実戦力が高いシリーズに進化!識者3人がキャロウェイ最新「エリート」フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアンを語る

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2025年1月、キャロウェイから最新シリーズ「エリート」が登場!そこで今回は、ゴルフライターの鶴原弘高さん、クラブフィッターの小倉勇人さん、ティーチングプロの石井良介さんに、エリートのフェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアンの印象や特徴について語っていただきました。

エリート フェアウェイウッド4モデルの特徴

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小倉: 「エリート」シリーズのフェアウェイウッドは、かなり進化した印象です。理由は形状ですね。テクノロジーももちろんですが、ソール後方が一段上がるようになったのが大きいです。

私はフェアウェイウッドが好きで、特にパラダイムを愛用しているのですが、ソールの抜けは本当に重要です。滑らかにしつつ一段上げることで、マットでも抜けの良さを実感しました。

石井: マットに抵抗なくスルンと抜ける感じですね。

小倉: その通りです。インパクト後に突っかかりがなく、ヘッドがスッと抜ける。ソール後方を完全に無くすと、手前から入った時に助けてくれないこともあるので、バランスが重要です。このヘッドは、手前から入っても意外と届いてくれます。

石井: ソールが機能してくれるんですね。

小倉: そうなんです。そのバランスが素晴らしい。

石井: 「タングステン・スピードウェーブ」という聞き慣れない文字がありますね。「ジェイルブレイク」復活かと思いました(笑)ソール下部を固めると、フェース下部が機能しなくなる。

小倉: 弾かなくなってしまうんです。

石井: そこで、ウェイト(タングステン・スピードウェイブ)を浮かせているんですね。ネジで留めている部分はありますが、下は固定されていないのでフェース全体がたわむ。キャロウェイのフェアウェイウッドは、もともと下部で打っても初速が出て球が浮きましたが、さらに進化したと。

鶴原: 全モデルに採用されています。

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小倉: カップフェースと同じ考え方ですよね。溶接痕があると弾かないので、そこに物体を作らずに弾くエリアを広げたままウェイトを前下につける。低重心化と浅重心化を両立させて、コントロール性を高めているのでしょう。

石井: ヘッドの分解したものを見せてもらいましたが、よくこんなこと考えるなと……。

小倉: フェアウェイウッドは重心が浅い方が、芝からボールをコンタクトさせやすい。ダフるのが怖くてハーフトップ気味になっても、しっかり弾いて距離が出るならリスク軽減になります。すごい技術です。

石井: 「Ai 10K FACE」も採用されていますね。フェース面を見ても、子どもが粘土に指で押し当てたような凹凸ですよね。それぞれのモデルの打点データに基づいて、これがついていると。

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石井: スタンダードのエリートを打ちましたが、ボールも浮きやすく拾いやすく、抜けの良さも感じました。もともとキャロウェイのフェアウェイウッドは好きなんですが、エピックスピードの使い勝手の良さを思い出しました。ヘッドは少し大きめに見えますが、打感やソールの抜けは十分です。トリプルダイヤモンドでなくても、スタンダードで良いと思いました。

鶴原: シャローで全体的に低く、球が上がりやすいですね。

石井: 初速が速いのは言うまでもなく、キャロウェイのフェアウェイウッドは飛距離性能が抜群です。「フェアウェイウッドでこんなに飛ぶの?」というくらい飛びます。

小倉: 今回は7番、9番、11番までラインナップされています。

石井: 11番はすごいですね。

小倉: アスリートが使えるような形状で11番まであるのは、すごいです。

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鶴原: トリプルダイヤモンドには今回も7番ウッドがあります。7番ウッドがラインナップされているということは、アスリートタイプのゴルファーでも使いやすいということですね。

小倉: ボール自体が余計なスピンをしづらくなり、ヘッドも進化しているので、ロフトで球の高さを出した方が狙いやすい。

石井: パワーヒッターが使える7番ウッドがトリプルダイヤモンド、そうでない従来型がスタンダード版。7番ウッドといっても、性能の違いが出てきますね。

鶴原: トリプルダイヤモンドは、ロフトがあってもつかまりすぎないのがポイントですね。

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鶴原: ユーティリティは3モデル。スタンダードとX、MAX FASTです。

小倉: 結構な変更点がありますね。

石井: まずネックですね。

小倉: MAX FASTにはありません。

鶴原: 見慣れないスリーブが付いていますね。ライ角の調整幅が増えたということです。

小倉: より自分に合った、狙うクラブとしてチューニングできるようになったということですね。

鶴原: あと、ウェイトがトゥ側にもありますね。

石井: トゥ・ヒール側にドンとあります。

小倉: 調整幅が大きそうですね。

石井: Xの4番は、トゥ側に13g、ヒール側に3gです。逆にしたらもっとつかまるのでしょうね。

小倉: 別売りのウェイトもあるでしょうから、さらに細かくチューニングできますね。

石井: MAX FASTも13gと3gで、重さはみんな一緒ですか?

鶴原: 3gと13gで、13gがトゥ側なので、かなりトゥ側が重くなっています。

石井: Xだからヒール側が重いのかと思ったら、意外とトゥ側が13gなんですね。

鶴原: ヒール側が3gでトゥ側が13g。構えてみても、キャロウェイのユーティリティはボールが当たるマークのセンターがネックから結構遠い。慣性モーメントが高いのがわかります。遠くてトゥ側が重くても、ちゃんとつかまりましたか?

