U-17W杯出場、トップチーム昇格、海外挑戦…横浜F・マリノスユースの注目4選手それぞれの思い

構成:スポーツナビ

DF山中優輝(2年、176センチ/65キロ)

【提供:一般社団法人F・マリノススポーツクラブ】

――高校からF・マリノスユースに入って。

 自分は左利きという武器があるので、高校1年の時に(ボランチから)左サイドバックにコンバートされて、そこからはずっと左サイドバックをやっています。 自分のプレースタイルや、F・マリノスが求めているサイドバックの仕事に偽サイドがあるので、そういう部分を考えると興味はありました。3人目のボランチ的にプレーしたりしながら縦にも出ていくという。

――2年生になってから、さらに上のレベルを意識するようになった?

 1年生の時にプレミアリーグに出させてもらって、そこで一回代表に声をかけてもらったんですけど、その時に怪我をして。でも、自分の足りないところがまた明確に見えて、その怪我した期間が大きいと思っています。そこから1学年上がって、スタメンで出られるようになりました。監督が変わったこともあったんですけど(24年2月から冨樫剛一監督が就任)、自分が攻撃参加が好きなことに気づいて、自分の特徴も分かったし、2年生になって成長したと思います。

――そして代表にも復帰、生き残ってやろうという気持ちがあった?

 最初の代表の時は本当に緊張したし、自分がどれぐらいできるんだろうという不安もあったんですけど、やるしかないなと思って。自分の特徴を出さずに終わるのは悔いしか残らないので、攻撃参加ではオーバーラップも意識したし、守備も頑張らないと残っていけないと思うので命懸けでやりました。アシストやゴールは狙っていて、上がってクロスをあげたり、シュートというのはずっと意識しています。

――今年一年で成長した感覚があるのでは?

 左サイドバックになってからずっと出させてもらって、プリンスリーグではいいプレーを続けられていたので本当に成長したと思いますし、代表に入ったことが自分の中ですごく自信になりました。

 自分の課題はやっぱり守備の部分です。1対1や競り合いでもジャンプ力はまだまだ足りないし、代表でも全然通用しないので、自主練でもやっていかないといけない。(4月から)3年生になるので自分がチームをまとめて勝たせて、来年こそはプレミアに行きたいので、そこは意識していきたいです。

――25年はアジアの最終予選もあって、そこを突破すれば世界大会もある。F・マリノスと合わせて、大きな目標になると思うが。

 アジアカップ予選(のメンバー)に選ばれてアジアの戦いを経験して、来年4月に最終予選がある。まずはそこに選ばれるためにユースでやらなければいけない。アジア最終予選もこの間よりも厳しい戦いになると思いますし、もうちょっと成長しないと全然勝てないと思います。自分の目標はW杯に出ることなので、チームで成長しながらやっていけば選ばれ続けると思うので、25年は大事にしていきたいです。

――あらためて将来の夢や、より先の話も聞かせてほしい。

 僕はプロになることが夢なので、まずはトップチームに声をかけられることが一番の目標です。でなくても、大学に行って4年間しっかりと成長し続けて、一番はやっぱり横浜F・マリノスのエンブレムを背負って戦いたいので、また来てほしいと言われるように頑張りたい。

 それから、A代表に選ばれてW杯で優勝したり、海外に行ってチャンピオンズリーグを経験したりというのは自分の中で大きな目標。そこに行くために、まずはトップチームに上がれるように、ユースの練習や試合、U-16代表の活動も頑張っていきたいと思います。

――いずれはヨーロッパでプレーしたい?

 そうですね。1年前にイングランド遠征でマンチェスター・シティのスタジアムを見学させてもらったり、シティのU-18と試合もさせてもらって本当にレベルが違いすぎたので、あそこに追いつけるようにしたいし、追い抜いて、マンチェスター・シティでバロンドールを獲ってみたい。他のチームでも刺激はすごくあると思うので、ヨーロッパには行ってみたいです。

――プレーで参考にしている選手や、よく見る海外の動画などはある?

 F・マリノスのトップチームの永戸(勝也)選手は見るようにしています。攻撃参加もありますし、点を取れる選手だと思います。海外で言うと、ポジションは右サイドバックなんですけど、カイル・ウォーカー(前マンチェスター・シティ/現ACミラン)をずっと追っています。対人が強いしクロスもうまいし、すべてが完璧なので、最終的にはそこにいけるようにしたいんですけど、まずは自分の課題と向き合ってトップチームに対応できるようにしたいです。

――自分のこういうプレーを見てほしいなど、アピールポイントは?

