もう一つの大記録を打ち立てたハミルトン 来季のフェラーリでもはたして勝てるのか?
アロンソがあとに続く?
マクラーレン・ホンダ以降は優勝から遠ざかっていたが、アストンマーティンに移籍した去年は開幕戦からコンスタントに表彰台に上がり、レッドブルの二人に次ぐ選手権3位をキープ。一時は2位セルジオ・ペレスを追い落とすのも、時間の問題と見られるほどだった。しかしシーズン中盤以降は車体の進化スピードが鈍り、最後はハミルトンにも抜かれて4位に終わった。
もしこの年のレッドブルとマックス・フェルスタッペンがあそこまで強くなかったら、シーズン前半のサウジやマイアミで勝てていたかもしれない。去年のアロンソはそう言ってしまえるほど、予選一発の速さもレースでの安定性も群を抜いていた。純粋なドライバー力で評価するなら、当時41歳のアロンソは間違いなくフェルスタッペンに次ぐ2番手の実力の持ち主だった。
それが今年は、別人のように元気がない。アストンマーティンの戦闘力自体がライバルチームに大きく劣っているだけでなく、アロンソ自身もチームメイトのランス・ストロールに負けるレースが増えてきたのも気がかりなところだ。
アロンソの最後の勝利は、2013年スペインGPまで遡る。11年以上のブランクを経てアロンソが再び勝ったら、今回のハミルトン以上の大事件になるだろう。
ハミルトンはフェラーリでも勝てる?
その後のハミルトンは僕たちの不明を嘲笑うかのようにメルセデスで勝ちまくり、このチームだけで6回のタイトルを得た。アロンソほどの逸材が何度も移籍でしくじり、タイトル獲得はキャリア初期のルノーでの2回のみだったのと、まさに対照的だ。
その法則からいけば、アロンソは結局アストンマーティンで勝てず、ハミルトンは強くなったフェラーリで第2の全盛期を迎えることになる。水面下で着々とチーム力を上げているように見えるアストンマーティンと、逆に主要エンジニアたちが次々に抜けていくフェラーリの現状を見る限りは、とてもそうなるとは思えない。
しかし来年はまだしも、車体もパワーユニットも激変する2026年の勢力図がどうなるかは、誰も(おそらくハミルトンもアロンソも)的確には予想できていないはずだ。
(了)