“レジェンド”稲本潤一氏が『MONDAY FOOTBALL on TVer』出演! 瞬間最高81.9%の男が語る過去、現在、そして未来
「あっという間」の収録を終えて
現役28年を終えた稲本氏は、今季から川崎フロンターレの育成部コーチとして活動を始める 【(c) フジテレビ】
その収録直後に聞いても、「いろんな国のリーグの映像を見れて、情報が多くて、すごく早く感じました」と稲本氏。そして自身の引退後の生活について「まだ実感はないですね。現役時代と同じオフが続いているような感覚です。でもサッカーの試合は現役の頃よりも多く観るようになりました」と明かすと、「それこそ今日のマンフト出演用にかなり観たんですけど、すぐ終わったので…別にそんなにたくさん観なくて良かったかな」と笑った。それでも引退後の自分自身について「やっぱりテレビの仕事もそうですけど、育成の現場でも人に伝えること、言語化することはすごく大事ですし、これからもっと勉強して行かないといけない」と背筋を正した。
番組内でも多くの映像を見た稲本氏だが、自身がプレーしていた当時と現在のプレミアリーグの違いについては「僕がいた時は、ほぼオーソドックスな4-4-2のオールドスタイルのチームだったのが、今は外国人監督も多くなって、システムも可変して、相手によって立ち位置を変えたりして、そういう戦術的な部分がぜんぜん違いますね」と語る。その上で「もし、今のプレミアリーグでプレーできるなら?」と聞くと、「今の方が僕自身はやりやすいかなと思いますね。でも、試合の強度という部分が今の方が圧倒的に高いので、コンディション作りの部分が難しいと思う」と語り、現在プレミアリーグで活躍中の日本人選手たちに敬意を示した。
指導者として新たな挑戦へ
まだ活動が始まっていないが、高校生年代を指導する予定とのことで「もちろん結果も必要だと思うんですけど、ユース年代なので、その選手がどう成長して行くかというところの方が重要。今は大学経由でプロになる選手も多いですけど、それでもユースの時の指導があったからプロに行けたと言ってくれるようにしたいですね」と、すでに高揚感を抱いているようだ。
そして指導者となった際の“ヒント”となるのが、自身が育ってきた道であり、そこで出会った恩師になる。
「ガンバユースでは技術的なことを徹底して指導されましたし、上野山(信行、当時ユース監督)さんには、常に“世界を見てやっていけ”と言われていました。技術の部分でも“ミリ単位でしっかり止めろ”、“しっかり蹴れ”と徹底されて、そこが僕自身のルーツになっていますし、僕自身もそこにはこだわっていきたい。これまでの自分の経験を選手に伝えて、その選手たちが何かしらのヒントを掴んで、上のレベルで活躍できるように指導していきたい」
現在45歳、日本サッカーの進化の過程を知るレジェンドである稲本氏だが、プロデビューした17歳の頃の人懐っこい笑顔は、今も変わらない。そこに国内外を渡り歩いて得た経験が重なり、人間としての“深み”が加わっている。指導者としては、まだ1年生の入学前だが、すでに伝えたいこと、伝えるべきことが体中からあふれている。瞬間最高視聴率は81.9%。日本のサッカーファンを誰よりも歓喜させた男である稲本潤一の未来が、楽しみでならない。
(取材・文:三和直樹)