“Bs-1グランプリ王者”「滝音」が語るオリックス愛 新監督と危機感を持った選手、ニューヒーローへの期待
新監督と留任ヘッド、選手たちの危機感
そしてやはり秋元が気になるのは、オリックスだ。リーグ3連覇に導いた中嶋聡監督の退任を悲しみながらも、新たにチームを率いることになった岸田護監督への期待感を高めている。
「やっぱ、中嶋監督が辞めるっていうのは、むっちゃショックやったんすよ。5位やったとしても監督に落ち度があるようには見えんし、チームを3連覇に導いた監督ですから。でも誰が監督やるんやろって思ってたら、岸田さんになるって聞いて、すごい嬉しかった。むっちゃいい人なんですよね、岸田さんって。ただ優しいというのではなくて、兄気分みたいな感じで、本当、選手みんなに慕われてる。だから岸田さんを胴上げしたいってことで、チームがまた団結するんじゃないかなって思うんです」
岸田監督の義理堅く、情に厚い人柄とともに、チームに残った水本勝己ヘッドコーチの存在と選手たちの“危機感”にも期待している。
「水本さんは、ホントできる人。中嶋さんが辞めたときに水本さんも出ていくんやろうなって思ったら、チームに残るってなって。じゃあ、大丈夫だろうって思った。それぐらい有能なヘッドコーチやと思う。それにやっぱり去年は、それまで3連覇していて“今年も行けるやろう”っていう空気感がファンの中にもあった。でも今年は違う。選手たちも去年の反省から、今年は危機感を持ってやってると思いますし、戦力は強いまま、危機感を持って今年に臨んでる。だから今年はいけるんじゃないかなって思う」
今季注目したい選手は?
「投手陣では、宮城投手ですね。去年はシーズン最終戦で好投したけど降雨コールドになって、あとちょっと規定投球回に届かなかった(残り1回1/3イニング)ですし、2ケタ勝利も逃した(7勝9敗、防御率1.91)。その悔しさがあるんで、今年はさらに成長したピッチングをしてくれるんじゃないかと思う。打線では頓宮(裕真)選手ですね。去年は大不調。契約更改のときに『ホームラン狙っていきます』みたいなことを言ったときから一抹の不安があったんですよね。でも今年は原点回帰するということを言っていますし、また活躍してくれるはずです」
ソフトバンクは優勝争いの強力なライバルであり、日本ハムもチームとして着実にレベルアップした。だからこそ、昨季5位からの巻き返しを狙うオリックスとしては、さらなるチーム力アップへ向けてニューヒーローの出現、ブレイクも必要になるだろう。
「ドラフト1位の麦谷(祐介)選手は、もうなんか目がすごいギラギラしてるんすよね。糸井(嘉男)選手とか吉田正尚選手とかにも共通するような顔付きをしているのでやってくれるんじゃないかなと思う。あと、4位指名の山中稜真にも注目したい。福良GMになってから完全に高校生を中心に育成を重視したドラフト指名を続けて社会人の野手は獲らないみたいな話やったんですけど、山中選手は社会人(三菱重工East)。だから相当すごいんじゃないかなって思ってます」
オリックスの宮崎での春季キャンプも終盤に突入し、2月22日からはオープン戦が始まる。果たして、オリックスのV奪回なるか。「まぁ、Aクラスは確実に入る」と言い切る秋定。選手たちの情報を搔き集めながら、試合結果に一喜一憂し、チームに惜しみないエールを送る日々が、今年も始まる。
(取材・文:三和直樹)