元バレー代表・山村宏太が指名するキーマン2人 パリのメダルのために決勝へ意識を
今は世界が日本のバレーを模倣している時代
――その一言だけで、日本が素晴らしいチームなんだと理解できます!そんな日本代表ですが、近年の戦いを見て「本当に強くなったな」と思う瞬間があれば教えてください。
山村 世界が日本のバレーを真似しているな、と感じたときに強いチームになったんだなと実感しますね。たとえば、アウトサイドヒッターの石川君や藍君がフェイントでブロックアウトを取ったり、ロールでブロックの後ろに落とすシーンをよく見ますよね。これ自体は昔からあるプレーですけど、そこからリバウンドプレーにつなげるなど「有効な使い方」は日本がもっとも体現できていると思います。ネーションズリーグを見ても多くのメガラリーがあるように、なかなかボールが落ちない。これは今、世界が日本を参考にして、模倣している部分です。
――日本中から注がれる「メダルへの期待」はプレッシャーにはならないでしょうか?
山村 メダルは「目標」ですし、言葉に出さないと実現できません。もちろんプレッシャーはあるでしょうけど、それは良い意味でのストレスにできるはずだし、世界ランキングを見ても口に出していい現実的なものだと思います。彼らだからこそ、52年ぶりのメダルという偉業も、「達成できるレベルの目標」だと捉えてほしいです。
――そこからさらに先のメダルの「色」にはこだわる必要はない?
山村 いや、目指すからには「決勝まで行く」ことを意識したほうがいいと思います。
――というと?
山村 銅メダルを目標にしてしまうと、変な話「最悪、準決勝で負けてもいい」というマインドになってしまうじゃないですか。「負けてもいい」を想定してしまうと、モチベーションにも関わってきます。であれば最初から決勝に進む……つまり、金か銀ですよね。そこをターゲットにすることで、戦い方も変わってきますし、結果的に準決勝で敗れたとしても「じゃあ、最低でも銅メダルを取らないと」という意識が働くと思うんです。なので、「メダル」を目標にするのであれば、最初からトップを目指すべきだと考えます。
山村 世界が日本のバレーを真似しているな、と感じたときに強いチームになったんだなと実感しますね。たとえば、アウトサイドヒッターの石川君や藍君がフェイントでブロックアウトを取ったり、ロールでブロックの後ろに落とすシーンをよく見ますよね。これ自体は昔からあるプレーですけど、そこからリバウンドプレーにつなげるなど「有効な使い方」は日本がもっとも体現できていると思います。ネーションズリーグを見ても多くのメガラリーがあるように、なかなかボールが落ちない。これは今、世界が日本を参考にして、模倣している部分です。
――日本中から注がれる「メダルへの期待」はプレッシャーにはならないでしょうか?
山村 メダルは「目標」ですし、言葉に出さないと実現できません。もちろんプレッシャーはあるでしょうけど、それは良い意味でのストレスにできるはずだし、世界ランキングを見ても口に出していい現実的なものだと思います。彼らだからこそ、52年ぶりのメダルという偉業も、「達成できるレベルの目標」だと捉えてほしいです。
――そこからさらに先のメダルの「色」にはこだわる必要はない?
山村 いや、目指すからには「決勝まで行く」ことを意識したほうがいいと思います。
――というと?
山村 銅メダルを目標にしてしまうと、変な話「最悪、準決勝で負けてもいい」というマインドになってしまうじゃないですか。「負けてもいい」を想定してしまうと、モチベーションにも関わってきます。であれば最初から決勝に進む……つまり、金か銀ですよね。そこをターゲットにすることで、戦い方も変わってきますし、結果的に準決勝で敗れたとしても「じゃあ、最低でも銅メダルを取らないと」という意識が働くと思うんです。なので、「メダル」を目標にするのであれば、最初からトップを目指すべきだと考えます。
メダル獲得へ注目したい二人のキーマンとは?
――52年ぶりのメダルを目指すうえで、山村さんが考える「キーマン」は誰になりますか?
山村 もちろん、全員がキーマンです(笑)。でも、それでは答えにならないですよね……。であれば、藍君と(小野寺)太志なんですけど、二人ともサントリーの選手になってしまいましたね……(笑)。
――いや、構いませんよ(笑)。
山村 別に、ウチのチームの選手だからというわけではなくて、藍君はまさに今が「伸び盛り」の選手なんです。試合を重ねるごとに良くなっている。オリンピック本番までの短期間でも、まだまだ成長する可能性がある。そこが楽しみですし、彼が伸びればそのぶん、日本はメダルに近づくはずです。太志はミドルブロッカーというポジションで、試合の中ではあまり目立たないんですけど、だからこそ重要な役割を担っています。相手の攻撃の一本目に触れたり、ブロックシステムを壊すためにファーストテンポの攻撃を通せるかという意味で、彼のプレー精度はかなり重要になってくる。逆に他の選手に関しては安定感が高いので、キーマンというよりはしっかりと自分の力を発揮してほしい、という思いもあります。
――彼らの出来不出来が、日本の試合結果にも影響してくるといえるでしょうか?
