「どん底まで落ちて、這い上がってきた“9年間の集大成”を見せたい」前回と同日、同じ場所で9年越しの雪辱を誓う! IWGP世界ヘビー級王座に挑む後藤洋央紀選手に直撃インタビュー!!

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【新日本プロレスリング株式会社】

『ナッツRV Presents THE NEW BEGINNING in OSAKA』2月11日(火・祝)大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で、IWGP世界ヘビー級王者のザック・セイバーJr.選手に挑戦する後藤洋央紀選手に直撃インタビュー!

撮影/タイコウクニヨシ

<大会情報>
■『ナッツRV Presents THE NEW BEGINNING in OSAKA』
2月11日 (火・祝) 13:30開場15:00開始 ※第0試合は14:30開始予定
大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
【再入場不可】
※チケットは全席完売となりました。当日券・小中高生券の発売はございません。何卒ご了承ください。

■また挑戦できるっていう喜びもありつつ、過去8回の敗戦っていうのがズシッと重りにはなってますけど、その過去8回の敗戦も背負って今回は挑もうと思ってます。その悔しさはこの9年間忘れたことがない

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――さて、後藤選手。あらためて2.11大阪大会でIWGPに挑戦となります。9年ぶりの挑戦という点について現在の心境は?

後藤 9年ぶり……しかも9年前と同じ2月11日で同じ会場……これは大きな歴史的な縁というか、何か運命的なものを感じますね。

――過去8度、IWGPヘビー級王座に挑戦して、いまだ戴冠できないIWGPというのは後藤選手にとってどういうベルトですか?

後藤 やっぱり俺にとってはトップ中のトップ。オリンピックで言えば、金メダルに等しいベルトなんですよ。なので、そこにまた挑戦できるっていう喜びもありつつ、過去8回の敗戦っていうのがズシッと重りにはなってますけど、その過去8回の敗戦も背負って今回は挑もうと思ってます。

――やはり心の中に今まで獲れなかったという悔しさは残っていると。

後藤 もちろんありますよ。その悔しさはこの9年間忘れたことがないです。

――直近のタイトル戦で言うと、昨年の10.14両国大会でデビッド・フィンレー選手の持つIWGP GLOBALヘビー級王座に挑戦し、お子様の前で敗北という屈辱も味わいました。

後藤 あの試合も心に残っているものがあって、じつは今回も子供たちに「大阪に観に来るか?」って聞いたら「行く!」って言ったんですよ。

――そうなんですか!?

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後藤 もし、子供たちが応援に来てくれるのであれば、もう子供の前で負ける姿っていうのは見せたくないし、やっぱり泣かせたくないし、ホントに重要な一戦ですよ。次の日は学校もあるので、まだ本当に来てくれるか分からないですが……。

――10.14両国大会のバックステージでは「子供たちにとってはトラウマになっちまったかもしれない」というコメントもありましたが。

後藤 現に次女は「負けるのを見たくないから行かない」って東京ドームに来てくれなかったんですよ。でも、ドームで(IWGP世界ヘビー級王座挑戦権争奪ニュージャパンランボーを)優勝して挑戦権を得たわけじゃないですか。で、「パパ、勝ったよ」って伝えたら、「なんだぁ、観に行けばよかったな」とか言ってたので、ここは挽回のチャンスでもあるんですよ。

――両国のバックステージでは「ここからどう立ち上がるか、そこが一番重要なわけで、これから先の俺をしっかり見ていてほしい。俺は必ずまた立ち上がる。その姿をしっかり見とけ!」ともおっしゃっていましたね。

後藤 たぶん、子供たちはいまの自分の姿を観てくれていると思うんですよ。両国の時に約束した(フィンレー戦で負けたら)「学校に一緒に行かない」「一緒に寝ない」っていう公約はありましたけど、(1.4東京ドーム以降は)一緒に寝てくれますし、学校も「パパ、行こう」って言ってくれますし。

――今回の一戦では、家族にどんな姿を見せたいですか?