小倉: 程よいつかまりでした。むしろ逃がしたいくらいでした。ロフトが増えるとつかまる要素が強くなるので、きっちりつかまります。もう少し自分で操作したいときは、ウェイト調整が役立ちそうです。

鶴原: 直進性を高めるためにトゥ側を重く?

小倉: そうですね。

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石井: ありがちな巻くようなつかまりが出づらいのが、スタンダードなエリートですね。Xは、ほんのりつかまります。グイングインというよりは、右を消してくれる感じです。ウェイトをヒール側にすると、ぐいっとつかまる印象です。

鶴原: これもフェースは「Ai 10K FACE」ですね。

小倉: つかまるのは、右のミスが多い人には良いことです。打点がズレてもほぼ一定のところにつかまるのは、安心感があります。

鶴原: Ai SMOKEのユーティリティは、番手とロフトのわりに飛ぶと感じました。高く上がっているのに飛ぶ。今回のエリートも同じ感じですか?

石井: 初速を感じます。球はとにかく上がりやすい。上がらないという悩みはないでしょう。21°ですが、打ち出しがロフト以上に浮いて、高さを感じます。スタンダードのXとMAX FAST、HLはXと同じと考えて良いのでしょうか?

小倉: そうですね。HLはハイロフトでしたが、Xが代わりになります。

石井: スリーブでロフトを調整するのも良いですね。

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石井: ユーティリティのラインナップも充実していますが、アイアンもラインナップが豊富です。スタンダード、X、MAX FASTです。

鶴原: どれもきれいですし、デザインが同じですね。

石井: キャロウェイのアイアンのイメージが変わりました。シュッとした感じです。

鶴原: MAX FASTは、キャビティ部分の厚みが全然違いますね。

小倉: バッジの位置が微妙に違うのも面白いですね。

鶴原: ソール幅も違いますね。スタンダードは十分厚みがありますが、Xより厚いです。

石井: Xも低重心感がありますよ。

小倉: MAX FASTが意外とシャープです。

石井: 歴代で最もシャープですね。

小倉: きれいでいい顔をしていますね。往年のX FORGEDにもこんなデザインがありましたね。すっきりしてかっこいい。

鶴原: ロフトは、XとMAX FASTが28°、スタンダードが29°で、スタンダードが1°寝ています。

鶴原: ソール幅があってフェース面も縦に大きいです。ヒールもトゥ側も高いので、縦方向の慣性モーメントも高めているようですね。

小倉: 高いとロフトが立っていてもフェース面が大きく見えるので、球が上がりそうに見えますね。

石井: エリートのアイアン3モデルのライバルは、同じキャロウェイの中にたくさんいると思いますね(笑)。APEX Ai200やAi300は、エリートのスタンダードとXと競合するでしょう。どうやって選んだら良いのでしょうか?

小倉: 好みじゃないですか(笑)?

鶴原: やさしさとかでしょうか。

石井: 寛容性や球の上がりやすさ、曲がらない感じは、エリートの方が上ですね。

小倉: 顔のきれいさに関しては、今回のエリートは非常に優れています。ブレードも厚くありません。機能重視ですが、どれもいい顔をしています。

鶴原: きれいにまとめている印象です。

石井: 強いて言えば、エリートXだけがトップブレードが少しぽっちゃりしていますね。

小倉: 分かりやすさ感ですね。

石井: アイアンにプレッシャーを感じたくない、昔からのキャロウェイのアイアンが好きな人は、エリートXを選ぶと良いでしょう。ビックバーサシリーズのような、ネック短め、トップブレード大きめ、少しグースの感じが好きなら、エリートXですね。アイアンにシャープさが欲しい、他のメーカーと違和感なく最新機能が欲しいなら、スタンダードが良いでしょう。

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鶴原: 今回のエリートは楽しみです。ドライバーはもちろん、フェアウェイウッドのスタンダードモデルも試してみたいです。アイアンもスタンダードが良い感じなので、打ってみたいですね。ゴルファーの興味を引くシリーズだと思います。

石井: 名前が変わったので、今までとは違うところを感じます。ドライバーは曲がらない。キャロウェイは初速が速いですが、ドライバーのネックは変わっていないので、自分のシャフトを挿してコースで打ってみたいです。

トリプルダイヤモンドもいつも買いますが、今回はスタンダードモデルが良いという印象です。まずはスタンダードモデルとフェアウェイウッドをコースで打ってみたいです。ロフトの多いユーティリティや7ウッドも試してみたいです。

小倉: ドライバーの進化は、違和感が消えて安定して打てるようになったと感じます。しかし、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンの進化の方が大きいと思います。

特にユーティリティは、スリーブを変えてきたのが驚きです。そこを断ち切ってまでやる進化は大きいです。ウェイト調整で、より狙うクラブとして作り込めるようになりましたからね。基本性能が上がり、調整幅も広がりました。作り込んでみたくなるクラブです。

打てば打つほど良さがわかる実戦力が高いシリーズに進化しています。ぜひ手に取って、その良さを体験してみてください。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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