U-17W杯出場、トップチーム昇格、海外挑戦…横浜F・マリノスユースの注目4選手それぞれの思い
MF浅田大翔(2年、180センチ/77キロ)
昇格を目標にユースでやってきたので、1年早く昇格させてもらって自分としても嬉しいです。でも、こんなところで満足していたらダメなので、自分と向き合って何が足りないのか、できたことを一試合一試合振り返りながら上を目指していかないといけないと思います。学校のこともあるのでどうしようか迷ったのですが、自分の意志では早くプロ入りして羽ばたいていきたいと思ったので、この決断をしました。
――トップチームで活動する機会も増えたと思うけれど、手応えはどうだった?
ユースだと練習でのスピード感があまりないんですけど、トップの方だと声かけとかを含めて、一つ一つの球際であったり、一人一人が強くて、全員がうまいからその中に混じってやるのは大変です。まだ難しいですけど、最初よりは慣れてきて、自分を少しずつ出せているかなと思います。(トップチームで)2試合出場して、やれない環境じゃないと思えたけれど、ダメなところもいっぱいあるので、そこを振り返って上に行きたいです。
――中学の時は前めのポジションではなかったんだよね。
中2の時はちょっと前の方もやっていたんですけど、中3でまたボランチに戻りました。その後、高1の時に突然、ケガ人が出て右ウイングで出ました。その試合の後から、縦突破の練習をしたり、田島(一樹)コーチからは相手に向かって仕掛ける動きも教えてもらったりして、本当にウイングとしてやっていくのかなと思いました。ボランチも楽しいですけど、ウイングは相手と駆け引きをしたり、どんどん仕掛けられて楽しいです。
――U-16代表でのプレーはどうだった?
代表では自分が結果を残すことを意識していて、(廣山望)監督からも結果を残せと言われて。自分としては特徴は出せたかなと。
(代表に呼ばれるようになって)最初は緊張してたんですが、代表に行くにつれて慣れもあって前回の大会からは監督から中心になってチームを引っ張っていってほしいと言われました。自分に求められていることをやるしかないので、声やプレーでチームを引っ張っていこうと思っています。
――U17アジアカップ予選では、点をとってドリブルでぶち抜いてシュートもあったし、手ごたえがすごくあったのでは?
初戦(ネパール戦)は最初に1失点して、ちょっとやばいなと思ったんですけど、落ち着いてそこからは試合を運べて、点も取れて、1点目は自分の特徴みたいなゴールだったので自信もつきました。
――25年はアジア最終予選や突破すればU-17W杯もあって、W杯は海外のスカウトもたくさん見ていると思う。当然そこでも結果を残すことを考えている?
自分が中心であることは理解しているし、引っ張っていかないと勝てないと思っているので、前の選手も後ろの選手も、全員自分が引っ張っていくという気持ちで一戦一戦臨みたいです。自分の特徴をどんどん出して海外でプレーしたいので、そこを目標にプレーします。
――参考にしている選手は?
前田大然選手(セルティックFC)です。あの献身性はやっぱり憧れます。
――トップチームでの目標は? トップでは外国人選手とも競争していかないといけないと思うが。
常に声をかけて、先輩にも遠慮なくどんどん要求して自分を出せる環境をまずは作っていかないといけないと思っています。もっと上に行けるように意識したいです。本当に(アンデルソン・)ロペス選手はうまくて、でもロペス選手にはなくて、自分にある特徴もたくさんあると思うので、そこを出しつつ、自分が足りないところを伸ばしていきたいです。
代表でもF・マリノスでも、将来A代表でも、自分が中心になってプレーする、世界で羽ばたいていくことが目標なので、きつい時でもそれを頭に浮かべて毎日進んでいきたいです。
――自分のこういうプレーを見てほしいなど、アピールポイントは?
