松山英樹の偉業を中国メディアが称賛 韓国のレジェンドもゴルフへの姿勢を高評価

北村収

今年8月、「フェデックスセントジュード選手権」でPGAツアー10勝目をあげた松山英樹。PGAツアーのプレーオフシリーズでの優勝は、アジア人として初めての快挙だった 【写真は共同】

 10月24日に日本で開催される唯一の米国PGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が開幕する。パリオリンピックでメダルを獲得し、ゴルフファンのみならず日本国民全体を熱狂させた松山英樹も出場する。

中国メディアが松山をアジア初の偉業と礼賛

 今年8月、プレーオフシリーズの初戦「フェデックスセントジュード選手権」で優勝を果たし、PGAツアー通算10勝という偉業を達成した松山英樹。この快挙は、日本や米国だけでなく、アジア各国のメディアでも大きく報じられた。

 中国の英字新聞で最大の発行部数を誇る「チャイナデイリー」は、「松山が歴史を作る(Matsuyama hangs on to make history)」との見出しでニュースコラムを掲載。「オリンピック銅メダリストがプレーオフで初のアジア人優勝者に」と、松山の偉業を“アジア人初”として大きく称賛した。

 記事では結果だけでなく、パスポートの盗難により急遽代理のキャディでこの試合に臨んだことや新しいパターを使用したことを詳述。「このコースのグリーンの状態を知っていたので、このパターが合うかもしれないと思った。そしてうまくいきました。パットが好調で、勝利できました」とコメントを掲載するなど、松山への注目度の高さがうかがえた。

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アジアのゴルフ界に希望を与えた21年のマスターズ優勝

 2021年の松山英樹のマスターズ優勝は、日本のみならず、アジア各国のゴルフ界にも大きな希望を与えた。

 2022年マスターズ初日、筆者はオーガスタナショナルGCで行われたジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンによる恒例の会見の場にいた。欧米の記者からは前年の優勝者である松山英樹によるチャンピオンズディナーについての話題に質問が集中したが、アジア各国の記者からは「松山英樹のようなマスターズチャンピオンを、他のアジアの国から誕生させるにはどうしたら良いか?」という質問が相次いだ。松山の勝利は、日本の選手だけでなく、アジア全体のゴルフ界にとっても「我々にもできるかもしれない」という明るい未来を示したのだ。

アジア各国の記者も松山はアジアの選手の目標と語る

2021年のマスターズ優勝は、アジア各国のゴルフ界にも大きな希望を与えた 【写真は共同】

 アジアのゴルフジャーナリストは松山についてどのように考えているのか。海外トーナメントで顔を合わせる海外の記者仲間に話を聞いた。

 シンガポールのカルヴィン・コー氏は、「松山英樹という名前は、アジアのゴルフファンにとって卓越性と成功の代名詞だ。2021年のマスターズでアジア人として初めて優勝したのをはじめ、「フェデックスセントジュード選手権」でアジア人ゴルファーとして初めてプレーオフの試合を制し、PGAツアー通算10勝目を挙げるなど、数々の“初”を記録してきた。彼はアジアゴルフの旗手であり、パリ五輪で銅メダルを獲得したとき、多くのファンは彼がアジアのゴルフを再び世界のゴルフ地図に載せたことを心から喜んだ」と語った。

 韓国人のイ・ドンフン氏は、「松山英樹はK・J・チョイ(韓国)のPGAツアーアジア人最多勝記録を更新しました。K・J・チョイ自身も松山を賞賛しており、現在では韓国人選手たちが松山の記録に挑戦しています。これはアジア全体の選手たちにとって成長を促す相乗効果を生んでいます」と評価した。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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