“名手”市原弘大の即効レッスン ⑦アプローチの距離感

スポニチアネックス
 グリーン周りのアプローチを成功させられるかどうかで、スコアは大きく変わります。アベレージゴルファーにとって、難しいのは方向性よりも距離感です。市原弘大プロによれば、まずは自分の基準となる距離をつくることから始めるべきだと言います。今回は基準となる距離のつくり方を聞いてみました。
 アプローチには人それぞれのスタイルがあり、1本のクラブで対処する人もいれば、数本のクラブを使う人もいます。まずは、1本のクラブでアプローチの核をつくることから始めましょう。
お勧めのクラブはアプローチウエッジ(AW)です。サンドウエッジ(SW)だとロフトが大きい分ボールをつかまえにくく、ピッチングウエッジ(PW)はバンカー越えのアプローチに対処しづらい面があります。AWなら、ボールも上がるし、転がしにも使えるのでいろんな状況に対応できます。
 
 アプローチで大切なのは距離感ですが、クラブの振り幅で調整するのがいいでしょう。ただし、人によって力の入れ方も異なれば、ロフトも変わるので、この振り幅なら何ヤード飛ぶということは言えません。独自の振り幅と距離を把握しましょう。

 基準となる振り幅は、左腕が時計の9時を指す位置をトップ・オブ・スイングとするなら、右腕が時計の3時を指す位置をフィニッシュとします。練習場で実際にボールを打ち、どれぐらいの距離が出るのかをチェックします。

左腕が時計の9時を指す位置をトップ・オブ・スイングとする 【スポニチ】

右腕が時計の3時を指す位置をフィニッシュとし、そのときの距離を把握する 【スポニチ】

 仮に30ヤード飛んだとしたら、それよりも長い距離の時は振り幅を大きくし、短い距離の時は振り幅を小さくしましょう。SWで振り幅による距離の打ち分けができたなら、クラブを替えることにより、さらに異なる距離を打ち分けることができます。

 最初は同じ振り幅で振っているのに、ボールが飛んで行く距離がまちまちな人もいるでしょう。おそらく右手を使い過ぎていると思われます。そのような人は、クロウグリップを試してみましょう。左手を通常と同じグリップで握り、右手は甲を正面に向け、親指と人差し指、中指でクラブを挟むようにして握ります。その形を崩さずにボールを打ってみましょう。

左手は通常、右手は甲を正面に向け、親指、人差し指、中指でクラブを挟んだクロウグリップでボールを打つ 【スポニチ】

 このグリップなら、右手が邪魔をしないので、常に同じスイングをできます。慣れてきたら、もう一度両手でクラブを握りましょう。クロウグリップでの距離と両手で握ったときの距離が同じになれば、左右均等の力でクラブを振っている証拠です。

 注意点は、インパクトで力を入れないようにすること。左右均等の力でクラブを振れるようになると、アプローチの安定感は一気にアップします。

 クロウグリップにしても、ボールをうまく捉えることができない人は、テイクバックに問題があるかもしれません。パターと同じようにクラブヘッドを目標とボールを結んだラインに対して、真っすぐ引こうとするのはNGです。ややインサイドにクラブを上げて、インサイドからクラブを下ろし、インパクト後はインサイドへ振り抜くイメージを持ちましょう。

 手だけでクラブを上げようとすると、ヘッドを真っすぐ後ろに引きやすくなるので、テイクバックでは、体を回すことから始めましょう。その動きにつられて、腕が動き、最後にヘッドが動き始めればOKです。

(取材協力=千葉・北谷津ゴルフガーデン)

 ◇市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポニチは紙面を通して、毎日、感動や興奮をお届けしています。スクープ連発の芸能&スポーツニュース、中央競馬をはじめとするギャンブル情報、生活者の視点に立った政治・社会報道などで多くの読者から支持を得ています。また、紙面と連動しながら情報をいち早く提供するWEBサイト「スポニチアネックス」は、昨年のページビュー(PV)で年間約20億PVをマーク。本紙以外でも中央競馬G1レースや宝塚歌劇の特集号、スポーツのあの時を掘り下げる「スポニチアーカイブス」、日本初の子供向けスポーツ紙となる「スポニチジュニア」、業界初の週刊漫画タブロイド「マンガアルチーボ」などを制作発行しています。明るく楽しい総合メディア企業へ。スポーツ、エンターテインメントなど多種多彩な情報を発信しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント