とも2位に大差をつけて優勝。実戦の中で得た経験は、今後の成長に大きく活かされるはずだ。

山口すず夏ら、アカデミー出身の若手が女子開幕戦に多数参戦

 3月6日開幕の「ダイキンオーキッドレディス」には、トミーアカデミーの卒業生が多数出場する。その一人が山口すず夏。2015年には14歳で全米女子オープンにアマチュアとして出場し、2019年からは米国女子ツアーに参戦していた。昨年、日本のプロテストに合格し、今季が国内女子ツアーではルーキーイヤーとなる。このオフには静ヒルズカントリークラブで合宿を行い、中嶋常幸プロからショットやメンタルについての指導を受けた。「JLPGAツアー(国内女子ツアー)での優勝が最大の目標。まずは試合ごとに上位をキープし、来季の出場権を獲得したい」と意気込む。

オフには中嶋常幸プロと合宿を行った山口すず夏 【Photo by Atsushi Tomura/JLPGA via Getty Images】

 また、一昨年のプロテストに合格し、昨年はレギュラーツアーで2位タイに入った経験もある政田夢乃も、今季レギュラーツアーの出場権をかけたQTで9位に入り、今季ツアー前半戦の出場権を獲得。「2025シーズンは初優勝を挙げることが目標」と話す。

初優勝が目標と話す政田夢乃 【Photo by Atsushi Tomura/Getty Images】

 昨秋のプロテストに合格した7人の選手の中で、QTで最上位に入ったのは入谷響。ランキング18位の資格で開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」に出場する。
 さらに、レギュラーツアー優勝経験がある蛭田みな美と小滝水音、ステップ・アップ・ツアーで優勝を果たしている安田彩乃、さらには山路晶、上久保実咲らのトミーアカデミー卒業生が開幕戦に参戦予定だ。

開幕戦に出場する入谷響 【Photo by Atsushi Tomura/JLPGA via Getty Images】

ステップ・アップ・ツアーにも期待のトミーアカデミー出身若手が多数

 2部ツアーであるステップ・アップ・ツアーにも、トミーアカデミー出身の注目選手が多い。昨秋のプロテストに合格し、ステップ・アップ・ツアーが今季前半戦の主戦場となる中村心は、2月26日に実施された国内女子メジャーの「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の予選会で上位2名に入り、5月に開催される本戦の出場権を獲得した。「シーズンを通じて戦い抜く体力をつけるため、オフはトレーニングに励んでいる」と今季の準備は万全。数少ないレギュラーツアー出場で上位に入り、後半戦ではリランキングでのレギュラーツアー出場を狙う。

国内女子メジャーの予選会を突破した中村心 【Photo by Yoshimasa Nakano/JLPGA via Getty Images】

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 さらに、昨秋にプロテストに合格した六車日那乃、都玲華、前田羚菜、平塚新夢なども、今季の前半戦はステップ・アップ・ツアーが主戦場に。プロとしての初優勝を目指すとともに、リランキングでのレギュラーツアー出場を狙う。

 14年目を迎えたトミーアカデミー。今季はここからさらに、多くの才能が羽ばたいていくに違いない。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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