後藤 今回は前回のフィンレーみたいに子供を挑発するようなことはない相手だろうから、そのあたりは安心して観てもらいたいけど、もう負ける姿は見せたくないですね。

■俺もYOSHI-HASHIに勇気づけられて影響を受けてる部分もあるし、タッグパートナーと言ってもライバルでもあるわけですよ。そのライバル関係の中でおたがいが意識し合って、高め合える仲間って最高です

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――ちなみに後藤選手を支えてきた奥様は今回のタイトル戦について何かおっしゃっていましたか?

後藤 妻も口では言わないですけど、「IWGPを獲る姿っていうのを子供たちに見せてあげたい」っていう気持ちは俺よりも妻の方が強いんですよ。「今回は大阪だから応援に来なくていいよ」って言ったのに、「何言ってんの?行くよ!」とまで言ってくれてるのは、そういう父親の姿を子供の内からしっかり目に焼き付けて欲しいっていう親の想いなのかなと。男親にはない母親だからこその想いっていうもあるのかもしれないですね。

――家族の応援は力になりますか?

後藤 俺の背中を押してくれてるのは、家族であり、仲間であり、応援してるファンですから、ホントに力になります。

――いま仲間という言葉もありましたが、タッグパートナーのYOSHI-HASHI選手が1.23後楽園大会のバックステージコメントで「8回、挑戦。失敗する姿。それでも奮起する姿を見て俺も頑張ろうと思って。あの人はまだ諦めてない。気持ちの面で凄ぇ影響受けてるから」とおっしゃってました。

【新日本プロレスリング株式会社】

後藤 その影響を受けてるっていう言葉が一番嬉しいですよね。同じチームでやってて、俺もYOSHI-HASHIに勇気づけられて影響を受けてる部分もあるし、タッグパートナーと言ってもライバルでもあるわけですよ。そのライバル関係の中でおたがいが意識し合って、高め合える仲間って最高ですよ。

――YOSHI-HASHI選手とはプロレスに関わらず、プライベートでもよく一緒にいらっしゃいますよね?

後藤 どの選手よりも一緒にいる時間が長いですし、サウナという共通の趣味もありますし、俺の背中を押してくれる心強い仲間の一人です。

――その心強い仲間の一人から「大阪であの人は見せてくれると思うから」という言葉もありました。

後藤 その期待にも応えたいし、ホントいまの俺の背中にはいろんなものが乗っかってるわけですよ。

■俺のカッコ悪いところはみなさん散々観て来てるだろうし、いまは無理してカッコつける必要もないし、自分だけでなく応援してくれるファンの方々と一緒に夢をみたいです

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――その背負っているものがプレッシャーには感じていないですか?

後藤 プレッシャーになる時期は終わりました。いまはプレッシャーに感じることもないですし、とにかく自分自身が最大限の力を発揮して、観てる皆様に自分の熱量を伝えたいですね。

――プレッシャーを越えたというのは過去のIWGP挑戦という経験が活きてきていると。

後藤 そうですね。俺にしかない過去ですし、それが逆に俺の強みになってますよ。たしかにザックは強い相手で、もの凄い実績を積んできた外国人レスラーですけど、「俺はそれ以上のものを背負っているんだよ」っていう闘いを見せたいですね。

――いまの後藤選手の表情は本当に自信に満ち溢れてますよね。

【新日本プロレスリング株式会社】

後藤 カッコつけることもないし、俺のカッコ悪いところはみなさん散々観て来てるだろうし、いまは無理してカッコつける必要もないし、自分だけでなく応援してくれるファンの方々と一緒に夢をみたいですね。

――あらためて後藤選手の掲げるレスラー像というのは?

後藤 やっぱりこういう時代でもあるし、プロレスで力を与えたいんですよ。明日の活力というか、生きていく力、生きようと思える力、そういったものを俺はプロレスを通じて皆さんに見せたいですね。

――見せるという部分でベルトは大きな武器にもなると思います。

後藤 ベルトを持つことによって、いろんな媒体でアピールできると思うので、「こんなレスラーが新日本プロレスにはいるんだ」っていうものを、いま見せたいですよね。ベテランレスラーではあるけど、俺はまだまだ若い世代の壁にならなきゃいけないと思ってるし、ベテランにしか見せられない味っていうのもあると思うし、そこでしか感情移入できないものが絶対にあるので、このベテランが何のプッシュもないところから這い上がってきたっていう部分を観てください。

■やっぱり彼のテクニックに加えて身体もついてきてますよね。ホントに穴のないレスラーになりつつありますよ。タイプが全然違う相手だからこそ、おたがいのプロレスのぶつかり合いでどんな化学反応が起きるのか楽しみにしてます

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――そして今回は王者として君臨するザック・セイバーJr.選手とのタイトル戦ですが、対戦相手としてどんな印象をお持ちですか?