味方が持った時の裏抜けやタイミングを取って裏に抜けたりなど、ボールを受けて周りの特徴を活かすプレーが自分の特徴だと思う。2列目からの飛び出しもどんどんやって得点に関わっていきたいです。
DF藤井翔大(1年、178センチ/76キロ)
勝ちなしというところで(編集部注:U-16スペイン代表、バレンシアと対戦。1分け2敗)、課題もいっぱい残ったところもありますし、相手がスペインなので学ぶことはすごく多かったです。
基礎のところで止める蹴るのレベルが全然違うし、たとえばバウンドしてきたものをトラップするにしても、足元で止まるか止まらないかでその後の展開が大きく変わってくる。まずはそういうところ(の差)を感じたのと、あとは体のぶつけ合いとか球際の部分で、 日本だとボールに先に行っちゃうのが、あっちでは先に体を当てて自分のスペースを作ってからというのがすごくうまかったので、そこは見習っていくべきところなのかなと思います。
(相手の)サイドバックがすごく個で打開できる印象が強くて、はまったとしても自分で剥がせる。そこが1番良かったというか、世界でやるにはそれも必要なのかなと感じました。
――自分自身のプレーはどう振り返る?
攻撃が武器だと思っているので、そこの部分ではロングフィードを出した部分が多かった印象で、逆に守備でいうとサイドハーフの外国籍の速い選手と対峙(たいじ)したのもあって、距離感がまだまだ甘いなと思いました。
――24年3月のフランス遠征から代表の常連になっていったが、感触はつかめた?
遠征を重ねるごとにつかめていった感覚はあります。かなり自信にもなりますし、代表でやったこともF・マリノスで自信をつけてできるようになりますし、すごく良かったと思います。
一番変わったのはコーチングです。F・マリノスではセンターバックが多いので、いろいろと指示を出さないといけない。一番しゃべらないといけないし、しゃべらないと守れない。ミーティングの時とかにしゃべりが少ないところがあったので、そこは成長できたかなと思います。
――F・マリノスユースでは24年シーズンは最後、悔しい終わり方をしたと思う(プレミア昇格プレーオフ決勝で敗れる)。今年を振り返ると?
この一年の目標としてプレミアリーグ昇格というのがあった中で、プレーオフに行けたのは良かったですが、最後の粘り強さの部分が足りなかったと思います。 (個人としても)声の少なさも自分で感じましたし、相手にボールを持たれる中で、一発変えるような声かけやプレーが少なかったかなと。
今年(24年)から代表に選ばれたり、個人としてはポジティブなところはあったんですけど、最後に勝てないと意味がないし、来年につなげるという意味ではめちゃめちゃ悔しかったです。
――来年の開幕に向けて変えたいところ、強化したいところは?
体づくりの部分が一番大きい。スピード、瞬発力が足らないと思っているので、そこも数値的に見て上げていくのが一番、オフ期間にやろうと思っているところです。代表とか国際試合でスピードが足りないなと感じたので、やろうと思います。
――25年はU-17アジア最終予選があって、突破すればU-17W杯もある。そこへの思いは?
アジア予選で出た課題として、詰めの甘さとか、浮き球の処理というのは痛感しました。絶対やってはいけないミスもあったので、そこだけはやらないように意識したいと思います。 一発で行かれるのはアジアの一番怖いところだと思うし、しっかり崩されるよりも後悔が残るので、詰めの甘さを出さないように準備していきたいと思います。
――横浜F・マリノス一筋ということで、トップチームに上がりたい、プロになりたいという気持ちも強いのでは?
一番強いと思います。ずっとF・マリノスで、試合も見てきましたし、夢の舞台です。(そのためには)全体的には守備の部分でカバーリングを含めて選手としての総合力を高めるところが、トップにいく上で大事だと思います。 ビルドアップの部分は自信を持っていますし、通用すると思います。
(目標にしている選手は)トップチームだと畠中(槙之輔)選手(編集部注:25年シーズンよりセレッソ大阪へ移籍)。ビルドアップがうまいですし、選手としての総合力が高いと思います。小さいころから畠中選手をずっと見てきたので、一つの基準かなと思います。
(海外チームだと)一番見ているのが(ヨシュコ・)グバルディオル(マンチェスター・シティ)。ずっと追いかけていて、グバルディオルはセンターバックもできるし、サイドバックでもプレーしているし、一番参考になります。(将来的には)プレミアリーグでプレーしたいです。一番はシティに行きたいんですけど、プレミアに行けばシティと戦えることもあるので、プレミアリーグに行くことを目標にしています。
――自分のこういうプレーを見てほしいなど、アピールポイントは?
局面を変えるサイドバック/センターバックとして見てほしい。安定したビルドアップと、パスのサイドチェンジとか、一発背後で得点を取るとか、見ていて面白いセンターバックですかね。