【カープ野手対談】菊池が矢野の「盗塁王」獲得に太鼓判! 2人が受け継ぐ「カープ野球」の伝統とは?
【提供:Timely!編集部】
スタートは琢朗さんからの言葉
若手時代は1試合3エラーも経験したという菊池選手 【写真は共同】
菊池 全然ダメですね。チームは9月くらいまで良い感じでいっていましたけど、個人的には全く機能していなかったと思います。投手陣に頼っている部分もすごくたくさんありましたし、そこが最後に力尽きた要因というのも少しあります。投手陣も「俺らが頑張らなきゃ」というところも多分あって、ちょっと噛み合わないというかチグハグというか、僕らも打席で気負っていたところもたくさんあったと思いますね。フラットに「いつものバッティング練習みたいに軽く打ったらいいや」という気持ちになれなくて「ここでなんとかしなきゃ!」という気持ちの方が、今シーズンは自分の中では多かったかなと思います。(そういったことも)良い経験と捉えて前を向くしかないですね。
——矢野選手は今シーズン、ゴールデングラブ賞を受賞されましたね。
矢野 元々安定した守備がなかなかできなくて、それをプロに入ってからキクさんから学んで、いろいろなことが自分にとってプラスになって、そのお陰で今シーズンは良い守備がたくさんできたと思います。
——初めてレギュラーとして過ごしたシーズンを振り返ってみていかがですか?
矢野 まだ1年しかやっていないので、来年、再来年も続けてやればレギュラーに定着したと思ってもらえるようになると思うので、今年の経験を来年も生かしたいと思います。
——体力的なことやメンタル的な事などで矢野選手から相談をされたりは?
矢野 バンテリンドームの試合で、野球人生で一番と言ってもいいくらいのミスをしてしまって負けたことがあったんですけど、そのときにキクさんに食事に誘っていただいて、いろいろな話をさせていただいて、お陰で次の日にしっかりと切り替えて試合に臨むことができました。
——(そのときに)菊池選手の方から「ミスは俺だって何回もしてきた」とお話をされたそうですね。
菊池 (自分も)1試合で3つのエラーも経験していますし、「明日球場行きたくないな・・・・・・」という経験もたくさんしてきました。そんなとき(石井)琢朗さんに「みんなそんなんや。俺もそんなもんや」って言っていただいて、「みんなそうだったんだ」というのがスタートだったですから。ミスしたことによって経験したり、この場面ではこういうふうにした方が良いとか、一年間試合に出なければ分からないことがたくさんあると思うので、今年一年、試合に出たということが一番の経験になると思います。
見えない部分のキクさんの凄さ
今シーズン、鉄壁の二遊間を組んだ矢野選手(左)と菊池選手(右) 【写真は共同】
矢野 自分の事はいつ考えているのかな? というくらい、周りにしっかり目を配って、僕ら若い選手たちにシーズン中もたくさん声をかけてくださったり。練習のときにはずっと試合に出て疲れているなかでも、技術面のことをたくさん教えてくださるし、チームのことを考えて行動されていて、僕も将来そういったことを当たり前にできるようになりたいなと思います。
——菊池選手から見た矢野選手の凄いところやプレーはありますか?
菊池 やっぱり三遊間の深いところからのあのレーザービームはね、なかなか見られないと思うし歴代選手と比較してみても凄い球を投げているので、あの肩は凄いです。お化けです!! 肩、お化けです。
矢野 肩には自信はあったんですけど、もともとああいう体勢からノーバウンドで投げるというのはあんまり確率良く投げることができなくて、ボールが散らばったりしてしまうことが多かったんです。でキクさんに三遊間で捕ってからの体の使い方を教えていただいて、それを覚えてから安定したボールを投げてアウトにできるスローイングができるようになりました。
——矢野選手からみた、菊池選手の凄いなと思ったプレーは?
矢野 たくさんあるんですけど、見えない部分のプレーですね。例えば僕がダブルプレーでセカンドベースのキクさんに投げたボールが逸れるときがあるんですけど、普通だったらボールが逸れたように捕ると思うんですけど、それを表に出さずに何もなかったようにカバーしてくれたり。そういうプレーが今シーズンたくさんあって、助かったなと思っています。
菊池 一緒に自主トレをやっている選手と二遊間を組む方がやりやすいのはやりやすいですしね。ゲッツーとかは密に絡む時間が多い方が息は合うと思うので。プロなので合わせなきゃいけないんですけど、その微妙なところ、コンマ何秒かがゲッツー取れるか取れないかになってくるので、そういう意味では息は合いやすいですよね。