後藤 やっぱり彼のテクニックに加えて身体もついてきてますよね。急激に大きくなって、線は細いと言っても以前より厚みも増してますし、ホントに穴のないレスラーになりつつありますよ。あと外国人でありながらコロナ禍の中で日本に移住するっていう部分でも相当な覚悟を感じますね。

――ザック戦ではどんな闘いを見せたいですか?

後藤 タイプが全然違う相手だからこそ、おたがいのプロレスのぶつかり合いでどんな化学反応が起きるのか楽しみにしてますよ。

――また昨年は東京スポーツ社制定 2024プロレス大賞・年間最高試合賞も受賞されましたが、そのあたりも自信に繋がっていますか?

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後藤 まあ負けた試合ではありますけど、『NEW JAPAN CUP』の辻(陽太)戦っていうのは新世代とベテランっていう対決で、俺のキャリアの中でも重要な一戦でしたし、その前に親父が亡くなったっていう部分もあって、俺の中で思い入れもある大会だったので、その試合がベストバウトに選ばれたっていうことは凄く意味のあることでしたね。もちろん優勝できなかったことは悔しいですけど、こういう賞を取れたっていうのは父も喜んでると思います。

――では次にお父様に報告するのはベルト戴冠ですね。

後藤 親父の力も借りて、このIWGP挑戦も得たと俺は思っているので、やっぱりベルトを見せたいですね。

――ちなみに後藤選手は9年前のIWGP戦をご自身の“ワーストバウト”ともおっしゃっていますが。

後藤 あの試合は最初から最後まで空回りしてて、試合内容だってまったく覚えてないですけど、最後のレインメーカーだけは覚えてるんですよ(苦笑)。

■俺が初めてIWGPに挑戦した相手(2007年11月11日両国)が棚橋さんですからね。俺はその逆の立場になって、“チャンピオン・後藤洋央紀vsチャレンジャー・棚橋弘至”を実現させたい

【新日本プロレスリング株式会社】

――9年前のIWGP戦をワーストバウトと評した後藤選手が、9年後に同じ日付、同じ会場でどんな闘いを見せてくれるのかはファンも注目していると思います。

後藤 あれは俺がどん底に落ちた試合でもあるので、今回の試合ではどん底まで落ちて、這い上がってきた9年間の集大成を見せたいですね。9年前のあの試合を観てた人はさらに思い入れがあるだろうし、あの試合の続きだと思って闘いますよ。

――そしてご自身が掲げた後藤革命の第一歩がベルト戴冠だと思いますが、その先のビジョンは?

後藤 やっぱり同じ世代、そして引退を口にした棚橋弘至。俺が初めてIWGPに挑戦した相手(2007年11月11日両国)が棚橋さんですからね。俺はその逆の立場になって、“チャンピオン・後藤洋央紀vsチャレンジャー・棚橋弘至”を実現させたいんです。

――それはぜひ実現してほしいカードですね。

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後藤 あとやらなきゃいけない相手は、俺のワーストバウトの相手・オカダ(・カズチカ)ですよね。そしてこれは高校時代に「ベルトを獲ったらベルトを賭けてやろう」と約束した柴田勝頼……。

――防衛ロードのビジョンは描いてるわけですね。

後藤 棚橋さんも引退間近で時間もない、柴田も俺と同い年でベテランだからこそ、いまの俺らで見せたいんですよ。「俺たちはまだまだできる」っていまの若いヤツらにも見せたいし、新世代を押そうとしてる会社にも見せつけたいですね。

――後藤選手、長時間のインタビューありがとうございました!最後に2.11大阪でのIWGP世界ヘビー戦へ向けて意気込みをお願いします。

後藤 キャリアがある分、背負うものも多くなったなと。そのすべてを背負って、そしてすべてさらけ出して、45歳ベテラン・後藤洋央紀、満を持してベルトを獲りに行きます!

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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