山村 そうですね。裏を返せば、彼らがコートにいない状況になってしまうと、それは日本にとってはあまり良くない展開と言えます。なぜなら、それは彼らが「仕事ができていない」と判断されたことを意味するからです。
――なるほど。パリでは、彼ら二人の活躍はもちろん、どれだけ長い時間、コートでプレーできるかにも注目ですね。最後に、メダルを目指す日本代表への期待とファンの方へのメッセージをお願いします。
山村 先ほども言いましたが、今の日本代表は本当に、見ていて面白いバレーをしています。地力もついてきたことで、たとえ点差が離れても「まだいける」という雰囲気もありますし、「52年ぶりのメダル」も現実的な目標です。どんな戦いを見せてくれるのか、私自身も楽しみですが、今のところ現地で試合を観る予定がないのが残念で仕方ありません(笑)。ファンのみなさんも、日本代表の戦いぶりを通して、バレーの魅力をさらに知っていただければと思います。みんなで応援しましょう!
――ありがとうございました!
山村 もちろん、全員がキーマンです(笑)。でも、それでは答えにならないですよね……。であれば、藍君と(小野寺)太志なんですけど、二人ともサントリーの選手になってしまいましたね……(笑)。
――いや、構いませんよ(笑)。
山村 別に、ウチのチームの選手だからというわけではなくて、藍君はまさに今が「伸び盛り」の選手なんです。試合を重ねるごとに良くなっている。オリンピック本番までの短期間でも、まだまだ成長する可能性がある。そこが楽しみですし、彼が伸びればそのぶん、日本はメダルに近づくはずです。太志はミドルブロッカーというポジションで、試合の中ではあまり目立たないんですけど、だからこそ重要な役割を担っています。相手の攻撃の一本目に触れたり、ブロックシステムを壊すためにファーストテンポの攻撃を通せるかという意味で、彼のプレー精度はかなり重要になってくる。逆に他の選手に関しては安定感が高いので、キーマンというよりはしっかりと自分の力を発揮してほしい、という思いもあります。
――彼らの出来不出来が、日本の試合結果にも影響してくるといえるでしょうか?
山村 そうですね。裏を返せば、彼らがコートにいない状況になってしまうと、それは日本にとってはあまり良くない展開と言えます。なぜなら、それは彼らが「仕事ができていない」と判断されたことを意味するからです。
――なるほど。パリでは、彼ら二人の活躍はもちろん、どれだけ長い時間、コートでプレーできるかにも注目ですね。最後に、メダルを目指す日本代表への期待とファンの方へのメッセージをお願いします。
山村 先ほども言いましたが、今の日本代表は本当に、見ていて面白いバレーをしています。地力もついてきたことで、たとえ点差が離れても「まだいける」という雰囲気もありますし、「52年ぶりのメダル」も現実的な目標です。どんな戦いを見せてくれるのか、私自身も楽しみですが、今のところ現地で試合を観る予定がないのが残念で仕方ありません(笑)。ファンのみなさんも、日本代表の戦いぶりを通して、バレーの魅力をさらに知っていただければと思います。みんなで応援しましょう!
――ありがとうございました!
山村宏太(やまむら・こうた)
【© サントリーサンバーズ大阪】
1980年10月20日生まれ、東京都出身。錦城高校、筑波大学を経 てサントリーサンバーズへ入団。 205センチの長身を活かしたプレーで代表、Vリーグで活躍。現役時代の愛称は『ヤマコフ205』。 2017年に現役を 引退するとサ ントリーのコーチを経て2020年に監督に。チームを三度の優勝に導き、 2023 ‐ 24シーズンを最後に勇退。 現在もサントリーホールディングスの『スペシャリスト』としてチームをサポートする。
書籍紹介
【写真提供:Gakken】
世界上位16か国が参戦するネーションズリーグで史上初の銀メダルを獲得。パリ五輪2024に向け、空前の盛り上がりを見せているバレーボール男子代表。不動のWエースとしてチームを牽引する石川祐希選手、髙橋藍選手を筆頭に、人気実力ともに史上最強のスター軍団のすべてを豊富なビジュアルとともに、どこよりも早く、そしてディープに総力特集。
パリ五輪2024で52年ぶりのメダル獲得を目指して躍進を続ける、男子バレー日本代表の今を知ることができる永久保存版的な内容になっています。
パリ五輪2024で52年ぶりのメダル獲得を目指して躍進を続ける、男子バレー日本代表の今を知ることができる永久保存版的な内容になっています。