フェンシング・個人金の加納「団体で獲るメダルは喜びも4倍」 連覇逃すも日本の地力示した銀メダル

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自力で出場権を掴んだパリ五輪で、堂々の2大会連続メダルとなった日本。実力を証明して見せた 【写真は共同】

 パリ五輪のフェンシング男子エペ団体決勝が現地時間8月2日に行われ、2021年東京五輪金メダルの日本(加納虹輝、山田優、見延和靖、古俣聖)は、延長の末ハンガリーに25-26で敗れ、銀メダルに終わった。日本フェンシング界初の連覇とはならなかったが、開催国枠での出場となった東京五輪と異なり、自力で出場権を掴み取ったパリ五輪で堂々の2大会連続メダル。日本の実力を証明してみせた。

 現地情報を伝える、LINEオープンチャット「スポナビ 現地取材情報」では、試合後の見延、加納のコメントを掲載。

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自力で出場権を掴み取ったパリ五輪

――銀メダルおめでとうございます。試合を終えてどうか。

見延 金メダルが欲しかったっすね。流れ的にも追い付いての1本勝負だったので、こちらに分があるかなと思いながら。あとはもう本当にみんなの気持ち1つだと思ってたけど、最後はリプレイを見てもどっちが(得点)ついててもおかしくないような展開でした。いやー、やっぱり何回見直しても悔しいなという感じ。でも、自分は最後まで応援することしかできなくなってしまったけれども、諦めずにメンバー3人とも必死に戦う姿が見られたので、非常にいい試合ができたと思います。

――4人で獲った銀メダルの感想は?

加納 もちろん嬉しい気持ちもあるし、ちょっとほっとした気持ちもある。金メダルを目指しただけに悔しさは残るが、 楽しく試合もできたし、とりあえずメダルはみんなで持って帰れたので、そこは良かったなとは思う。

見延 4人で獲ったメダルというか、コーチもいてかつ今回だとサポートでスパーリングパートナーとして数人来ているし、さらには日本にも残してきたこの「エペジーーン」の仲間たちがいるので、全員で獲ったメダルかなと思う。決してこの4人だけで獲れたメダルではないと思うし、 だからこそ金をつかみ取りたかったっていうところもあるけども。まだ見ていないが、「エペジーーン」のグループLINEがあるのでどんな感想が来ているか。申し訳ないなという気持ちと、一応ここまで行ったよっていう気持ちと半々。

――加納さんが最後追い付いて1本勝負、どのようなプレーをしようと思ったか。

加納 僕が攻めていくしかないので、 自分なりに攻めていって実際追いつくことができた。最後1本勝負になってからもプライオリティが相手にあったので、自分がある程度プレッシャーをかけていく必要があった。もうちょっとプレッシャーをかけて最後自分が飛び込んでいくつもりでいたが、その前に相手選手が剣を出してきて、そのフェイントに僕が反応してしまって、それでやられてしまった。

――今回は自力で銀メダルまで辿り着いたと思うが、その過程を含めてどう評価しているか。

加納 今回銀メダルになってしまったが、実力は確実に上がっているなと思っている。自力で出場することができたのも初めてだし、前回は多少ラッキーな部分もあっての金メダルだったが、今回は実力で出場して、実力で決勝まで上り詰めることができたので、実力は間違いなく上がっていると思う。

見延 まさしく加納が言った通り。今回すごくハラハラする試合が多かったが、前回の金メダルは大逆転っていう、本当にもうドラマのような試合だったが、今回はちょっとハラハラしながらも、しっかりと試合展開は作れていたと思う。これだけの試合ができたので、間違いなく日本の実力を示せた。

加納「個人で獲るメダルと団体で獲るメダルは全く別」

――個人で獲るメダルと団体で獲るメダルは違うか。

加納 全く別だなという風に感じた。楽しさ自体も違うし、個人戦(で金メダル)を獲った後にちょっと孤独感があると言ったが、やっぱり団体でみんなで獲るというのは喜びも4倍になるし、 みんながいるので孤独感はないというのを改めて感じた。

見延 それがエペジーーンだね(記者から笑い)。

――加納さんが個人2冠を目標にしていて、結果的には金と銀だったが、終わってみてどうか。

加納 もちろん2冠を目標にしていたので、目標には到達できなかったが、自分の実力は最大限発揮できたかなと思う。

――フェンシングではすでにメダルを3個獲っているが、日本全体のレベルアップができているか。

見延 今回全種目でメダルを狙えるところだし、それは東京五輪で強化してきた成果だと思う。だからと言ってこの状況にあぐらをかくわけではなく、しっかりこの結果を見て始めてくれる子たちが少しでも増えてくれることを願っている。僕たちとしてもこの今持っている技術をしっかり後世に伝えていくことも、やっぱりしっかりやっていかなきゃいけないなと思う。しっかり歴史として日本を強くしていきたいなと。

――次回のロス五輪に向けては?

加納 4年後のことはまだ今(パリ五輪が)終わったばっかりなので考えていないが、もちろん競技が続くし、個人と団体でどちらも金メダル目指して4年間かけてやっていきたい。
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