 自分は攻撃参加が特徴なので、自分のオーバーラップやクロスを見てほしいです。ファン・サポーターの方々も試合に来てくれるので、来年はプレミアに行けるように1年頑張ります。

MF加藤海輝(2年、181センチ/65キロ)

【提供:一般社団法人F・マリノススポーツクラブ】

――24年シーズンを振り返って。

 今までにないくらい成長したと思います。自分が代表に入るなんて思ってもいなかったし、ユースでAチームにも参加していなかったので、ステージが変わって自分にとっては良い経験がありましたし、良い1年だったと思います。

 去年の最初も肉離れから始まって、今年も最初ケガをしていて開幕戦のベンチに入れるかなというレベルだったんですけど、たまたま入れて途中交代で出られて、そこで手ごたえがちょっとありました。そこからはベンチスタートでたまに出たり、出ない試合もあったりの繰り返しで、ケガもあってまたBチームに戻ったり。その中でもずっと冨樫さん(ユース監督)は見てくれていて、Bチームで良いプレーをした時は練習からAチームに入れたりしました。悪い時期もあったんですけど、全体を通してみてみれば成長できたと思います。

――スタメンでいけると自分の中で思ったのはどのくらい?

 最初も自信はなくてスタメンで出るなんてないと思っていたんですけど、3年生がケガをしたりして人数が少ない時期があったんです。その時にたまたま冨樫さんにフォワードをやってみないかと言われて、やったことがなかったので探りながらプレーしていました。そこからだいぶスタメンが増えて、自分のパフォーマンス的にも上がっていった感じです。

――その時は代表は全然考えていなかった?

 Aチームでプリンスリーグのスタメンで出始めてからちょっと考え始めた時に代表に選ばれました。でも代表という実感はなくて、自分にできるかなと思いました。代表ではセットプレーなど覚えることが多くて、戦術も3バックをあまりやったことがなかった。でもそういう場面でもみんなとコミュニケーションを取って徐々になじんでいけて、プレー面でもちょっとずつ代表のやり方に慣れていけたので、最初としてはよかったと思います。課題もいっぱい見つかったし、やることがはっきりして、良い経験でした。

 ボランチでは、守備の部分の競り合いだったり、球際も海外の選手とやって感じた部分もありました。周りの選手たちが全然自分より強度高くやっているのを見て、いろんな刺激を受けましたし、自分はまだ足りないなと思って、自チームでより意識するようになりました。

 食事やスケジュール管理といったピッチ以外のことでもすごく刺激を受けて、筋トレのモチベーションも上がったし、試合前の水分のとり方とかコンディション面でも成長できたので、すごくいい経験でした。

――25年はアジアの最終予選もあって、そこを突破すれば世界大会もある。ボランチはポジション的に競争が激しいが、どう捉えている?

 今のままだったら絶対に選ばれないと思うので、違いを見せていきたいです。(監督は)特徴のある選手を呼びたいと思うので。やっぱりボックス・トゥ・ボックスで飛び出していく、ちょっと身長も大きい選手はあまりいないと思うので、もっと攻撃面も高めていけたらと思っています。

――スタメンで出るようになって代表にも入って、来年度は3年生。勝負の年になる。

 3年生でトップに行けるかも決まるし、進路もある大事な年だと思っています。でも3カ月とかで変わるものではないので、今まで積み重ねてきたものを、これからもどれだけ積み重ねられるか。それをチームでどれだけ基準を上げてやっていけるか、どう強くなるかかなと思います。代表に入ってからスタメンで出始めて、トップに上がりたい欲が増してきました。よりちょっと近づいたかなという感覚があって、そこをずっと目指してやっています。

 実力的にはまだですけど、自分がチームを引っ張っていくという気持ちはすごくあります。もっと成長して引っ張れる存在になりたい。代表の主力として戦っていきたい気持ちもあるし、そのためにはもっと強くならなきゃいけないし、成長しなきゃいけないと思います。まずはフィジカルで絶対に負けない体を作って、何でもできるボランチになりたいです。

――自分のこういうプレーを見てほしいなど、アピールポイントは?

 ボックス・トゥ・ボックスで体を張って守備ができて、ボールを取って、力強い背後への抜け出し・前への飛び出しができて、カウンターで攻撃にも関われる選手になりたいと思っています。多分、来年はそういうプレーをするので、そういうところを見てほしいです。

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